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上司の心、部下知らず!? 能動的に動いてくれない部下ばかり! こんなとき、どうする?

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
女性リーダーたちが実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

今回は、現在、住宅系会社に勤めるまいかぶさんが、前職のケータイショップ店長時代に経験した「能動的に仕事をしない部下」へのモヤモヤについて。指示を出しても動いてくれず、悶々とする日々。部下とのいい関係を保ちつつ、業務効率を上げるためにとった行動とは? また、自己犠牲を伴わない、健やかなチームのつくりかたについても聞きました。

ニックネーム:まいかぶさん(30代)
◆職種:住宅系会社 営業推進課
◆部下の人数:0人(かつては6人)
金融系会社、ケータイショップ販売員などを経て、住宅業界に転職し、現在2社目。常に一人ひとりと向き合いながら、相手の些細な変化に気づけるタイプ。チーム全体で成果を高めることに喜びを感じ、他者の喜びが自身のモチベーション維持にもつながっている。


やってほしいことをやってくれない部下……。チームで成長するためにどうすればいい?


金融系の会社から転職して入ったのが、ケータイ会社。実績を積んで20代の後半ごろには、ショップの店長になりました。お客さまがとめどなく訪れ、とにかく忙しい日々。私のほかに副店長と4人の部下、合わせて6人体制で日々の業務をこなしていました。

ケータイ業界は比較的年次が若く、20代半ばが花盛りといった感じなんです。部下のほとんどが高校を卒業して間もない子や、大学卒業後にフリーターを経て「なんとなく入社した」ということもあり、社会人経験がまだ浅い部下との関係にモヤモヤを抱えていました

とくに頭を悩ませていたのは、部下が仕事を能動的に進めてくれないこと。店頭が混雑してきたら、今やっている手続きを1.5倍速で終わらせるとか、お客さまの質問をなるべくカットして接客時間を短くするとか、臨機応変に対応する必要があるのですが、それがなかなかできません。

また、ケータイショップは在庫管理が重要で、役職を問わず誰でも発注できるようになっていました。私としては部下にも積極的に在庫管理をしてほしかったのですが、どれだけ指示を出してもやってくれない。「何でできないの?」と聞いても「忙しかったんです」との返事。それに対して当時の私は特に指摘をせず、結局自分でやってしまっていたのが、今思うとよくなかったのだと思います

とはいえ、その皺寄せが自分に来ることにモヤモヤを感じていたわけではないんです。どれだけ指示を出しても相手が行動に移してくれないこと、能動的に仕事をしてくれないことがモヤモヤの原因でした

モヤモヤが積もるなかで部下にガチギレしてしまったこともありました。直後に謝りはしたけれど、怒っても根本的な解決に至らないことを知り、自分自身も落ち込みました。


メンバー一人ひとりに合った、具体的な指示出しで解消


その後、解決策を模索するなかで気づいたことがありました。なぜ在庫を切らさないことが重要なのか、なぜ混雑時には臨機応変に対応する必要があるのか、業務目的を明確にするところまで私自身が落とし込めていなかった、ということです

「あれをやっておいて」「これをこうして」などの感覚的な指示出しでは、相手がなにをどうすればいいのか理解しづらく、行動に結びつかないのだと気づいたんです。ほかにも、仕事ができたとしてもそんなに褒めていなかったなと、部下との関係を振り返ってみては反省ばかり。

そこでまずは仕事の目的や意図を細かく落とし込み、言語化したうえで、部下へ具体的に指示を出しました。

例えば、以前ならお客さまからの質問に答える接客も「早くして」と一言で片付けていたけれど、「今日は混んでいるから、いつもなら10答えていいけど、5くらいにして」と、具体的な数字で示すことを心がけました。

話の長い常連さんであれば、「あのお客さまは話が長いから、『先に私が説明をする』と伝えてから、この順番で手続きを進めてね」と指示を出したことも。

「これが遅れると昼の休憩に行くのが30分遅れちゃうよ。お腹空いたでしょ?」と、ときには主体的な行動を促してみたこともありました。

その場の状況や、部下一人ひとりに合わせて指示を出そうと思い至ってから、スムーズに実行できたのは、幼少期からお店を営む母の姿を見て育ったことが影響しているのかもしれません。お店の常連さん一人ひとりの好みを把握し、個別に対応するのが得意だった母がお手本になりました。

ちなみにガチギレしてしまった部下にはその直後にも謝ったけれど、お互い少しモヤモヤが残る感じになってしまっていたので、後に再開したときにもう一度謝り、ちゃんと和解できました。


“一人ひとりを見る目”が3回の転職を経た現職でも活きている


ケータイショップを退社後は、大手の住宅系企業に転職しました。理由はいろいろあるのですが、IDカードを首から下げられる企業に憧れたというのが転職の動機の1つ。

入社して半年間、なかなか数字が出せず、伸び悩んでいました。でも、私のなかの課題の特定から解決まで伴走してくれた上司のおかげで、前に進むことができました。

特に印象に残っているのは、「今日の接客、どこが問題だったと思う?」という問いかけから課題を分解し、解決まで導いてくれたこと。上司が丁寧に自分と向き合ってくれたことで、これまで以上に、一人ひとりとちゃんと対話することが、チームワークを高めるうえで大事なことだと実感しました。

私は、周りの人の表情や感情の変化を感じ取るのが得意な方です。その特性もあってか、チームで仕事をするときには、メンバーのモチベーションが上がり、結果的にチーム全体がよくなることが目標です。他者の喜びが自分の喜びであり、自分のモチベーション維持にもつながる。特に見返りを求めているわけではありません。

相手の顔を見れば元気かどうかがすぐにわかるので、今では同僚のメンタルフォローをすることも。そんな考え方だからか、仕事の業績では、初動は遅いけれど、後から結果が付いてくるパターンが多いですね。今後も自分の特性を活かしながら、いろいろな経験を積んでいきたいです。



イラストレーション:高橋由季




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