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アプリで出会った彼氏は年収3000万以上のオーストラリア人! スペックが高すぎて、なんだか怪しいと思ってしまって……。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室279】


✳️今週のお悩み✳️
アプリで出会った彼を信用して良いものか悩んでいます。ひと月ほど前、アプリを通じて知り合ったオーストラリア人と交際することになりました。2、3回目のデートで試しに付き合ってみようという話になり、毎週末ご飯や映画に行ったり、お付き合い自体は楽しいと感じていますし、お互いを知るにつれて「いい人と出会えたなあ」と感じています。ただ、彼のいわゆるスペックがやたらと高く、なんだか怪しいと思ってしまっているのです。両親が医者、彼はフリーのエンジニアで年収が3000万円以上など漫画のような話で、「めちゃくちゃベタな詐欺か……?」と疑ってしまいます。実は遊び人だった、ぐらいなら、正直こちらも楽しんではいるので問題ないのですが、結婚詐欺やリベンジポルノなど、犯罪に巻き込まれるのはやはり怖いです。私にとって人生初の彼氏であることや、彼が外国人ということもあり、関係の発展の仕方が自然なのか、詐欺っぽいのかも判断ができずにいます。彼の両親が先日日本に来た際には、2人に会って欲しいと言われたり(日程の関係で会いませんでしたが)、彼の友人に彼女として紹介してもらったり、周囲の人にも隠している様子はないのですが、疑いだすとキリがありません。客観的に見て彼が付き合っても大丈夫そうなのか、気をつけるべきことや確認すべきことなどアドバイスがいただければ幸いです。

(りんご・24歳・兵庫県)


宇多丸:
この連載でも以前チラッと話題にしたことあったけど、出会い系アプリで相手を見つけるのって、今やホントに普通のことになった感がありますよね。

こばなみ:
私もまわりで知ってる限り、結婚した人、3組はいますよ。もう、珍しくはないですよね。

宇多丸:
さて、そこでできた初めての彼氏は、高年収のオーストラリア人、と。
ご両親に来日タイミングで会えていればだいぶまた安心度も違ってたことでしょうけど。

こばなみ:
本当かどうか、確かめる絶好のチャンスだったのに、ですね。
でも、友達には会ってるんですよね。

宇多丸:
まぁでも「疑いはじめるとキリがありません」っていうくらいで、極端なこと言いだせば、どっちもウソついてるのかも?とかも一応考えられちゃうわけじゃん?

こばなみ:
でも、そんな大掛かりな詐欺みたいなの、しますかねぇ。
詐欺をするほどの理由があるんですかね?

宇多丸:
まぁ、そこまでお金持ってる歳でもないしねぇ。

とりあえずさ、身元確認の基本は、パスポートじゃない? 
自然な感じで、まずは見せてもらう。

あと今どきはやっぱり、SNSチェックでしょ。
まぁ本気の詐欺だったら今やFacebookの内容とかも詐称してたりするんだろうけど、その可能性含めて、雰囲気を見てみる。もちろん、できるだけ日付をさかのぼって。
さらに彼の友人と両親のSNSもしっかりサーチすれば、彼の言ってることとの整合性をジャッジする材料、かなり増えるんじゃないですかね。

あと、ご両親が医師なら病院にしろ開業にしろ、やっぱりインターネット上の窓口が必ずあるはずなんだからさ。
いまどきは写真だって添えられてるもんだったりするでしょ。
まずはそのあたりから、情報の収集とすり合わせをしてったらどうですかね。

でもこれはさ、初めての彼氏がしかも外国人、ということで余計に疑念が増しやすくなってるだけで、本来は、どんな出会いにも多少は付随してておかしくない、超普遍的な話のはずなんだよね。
この人が自己申告してる素性って本当にホントなの?って、別に日本人同士だって言えることですからね。

仕事とか収入とかっていうガワの話じゃなくても、それこそ最大のブラックボックスは、その人の内面じゃん。
目の前で微笑んでるこの人は、本当には、どういう人間なのか?

どんなに外ヅラがよくても、知り合うほどにDV化してくかもしれないし、結婚したら豹変したとかも全然あるわけだしさ。

前にも三池崇史監督の『オーディション』っていう映画を例に出しましたけど、要は「想像もしなかったような素晴らしい出会いがあるということは、想像もしなかったほど最悪な出会いというのもまたありうる」ってことですよ。
というか、その両極は、背中合わせですらあるかもしれない、ということを描いているからこそ、ものすごく怖いと同時に、終わってみるとやっぱりすごく哀しい映画にもなってると思うんですよね、『オーディション』は。

まぁだからこそ、やっぱ初期段階の見極めは大事なんですけど。

ちなみにりんごさんは、彼の家はまだ行ってないんですかね? 
家の様子で、年収3000万とか、そのへんはさすがにわかってくるんじゃないかという気もしますが。

自宅に招くのを妙に渋るとしたら、その時点ですでにもう、いろいろ怪しくなってきますよね。
ま、昔の僕もそうだったわけですけど、あれは部屋の中が大変なことになってたからで、少なくとも年収3000万が言うことじゃないから(笑)。

こばなみ:
たしかに~。

宇多丸:
あとはさ、デートのときの服装、行く店、そして支払い……、若い世代ほどワリカンに抵抗ないって言うけど、さすがに年収3000万の人が、1人1378円ね!とかはやらないんじゃないか(笑)。

こばなみ:
でも最近、ミニマル生活みたいなのが好きで倹約思考の人とかもいそうじゃないですか?

宇多丸:
たださ、そういう余裕あるミニマル志向とガチ貧乏は、やっぱ違いが出るでしょ! 
 いくらなんでもボロアパートに住んでるわけじゃないだろうし、もし仮にそうだったとしても、お金あるはずなのになんで?とは聞けるじゃん。
貯金してるから、とか返してきたとしたら……、そしたらいよいよ、通帳見せて!だな(笑)。

こばなみ:
アプリに登録するときって、年収を書くじゃないですか。で、実際は違ったりしたら、なんでウソつくの?みたいになりますよね。

宇多丸:
まぁ皆さんどのくらい正直に書くもんなのかはわかんないですけど。
規約とかに、書いてあるところを信じるかどうかは自己責任でねとか、ちーっこく書いてあるんじゃないですか?

ちなみにこのカップル、文面から察するに、まだ肉体関係まで行ってない感じですよね? 
いざXデイが来たとして、そのときこそ彼の家に行くのか、それともホテルに行くのか。
ホテルだとしてもやはり、3000万感はどうしたって出るでしょう。

それ以前に、たとえば使っているサイフ、出してくるカード、あるいは履いている靴……、たとえ華美な感じでなくても、あーいいものばかり身に着けてるなって人、いるじゃないですか。
オーストラリア人の彼は、そのへんどうなのか。
まぁ、稼いではいるけど自分の身の周りのことには無頓着なタイプ、というのもいるので、あくまでこれも判断材料のひとつ、ということで……。

あと、リベンジポルノとかは、心配する前に、そもそもこの段階でそういう写真撮らない!

とにかく、やっぱ自宅は一番その人がわかると思いますよ。基本、逃げも隠れもできない場所なわけだし。
どこのどんな広さの家で、どんな暮らしをしているか?
置いてある本、あるいはシャンプー、ボディソープ、タオル、そういうものでもわかることはたくさんあるだろうし。
狭くて汚い部屋に住んでても、貧乏でなのかあえてなのかには、自ずと差が出てくるはず!

現段階では、それくらいしか言えませんね。
リスクはどこの誰にだってあるわけですから。

こばなみ:
出会い系アプリだから、外国人だからってわけじゃないってことですよね。

宇多丸:
ただ外国人の場合は、逃げられちゃったら追跡しにくい、っていう現実はあるからね。
だからやっぱり、パスポートは押さえておくべき!(笑)

もちろん、彼は何ひとつウソなど言ってなくて印象通り最高の当たり物件でした!ということになるかもしれないし、実際そっちのが全然考えやすい話だとも思いますからね。

それより、最初に付き合った相手があまりにもわかりやすく大当たりで、いきなりほかを探す必要がなくなっちゃった、というのは、それはそれでいずれモヤッとすることになったりもするかもな、とはちょっと思わなくもないですけど……、それはまた別の問題ですし、気が早すぎる話でしたね。

まーね、あんまり臆病になってばかりだとなにもできなくなっちゃうだけですから。
とりあえず今はこの流れに乗っかりながら、一方でリサーチ&ジャッジもぬからない、という感じでいいんじゃないですか?

こばなみ:
りんごさん、調査ファイトです!



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2019年5月4日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
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詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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