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記憶が飛んで知らない人とイチャつきホテルに……!? 酷い酒癖、どうしたらいい?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室295】


✳️今週のお悩み✳️
今回は私の酷い酒癖について相談させてください。私はかなりの酒好きなのですが、一定量飲んで記憶が飛ぶころあいになると、一緒に飲んでいる男友達のうち一人(アリだな……と素面のときに思っている相手)とイチャつきだし、帰りたくないとゴネ、結果ホテルに……という悪癖があります。彼氏が居てもお構いなしです。また、この悪癖のせいで起きたらまったく知らない人と居て後悔&死ななくてよかった!と安堵するという経験も複数回あります。
メリットとしては、致す行為がわりと好きな方なので、「過去の自分からの贈り物かな?」と起きてから美味しく頂き、結果具合が良くてそちらと付き合いだすなど、ひょんな事態を楽しんでいる部分があります。デメリットとしては、いつか死ぬ気がする点、社会に出てから不倫で社会的に死ぬ気がする点です。また、こうしたひょんな事態から彼氏を乗り換えるため、もう6年で6人彼氏が入れ替わっており、いつまでも人とちゃんと向き合わない恋愛をしている自分への焦燥感も湧いてきています。ちなみに彼氏には全力で隠します。
宇多丸師匠の目線でこうした人間をどう思うか、ぜひお聞かせいただけたらと思います。
(ユウキ・24歳・大学院生・東京都)


宇多丸:
とりあえず、「致す行為が」から「結果具合が良くて」ぐらいのくだりが最高だよね(笑)。昭和のおっさんか!

「過去の自分からの贈り物かな?」のヌケのいいバカさも笑っちゃうし。ユウキさん、楽しい人なんだろうな。

言うまでもなく、本人が好きでやってて人に迷惑かけてないなら、どう楽しもうとどう生きようと、外野がとやかく言う話じゃないわけだし……。

ただ!

飲酒癖や性的に奔放なことそれ自体が悪いわけじゃないけど、そこにまつわるもろもろを自分でしっかり意識的にコントロールできてないのだとしたら、それは大問題だと思う。

シンプルに、身の危険があり得るから気をつけなさいよ、とは言っときたいです。

というのもね、僕の知人で、まさにそういう、お酒飲むと記憶が飛んじゃう女性がいて、その人が最近、酔っ払って転倒して、シャレにならない大怪我しちゃったんですよ。

結果的には、リハビリも頑張ってなんとか普通に生活できるまでには治りましたけど、一時は一生腕が上がらないかも、 って言われてたくらいだったんですから。

そんな目に遭いたいですか?って話ですよ。

あと、性的な冒険もぜんぜんいいと思うけど、社会的にどうこう以前に、病気うつされるとか望まない妊娠とか、そういうリスクだって当然あるわけだからね。

やはり、自分でしっかり状況をコントロールできている、というのは最低限の条件ですよね。

こばなみ:
ひょえー、ですね。怪我とか病気とかになると、一気に笑い話ではなくなりますね。

宇多丸:
まずやっぱり、「一定量飲んで記憶が飛ぶころあいになると」って言うけど、基本そこまで飲んじゃダメなんだってことを自覚しないと。

ぶっちゃけユウキさん、いつもそんな簡単にそこまで行っちゃうということは、どっちかと言うと「飲めない側」の人なのかもしれない、ということも考えたほうがいいかもですよ。

しつこいようですが、日本人の半分は、そもそもアルコールを分解する酵素を持っていないのです!

こばなみ:
酒好きっていってるけど、だからって酒に強いわけではないですもんね。最近の私、まさにそう実感しています。すぐ酔っ払って何言ったか忘れてしまう……。

宇多丸:
もちろん僕だって、飲み過ぎて終盤記憶がないとかってこと、今でもたまーにやらかしてないわけではないですけど……、12時間飲み続けたとか、そういうときですけどね。

ただ僕の場合、要は「保存」の機能だけ止まっているってことみたいで。

翌日起きてみると、途中からよく覚えてないなぁ、たしかこんなこと話してたよなぁ、くらいの感じなんだけど、しっかりうちに帰って寝支度して布団に入ってるし、その場にいた人に後から聞いてみても、「そこまで酔っぱらってるようにはぜんぜん見えなかったし、いまの延長線上でふつうにテキパキしゃべってましたよ」って言われることが多いです。

こばなみ:
やらかしてはないんですか?

宇多丸:
そりゃ10年以上前とかなら、議論~論破モードにストッパーがかかってないとかよくあったと思うけど(笑)、最近はそもそもそこまで飲まないし……、あと、お酒の種類や質に気をつけるようになったのも大きいかな。しょせんはドラッグですからね。相性もあるし、粗悪なブツで体壊したりバッドトリップしたりは当然!

ユウキさんはまだ24歳だから、自分にとってどのくらいがちょうどいい飲酒量なのかとか、何なら悪酔いして何なら比較的大丈夫なのかとか、そういうのを身をもって学んでいる最中ではあるんだろうけどさ。

まぁ、「アリだな……と素面の時に思っている相手」と酔った勢いでどうかなってしまう、というのはまだいいよ。

でも、まったく知らない人と気づいたら……っていうのは、やっぱちょっと危なっかしすぎるよね。

こばなみ:
ほんと、事件とかも怖いですから気をつけて!

私も本当に本当に酒に弱くなり、覚えてないというか、朝起きたら嫌な感じだけ残っていて、翌日人に聞くと誰かに強く言ってたらしく、悪いことしたなぁってことが続きまして。なので、これはなんかコーフンして言いたくなってきてしまったぞ!と思ったら帰る!もしくは寝る!ように心がけておりますが、あんまりうまく行ってないことも多々ありです……。

宇多丸:
酒飲んだ時にバッドな思考に入っちゃうのはホント良くないね!

こばなみ:
食欲もコントロールできなくなりますしね。24歳くらいならまだいいですけど、30代になると、酒飲んで食べてぶくぶく太りますよ、マジで!

本気でダイエットするなら絶対酒抜けってトレーナーにも言われましたし。

宇多丸:
ちなみにライムスターには『お ぼ え て い な い』という曲がございます(笑)。

ただまぁ、記憶なくすまで飲むのはやめるに越したことないけど、アルコールの効果でちょっと大胆になっちゃって、いつもなら飛べないジャンプをしちゃうことで得られるもの、というのもないわけじゃないからね。

それこそ体の相性とかさ、一線越えないとわからない何かが確かめられる、というのはまぁプラスではあるでしょうからね。

こばなみ:
ユウキさんは結局、彼氏が入れ替わったりして、いつまでも人とちゃんと向き合わない恋愛をしている自分ってどうなの?ってことを聞きたいのですよね。

宇多丸:
そこは別にいいんじゃない?

だいたい「人と向き合う恋愛」って何?って気もするし……、まだぜーんぜん若くて、何を背負わなきゃいけないわけでもないんだしさ。飽きるまで好きなようにすりゃいいと思いますけど。

ただし、それが自分でちゃんと選択した結果なら、ってことね。

ただ単に、酒で記憶なくして気づいたら……の連鎖に流されてるだけなんだったら、それはやっぱりちょっと、考えたほうがいいかもね。あんまりそれが続くと、自分のこと嫌いになっちゃったりしないかな、とか。

そしてもちろん、何度も繰り返しますけど、単純に危ないよ!というのが一番の問題。

さっき言ったように一生後遺症が残りかねない怪我とか、ゲロで息が詰まって死んじゃうとか、冬なら表で寝ちゃって凍死とか、ぜんぜんよくあることですから!

逆に言えば、自分で状況をコントロールしてて責任取れるなら、浮気だろうが不倫だろうが好きにすればいいですよ。

ただ、そんな酔っぱらった勢いでイチャついてるようじゃ、周りにはふつうにバレバレってことですからね。すでに「状況をコントロール」できてないよ!

クラブとかでよくありましたよ。えっ、アイツとアイツ、ベロベロになってチューしてる!みたいな。で、僕はそういうのを記録として写真に撮ったりしてたから(笑)。いまどきならなおさら、証拠は押さえられやすいわけだからね。

あと、性病とかもね、自分が発症しなくたって、保菌者になっちゃってる場合もあるからね。

で、知らず知らずパートナーにうつし続けることになってしまい、結局告白しなきゃならないハメに……とかも、これまたよくある話ですから。

こばなみ:
各方面、取り返しのつかないことになる前に、どうか飲み方の見直しを! 自分もがんばります!!





【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2019年9月21日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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