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生理、PMS、育休・産休……両立支援はありがたいけど、特定の部下にしわ寄せが。こんなとき、どうする?

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
女性リーダーたちが実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

今回は、化粧品会社の広報部で幹部職を担うナナコさんが肌で感じている、仕事とプライベートの両立支援における光と影について。お互いにサポートし合おうという前向きな組織でも、誰かに負荷がかかってしまうのが実情。部署内の雰囲気をよく保ち、みんなが気持ちよく仕事をするために気をつけているコミュニケーションのコツを紹介します。

ニックネーム:ナナコさん(30代)
8年前に化粧品会社の広告・広報に幹部職として転職。現在はグループ全体の広報チームに所属し、10人程度の部下をマネジメントする。自分から仕事をつくっていく広報の特徴を活かし、バイオリズムの波が下がっているときにはがんばりすぎず、アポ取りなど仕事の種まきに徹し、波が上昇しているときにそれを刈り取ってガンガン楽しく仕事をするというスタイルを確立。


働き方改革を推進! 気軽に休暇を取りやすくなったけど、知らず知らずのうちに仕事が増える人が……

私の職場は、化粧品会社の広報という特性もあって、女性だけのチームで動くことが多くあります。同性だから気を遣わない部分もありますが、逆にお互いに遠慮をして知らないところでストレスを抱えるような場面も。

私が入社した8年前は、出産で仕事を辞める人がほとんどでした。でも、会社を挙げて、女性社員の定着力を上げるために働き方改革を推進。今では、産休や育休などのサポートはもちろん、パートナーが転勤になってもテレワークで働けるようにするなど、かなり手厚い支援制度が整っています。

一緒に仕事をするメンバーは、私と同じ30代をはじめ、20代、40代以上など、いろいろな年代の女性たち。特に30〜40代では育児中の社員も多く、お子さんが小さいとどうしても子育てに比重が傾きがちです。子どもが熱を出して急に帰宅する必要があったり、もともと働くのが好きな人でも無意識のうちに仕事をセーブしてしまうこともあると思うんです。そうすると、ほかのメンバーに「ごめんね」と言ってサポートしてもらうことに。

また、生理痛やPMSがツライ人もいますよね。朝礼で顔を見た瞬間「あ、あの子は、生理だな」とわかるほど重く、普段と同じ仕事をこなせない日があるメンバーもいます。生理やPMSなどで有給を取得することが可能なので、男性の上司にも「今日はPMSなので午後は休みます」とか、わりとみんなが気楽に言える環境になってきました。

誰かが休暇を取ることになっても、基本的にはみんなお互いさまなので、「いいよ、いいよ」と。特にそれでトラブルが起きたことは、今までありません。

でも、知らず知らずのうちに、誰かが負担に感じていることもあると思うんです。結果的に、うちのチームでは、どうしても家庭の事情が少ないシングルの若い女性に負担がいきがちになっています。

まめにチャットして異変を察知。 話を聞くときはとにかく「共感」。 細かいフォローがのちのち効いてくる

そうやって、仕事がたまりがちな人には、小まめにフォローをするように気をつけています。キツそうな雰囲気を察知したら「手伝おうか」と声をかけたり、オンライン会議で顔色が悪そうならチャットで「大丈夫?」と聞いたり。
できるだけ本音で話してもらいやすくするために、聞くときはひたすら「共感」。「しんどいんです」と言われたら、「そうだね」とリスケができないか調整したり、ときには仕事をひきとることも。何でも言ってもらいやすくして、聞いたことは“お口にチャック”です。

わたし自身、もともとはあまり気が利くタイプではなかったのですが、長く仕事をしていると、意外とこういう細かいフォローが、のちのち効いてくることに気づきました。

女性の多いチームで仕事をしていて感じるのは、誰もが多かれ少なかれ、感情の波があるということ。歳をとってくるとだんだん鈍くなりますが(笑)、特に若いときは、仕事の悩みや失敗でエモーショナルになってしまい、いきなり泣いてしまうメンバーもたくさん見てきました。そうなると、私ができることは、話を聞いて「そうだね」と共感すること。自然とみんなのことを気にかけ、話を聞くようになっていったんですよね。

お子さんのことでずっと出社できなくて、仕事を引き継がないまま休業に入ったメンバーにムッとしたこともあります(笑)。でも、「ムッとしたのはそのコトであり、その人に対してではない」。そう思うと気持ちも収まります。部署内の雰囲気が悪くなるのが一番よくないと思っているので。

私が20代の頃は、“無茶して働くのが当たり前”で、有給は、病気のときだけとるもの。取引先から遅い時間にメールが届いたり、撮影が深夜まで及んだりすることが普通の世界で育ってきました。でも、今の会社では、働き方改革を推進して、この10年くらいで制度や社内風土がガラッと変わったんです。

私も、歳を重ねて自分の体調のプチ不調も増えてきて、今では有給は自分が持っている権利だから自分も使えばいいと思うように。まわりが変わったので、私も弱音を吐けるようになったようです(笑)



イラストレーション:高橋由季




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