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【高知】日本から世界まで、林業女子をゆるやかにつなぐ「林業女子会」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、高知県で林業に携わる女性から、さらには林業に興味のある女性までをつなぐ「林業女子会」の発起人であり、林業女子会@高知の井上有加さんに聞きました。


全国に24団体、世界に1団体の計25団体でつくる、ゆるやかな「林業女子会」ネットワーク!


「林業女子会」は、林業に従事している人はもちろん、林業に関心のある人まで、林業に対して目を向けている「林業女子」でつくる、ゆるやかなネットワークです。

主な活動内容は、以下の3つ。

(1)林業の魅力を女子目線で発信すること
(2)林業女子同士のつながりづくり
(3)林業界への提言

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現在、林業女子会は日本国内に24団体(都府県)、そして海外ネットワークが1団体の計25団体あります。
それぞれに「林業女子会@○○」という団体名で活動中です。

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活動内容は地域ごとに自由にやっていて、ユニーク。

たとえば、林業女子会@京都は、フリーペーパーの発行からはじまり、木や森をテーマにお茶をしながらトークする「林業カフェ」、田舎暮らしを体験するツアーや森ヨガ、現場で働く林業女子によるチェーンソーアート教室などを行っています。

ほかの地域でも、間伐(木を伐ってまばらにする山林の手入れ法の一種)や下刈り(苗木が育つようにそのまわりに生えている雑草や雑木を除去する作業)などの林業体験、木工イベントなど、都市部の人が林業に触れられる入り口になる取り組みをしています。

このようなイベントでは、林業に縁のない女性も参加しやすい雰囲気になるような工夫も。たとえば、参加者を女性やカップル限定にしたり、親子向けの内容にしたりしています。

ほかにも、私が今所属している@高知では、林業現場で働く女性目線で、林業で使う機械や道具の改良、労働環境の改善について意見交換や発信をする「現場部」という活動も行っています。

海外部は、世界各地のNGOや研究機関などで森林に関わっている日本人女性がメンバーです。彼女たちは、仕事やワークライフバランスについての悩み相談、情報交換などを、世界中のメンバーとオンラインで行っています。

このように仕事でがっつり林業に関わっている女子たちとのガチな活動もしているんです。

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林業女子会のいいところは、林業への関わりが深い人もビギナーの人も、分け隔てなく一緒に活動に参加できるところ!

同じ女性であり、林業に関心があるという共通点があるだけで、不思議と初対面でも仲良くなってしまうものです。
私たちは世の中に数多くある「女子会」やサークルのひとつ、というスタンスなので、実は会話のほとんどは林業に関係ないおしゃべりや恋バナだったり。「お茶やお酒を楽しむのがメイン」という噂もあるほど、見かけよりもゆる〜い会なんです(笑)。

そんなゆるやかさが共感を得たからこそ、全国や海外へも広がっているのだと思います。


きっかけは、大学院時代に大好きな林業を女性目線で発信したいと考えたこと


林業女子会が誕生したのは、2010年の京都。

当時、京都の大学院で林業を学び、サークル活動でも地下足袋を履いて山仕事をしていた私は、自分が大好きな林業について、世の中に全然知られていないという状況をどうにかしたいと考えていました。

そんなときにブームになっていたのが「山ガール」や「森ガール」など、趣味やファッションの分野で山や森をテーマに楽しんでいる女の子たち。
それならば、「山や木と生きる『林業女子』というライフスタイルをアピールしてもいいんじゃないか?」という単純な思いつきから、クラスメイトや知人の林業女子たち10人ほどに声をかけたんです。

そして京都市内のカフェに集まり、「女子目線で林業を発信してみたい!」と提案。その場で「林業女子会@京都」が誕生しました。

思い立ったら行動が早いのが女子の強み! スタートダッシュはパワフルでした。
雑談のなかから活動のアイデアがどんどん生まれ、メンバーがやりたいこと・できることをカタチにしたイベントなどを小さく開催していきました。

山に行くだけが林業ではなく、暮らしのなかで木を使い、そのよさを味わうというライフスタイル、木やジビエなど森の恵みを加工・販売して街と山をつなぐことの大切さも伝えていきました。
メンバーのなかにも、林業や建築に関わり、そういった暮らしや仕事を実践している女性が多くいます。

また自分たちでできないことは、プロの木工作家さんに先生になってもらったり、ほかの団体とコラボしたりして、周囲の方にたくさん協力していただきました。

こうやって無理をせずいろいろな方に甘えて頼ったことが、多くの人を巻き込むことになり、活動の輪が広がってよかったと思っています。

メンバーも介護職や出版業界、主婦の方など、どんどん多様に。異業種の女性が入ることで、さらに視野が広がりました。

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私たちの活動はメディアに取り上げていただく機会も多くなりました。

しかし、「林業女子」といえば「チェーンソーで木を伐っている」というイメージがあるようで、実際の活動とはかけ離れた表現を求められたり、「木を伐ってもいないのに『林業女子』と名乗るな」と批判されたり、私たちの考えや想いがうまく伝わらないことも。

ただ、そういった問題にぶつかったことで、あらためて「林業とはなんだろう? 女性だからできることはなんだろう?」と考えるきっかけになりました。
その結果、自分たちなりに「林業女子」を定義することができたので、今となっては必要なプロセスだったと思います。


「100年先を考える余裕の女子」を理想に掲げ、活動したい!


林業女子会は本当にゆるい会なので、やりたい活動はそのときの状況に合わせて考えてきました。

たとえば、創業当時に学生だったメンバーが子育て世代に突入したことで、最近は子どもたちに木に触れてもらう「木育」や、自然保育に関わる活動も増えています。
また、発足から10年経って、林業に関わりたい学生などから進路相談を受ける立場にもなってきました。

そんなライフステージに合わせた変化が多いのも女子会ならでは。これからどんな展開になっていくのか、どんな出会いがあるのか、いつも予想を超えてくれるので楽しみです!

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また、林業は地域の気候によって森林の様子やスタイルも違い、自然に寄り添った暮らし方もさまざま。それが林業女子会の活動にも多様性を生みだしています。

これからも地域ならではの森の楽しみ方を見つけて発信し、そして他の地域の女子会同士の交流もしていきたいですね。

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林業の魅力を伝えたいという想いからはじまった活動に、これほど多くの林業女子が共感してくれるとは思っていませんでした。

結果的に全国に広がった林業女子会の活動が、林業の活性化という大きな課題に役立つかどうかはわかりませんが、山をフィールドにしたユニークな活動がさらに活性化したり、女性のライフスタイルがより豊かになっていってくことを願っています。

共感力、発想力、瞬発力など女性の強みを活かしていきたい! そして、林業女子会のコンセプトである「100年先を考える余裕の女子」を、いつも理想の姿としていたいです。


懐の深い森林は、女性のいろいろなチャレンジを受け入れてくれる!


日本の7割を占める森林は、いろいろなチャレンジを受け入れてくれる、懐の深い大きなフィールドです! そこで活かせる女性の才能やアイデアがきっとあります。

その入り口を見つけたいと思ったら、ぜひ林業女子会にお越しください。女性ならどなたでも、ゆるっと参加いただけます。

★好きな言葉★

思い立ったが吉日

今の自分に能力がなかったり、やり方がわからなくても、想いが強ければいろいろな方が力を貸してくれて、形になることもあります。考えるより先に行動してみましょう!



国内外合わせて25団体の林業女子をつなげる
林業女子会

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林業を愛し、アクションする、100年先を考える余裕の女子♪のプラットフォーム! 「林業の魅力を発信する『情報発信』」、「仲間づくり『ネットワーキング』」を目的に活動しています。





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