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私は謙遜しすぎなのでしょうか? 最近知り合ったグループでは、謙遜しているとまさにその通りの扱いをされ、バカにされているようで嫌な気持ちになります。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室428】


✳️今週のお悩み✳️
私の悩みは、自分は謙遜はしすぎなのか?ということです。自己肯定感が低いわけではないと思うのですが、照れ屋なこともあり、基本的には人と話しているときは、自分のことを謙遜する傾向にあります。これまでは周りの人もそんなテンションなので、違和感がなかったのですが、最近趣味の会で知り合いになったグループの方々(年齢が私よりも10~15歳若い)の半数以上は、私がそういう態度でいると、まさにその通りの扱いといいますか、少しバカにしたような扱いをしてきます。ある意味、私の言葉の通り、ストレートに接しているのだと思うのですが、調子が狂うといいますか、少し嫌な気持ちになります。私が謙遜しなければ解決するのかもしれないのですが、それも慣れてないのでなかなかできません。コミュニケーションって難しいですね。こんなとき、宇多丸さんならどうしますか? 私の気の持ちようや行動を変えたほうがよければ、そこも含めてアドバイスいただけたらと思います。
(ジャージー・44歳・会社員・東京都)



まずそのさ、そもそも「謙遜」って、通常は、人から褒められたのに対して「いやいやそんなことないです」とかって返して、言ってみればちょっとだけバランスを調整する、ぐらいのニュアンスの言葉だよね。

いっぽうジャージーさんのこれは、最初に何か向こうからの褒めがあってのこと、ってわけでもない感じがするんですけど、いかがでしょう。
だとしたら、どっちかって言うと「自己卑下」的な物言いがクセになっていて、みたいな話なのかなとも思うんですが。

僕自身、自己卑下芸みたいなのがトレードマークだった時代も長かったんで、気持ちはよーくわかりますよ。
今はあんまりやらないようにしてますけどね。


やめたきっかけは?


やっぱ、あんま聞いてて気持ちいいもんじゃないよな、って思ったのもあるし……。
あとはそれこそ、ジャージーさんの場合と同じで、こっちのオドケを真に受けて、自分も失礼な態度を取っていいんだと思っちゃうような人も世の中にはけっこういるんだなぁと、ゲッソリさせられることも少なくないからというのもある。

たとえば、スキンヘッドはもちろん好きでやってるしハンパな髪型よりは普通にイケてると考えてますけど、赤の他人からまるで面白いこと言ったったふうに「ハゲ」とかいう言葉を投げかけられたりすると、たとえそこまで悪気があったわけじゃなかったとしても、その驚くべき無神経さにやっぱりガッカリはするじゃん?
だから、せめて自分からそこをネタにするのはもうやめよう、と思ったりして。


なるほど。私はなんか自信がすごくないときに、先に言っておく、みたいなことでやっちゃうことがあります。
でもそれって、ただただ、自分を守ってるんですよね。


そういうパターンもあるよね。
そんなことないよ!ってホントは言ってもらいたいのか?みたいな。
つまり、結局のところ相手に気を使わせてしまってるんだよね、過剰な自己卑下とかって。

ただなんにしても、こっちがどれだけ低く出ていようと、それに対して第三者がバカにしたような態度を取っていい、なんて法はないから!
そもそもそのグループの方々に、ちょっと人格的な問題があるんじゃないか、って気がしなくもないですが。

今からこちらが多少モードを変えたところで、あっちが接し方を改善してくれるかっていうと、そういうことにも別にならないような気がしてならない……。



趣味の会がなんだかわからないけど、それ絡みのレベルとか、上手い下手とかで、そういうことを言ってるんですかね?

こんなとき、宇多丸さんならどうしますか?


僕なら、とりあえず内心おもっくそバカにする(笑)。

それに、だいたいそういう場合、同じように思ってる誰かは必ずいるし、なんなら実はそっちが多数派だったりするもんで。
よくよく周りにも話を聞いてみたら、そいつ以外の全員がそいつをバカだと思ってた、みたいなことはよくありますから。

でもジャージーさんの場合、グループの半数以上がそうなんだもんね……。
だったら、とっととそことは距離を置いたほうが、話が早いかもしれないですけどね。

僕でいうと、たとえば中学のとき入ってたサッカー部では、単純に下手だったのもあって、後輩含めてすさまじく下に見られてて。
またそういうときって、こっちもそういう見られ方に自分を合わせていっちゃうようなところもあって……、それこそつい自己卑下的な振る舞いをしてしまいがちで、結果ますますそういう役割を固定化させてゆく、みたいな構造もあったと思う。
その内部にいる限り、それはどうにも変えようがなかったんだよね。
後から思えば、嫌だなぁと思いながらあそこに居続けたこと自体が間違いだったんだ、とはっきりわかるけど。

同様にジャージーさんも、そんな思いをしてまでそのグループと付き合い続ける必要ホントにあるのか?ってことから、一度考え直してみてもいいかもしれないですよ。

ちなみに、謙遜するということ一般に関して言えば……、スキあらば自慢話ばっかりしたがる手合いのほうが世の中にははるかに多くいて、そっちのがよっぽど嫌われますから!
それよりはまだ謙遜しすぎる人のほうが、少なくとも僕にはずっと好ましく思えますけどね。

いずれにしても、最初に言ったように謙遜っていうのは、褒められすぎたぶんお釣り多めに返します、みたいなもんだから。
その意味で、勝手に自己卑下するクセというのは、言ってみれば払う必要のないお金をこちらから差し出して回ってるようなもんで、たしかにバカな人を増長させかねない行為かもしれないから、まぁやめときましょうね、お互いに。

そんなことするヒマがあるなら、むしろ相手を常に褒めたりアゲたり、ってことに留意したほうが、間違いなくいい流れを生んでゆくことになると思いますよ。
自分を褒めてくれた人のこと、絶対嫌いにならないじゃん?
つまり結果として、こちらに対する好意が集積されてゆくことになる。
好循環はこっちが生み出してゆこうよ、というスタンスですね。


それはいいですね!


僕自身、どんどんそう考えるようになっていきましたね。
アフター6ジャンクション』でも、「マイ・スウィート・HOME(ホーメ)~こんなに嬉しいことはない~」という投稿コーナーをずっとやっているくらいで。

あと、これはさらにちょっと高度な話ですけど、ぶっちゃけナメられるって、そんなに悪いことじゃないよ、っていう考え方もある。

ナメられてるぐらいがちょうどいいっていうか……、本当に自信がある人は、人からナメられることを、べつに屁とも思ってないしね。
椿三十郎』にもそんなセリフがありましたよね。「てめえが馬鹿だと思われてるのを気にしてねぇだけで大物だッ!」みたいな(笑)。

逆にナメられてない状態、畏怖されている人というのは、カッコいいっちゃカッコいいけど、はっきり他人を遠ざけてもいるわけで、孤独と表裏一体でもある。

要はやっぱり、ジャージーさんがそのグループとどういう距離感で付き合っていきたいのか、という点が分かれ目になってくるんじゃないですかね。
まぁ現実問題、その集団の中で今さら「畏怖」方向に舵を切るのは難しいかもだけど……。

一方で、さっきのアドバイスのようにいちいち周囲を褒めあげる気にもならない、という感じなんだったら、やはり静かに離れてゆくのもひとつの手かな、と僕は思いますね。
最初のほうでも言ったように、どんな理由があれ、人を平気でバカにしてくるような連中のほうに問題がある! 付き合うだけムダ、みたいなこともぜんぜんありえますから。


謙遜と自己卑下、似て非なるものですね。ついついやってしまう自己卑下は、私も本当にやめようと思いました。ジャージーさんにとっても、このグループとの今後についての対応はアドバイスをもとに考えてもらいつつ、気の持ちようや行動を見直すきっかけになってくれたら幸いです!



【今週のお絵描き】

画・宇多丸




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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。

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女子部JAPAN こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。2015年からは「女子部JAPAN」として、Webでのコンテンツ発信とイベントを企画・実施。2022年からは「F30プロジェクト」と題して、リーダーとして働く女性の生声を取材し、noteで発信。女性活躍推進など、"女性"という枕詞がなくなる世の中を目指している。



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