婚活パーティにはどんな服装で行けばいい? どんな会話をすればいい?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室310】
✳️今週のお悩み✳️
2歳下の独身の弟が重い腰を上げ、3月に10年ぶりに婚活パーティに参加することになりました。30~50代が対象のまじめな会で、15人くらいずつ男女が集まり、食事もするようです。そこで、弟にどんな服装で行けばいいかを相談されたのですが、私も経験が乏しいため、わからなくて…‥。宇多丸さんは婚活パーティに参加したことはないと思いますが、どう思いますか? スーツだとかたすぎるような気がして……。ちなみに弟はぽっちゃり型で、普段はシャツにジーンズが多く、決しておしゃれとは言えません。服装で気をつけるべきことに加えて、どんな会話をしたらいいかなど、全般的にアドバイスをよろしくお願いします。気さくな弟ではあるので幸あれと願っています。
(ミミ・46歳・パート・埼玉県)
宇多丸:
婚活パーティって、スーツじゃないんだ?
こばなみ:
内容とかテーマにもよるんじゃないですか?
少し調べたら、ふつうのパーティから趣味別の集まり、いちご狩りのようなお出かけ型など、いろいろあるみたいですね。この場合、なにも書いてないので、ふつうのパーティですかね。
宇多丸:
じゃあまぁ、カジュアルめなジャケットとパンツにノータイでシャツ、みたいな感じかな……とか、誰だってそのくらいの目星は普通つけられそうなもんだけど。
弟さん、よっぽど服装に無頓着なままここまで来ちゃった方、ということなのかな。おいくつでしたっけ?
こばなみ:
ミミさんの2歳下ということなので、44歳ですかね。
宇多丸:
じゃあやっぱり、ちょっとはカッチリしたバランスというか、年相応の経済的余裕感は出てたほうがいいかもな。パーカにデニム、とかじゃなくてね。
あのさ、こういうときのアドバイスとしてよく「清潔感が大事」って言われるじゃない?
でもそれって、ちゃんと洗濯したもん着てるからいいでしょとか、そういう話でもないわけじゃん。
要はさ、「まともさ」がしっかり伝わっているかどうか、のことを言ってるんだと思うんだよね、「清潔感」って。
だから、何を着るか以前に、髪とか耳毛、鼻毛、爪、体臭、あとはご飯の食べ方しゃべり方とかまで、まずは人として、存在として自分のケアがちゃんとできているのか、他人に不快感を与えないよう配慮ができているのか、というのが最低限のスタートラインになってくるわけですよ。
こばなみ:
たしかに。
宇多丸:
だってさ、爪が汚かったりしたら問答無用でアウトじゃない?
こばなみ:
無理。
宇多丸:
要は服装とか見た目に関することって、言ってみればその人の社会性の、わかりやすい反映でもあるわけじゃないですか。
たとえばあまりにもTPOをわきまえない格好をしてる人は、そういう常識とかが通じない人なんだな、的にどうしたって判断されてしまう。
もちろん、本人が確信的にやっていて、他人にどう思われたって構わない、というならそれでもぜんぜんいいんだけど……。
やっぱさ、婚活パーティみたいな場所でまず最初に何をチェックされるかって、要は「やべーヤツか、そうじゃないか」ってことに尽きるわけじゃない?
たとえば、そういう初対面の人同士が集まるような場で、服装や言動含めて「適度に無難に」ふるまえるような、最低限の社会性、協調性があるかどうか。
好かれるかどうかとか、そんなのはその先の話でしょう。
こばなみ:
第1フェーズとしてはそうですよね。ありかなしか。
宇多丸:
ということで、まずは髪の毛鼻毛耳毛ヒゲなど、目に見える毛回りの処理をすっきりと!
歯とか爪とかのケアも、当然抜かりなくね。
できれば、あくまでさりげなくいい香りなども漂わせられればベターかと思うので、そのへんはミミさんがなにか、趣味のいいあたりを見つくろってあげて。
服装に関しては、さしあたってはやっぱり、さっき提案したようなカジュアルめのジャケットとシャツ、的なラインから慣れてみてはいかがですかね。
ちなみに、服選びで僕が一番大事だと考えているのは、色やシルエット、素材感含めた、全体のバランスです。
特に、全身で見たときのカタチ感、みたいなのはすごく重要だと思う。
その意味でジーンズは、本当にベストなサイジングをするのが、実はなかなか難しいアイテムなんじゃないかと、個人的には思います。
はっきり言って、スタイルがそこそこいい人じゃないと、いい感じに決まりづらいんだよね。
常に貧乏くささと背中合わせな代物でもあるし。
あとは、濃淡のメリハリがついてない人が多いなー、とは街中を見てて思う。
だから全体的に薄ぼんやりして、体型も締まって見えない。
といったようなことを踏まえて、無難めなコーディネイトをするなら……まぁジャケットはネイビーでしょうね。
で、中には水色のボタンダウンシャツ。肌の色次第では薄いピンクや黄色もいいと思うけど。
で、下はゆったりめのコットンパンツ、ってとこじゃないですかねぇ。
靴は、上の合わせにもよるけど、もしスニーカーにするのなら、ハイテクなのじゃなくて、できるだけシンプルでクラシカルなローカットを、ここ一番大事だけど、とにかくキレイな状態で履く! これ絶対!
上にどんな高いもの着てても、靴が汚れてたら全部台無し、くらいの気持ちでいつでもいるように!
余談だけど、服のメンテという意味では、ニット着るなら毛玉取り機もマストだと個人的には思います……。
で、さっき言ったようなコーディネイトに、靴下で差し色を入れる。
ネイビージャケットに水色のシャツ、白いスニーカーなら、ちょっと赤に近いえんじ色とか、僕もよくやりますけど、間違いないですよ。
要はこの組み合わせ、トリコロールなんですよね。
こばなみ:
そっか!
宇多丸:
要は、全体に色数を絞ったうえで、一つだけ鮮やかな色を入れる、みたいな考え方ですね。
以前たしか萬田久子さんも、おしゃれに自信がない人はまず2色に絞れ、的なことをどこかのインタビューでおっしゃってましたよ。
こばなみ:
これ宇多丸さん、カバンとかは?
宇多丸:
まぁ、トートバッグ的なのでいいんじゃないかな……。
てかさ、ぶっちゃけ、一定のセンスが身につくまでは、自分だけでジタバタしないで、さっさと間違いないブランドショップ行って、お店の人に事情もちゃんと話して、上から下までピチッとコーディネイトしてもらうのが、一番話が早いし、実際仕上がりもいいはずですよ!
もうさ、ラルフ・ローレンで良くね?
こばなみ:
ラルフならサイズもありそう。
宇多丸:
ラルフは、コンサバな感じも守りつつ、しっかりかわいくおしゃれでもあるからね。間違いないですよ。
こばなみ:
私、あの大きい馬がちょっと笑っちゃうんですけど。
宇多丸:
だから、店員さんにも事前に、婚活パーティだからできるだけ無難にかわいくまとめたい、という意向をしっかり伝えておいて、そういう派手めのロゴやマークものは避けてもらう。
初心者なんで、とにかく清潔感ある感じに、体型もスッキリ見えるようにしたい、ってなこと言えば、その通りちゃんと見つくろってくれるから。堂々とプロに頼ろう!
あとさ、本当に何もわかんないんだったら、アイビールック入門みたいな本とかもあるからさ、なんとなくこういうもんだなっていうのを、ちょっとだけでも把握しとくといいんじゃないですかね。
ジャケットにボタンダウンシャツにチノパン、冬はその上にダッフルコート着るとか、そういうの嫌いな人、いませんから!
こばなみ:
これなら「やべーヤツか、そうじゃないか」で、そうじゃないに入れそう。
宇多丸:
あっ、ちなみにラルフでも、デパートの小さい売り場じゃなくて、表参道の、あのでっかい店舗とかに行ってくださいね。品揃えが豊富なとこのがいいし……、あそこで、それこそカバンや小物まで、一気に揃えちゃえば?
まぁけっこうなお値段するかもだけど、年齢が年齢なんだから、それなりにドーピングしないと!
はい、で、次は? どんな会話をしたらいいか、か。
普通は婚活パーティって、どんなお話するの?
こばなみ:
趣味は何ですか?とかじゃないですか。
宇多丸:
まぁでも、自分が何を話すかよりも、相手の話をちゃんと聞けるかどうか、が何より大事なんじゃない?
だいたいこっちだって相手を探しにきてるんだから、その候補たちが話すことに本気で興味を持って、いろいろ質問したりもするって、当たり前にやるべきことでしょ。
こばなみ:
こういう場って、つい何か話さなきゃって思いがちだけど。
宇多丸:
もちろんこっちのアピールも必要だろうけど、割合としては向こうが8、こっち2でちょうどいいくらいと考えて。
「ふんふん、それはどこにあるんですか?」「面白そうだなぁ、僕も行ってみたいなぁ」とか、先方がちゃんと気持ちよくお話できるように、とにかく謙虚に「教えてもらう」姿勢で、誠意を感じさせる相槌をポンポンと入れてって。
そしたら「あら、ではぜひ今度ご一緒に」とか、次につながってゆくかもしれないじゃん。
あとは、自分が話す番になったときも、常に相手と関連づけるようにしてさ。
たとえば映画だったら、自分がベラベラ話し出す前に、「ホニャララさんは、映画館は行かれるほうですか?」「どんな映画をご覧になりますか?」とか、向こうが話すターンも必ずこまめに入れ込んでゆくよう心がける。
「寝ないでゲームやり続けたことありますか?」「海外で実銃撃たれたことありますか?」……これは避けたほうがいいか(笑)。
でも、マジで趣味の話は、うまくハマればやはり最高のとっかかりになるからね。多少変わったラインというのも、一概に悪くはないんじゃないかと個人的には思いますが。
逆に良くないのはやっぱり、てめえの自慢話でしょ。車は何乗ってるだの、何億の取引してますだの……。
真面目な社会人として誠実に堅実に生きてきましたし、今後もそこは揺るぎません、というようなことがまずは伝わればじゅうぶんじゃないですかね。
なんにせよこっちのアピール的なことは、向こうが聞いてきたら話の流れで、という感じでいいと思うんだけど。
それよりも、飲みもの切らしてないかとか、食べもの取り分けてあげるとか、とにかく相手を常に気づかう姿勢のほうがだんぜん大事だし、実際てきめんにモテると思います!
こばなみ:
ぐんといける感じがしてきた!
宇多丸:
目指せ聞き上手!
そして、目指せラルフ・ローレン表参道!
もし仮にそれで身につけてるものとか褒められたら、やはり自慢に走るんじゃなくて、「実は、こういう場に何を着てくればいいかわからない野暮天でして、知人にアドバイスを受けて、一気に揃えてみたんです、お恥ずかしい……!」とか正直に言って、顔真っ赤で汗ふきふき(当然ラルフのミニタオルで)とかも、すっごくかわいくていいと思います!
こばなみ:
ドーピングして、がんばってくださいね!!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年2月15日に公開したものを再編集し、掲載しています。