半年でスピード離婚。前向きな考え方がほしいです。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室52】
✳️今週のお悩み✳️
相手の心が離れてしまい、芸能人顔負けのスピード離婚をしました。まだ5月22日のことです。半年足らずでの離婚に恥ずかしさと、私側にはまだ気持ちがあったので空虚感に襲われることもしばしば……。だけど、このまま落ち込んでいるのは辛いし、何とか進もうとしています。そこで、です。良いご縁があればいいなぁ、と思う反面、でもこんなスピード離婚歴があったら、万が一良い縁があっても相手の親御さんにも失礼だよね……と考えてしまいます……。予定していた挙式直前の離婚だったため、ウエディングドレスをきちんと着たい気持ちもあります。何か前向きな考え方がほしいです。
(SELI・29歳・山梨県)
宇多丸:
ちなみに、5月22日は僕の誕生日です。
まぁ、日本人の離婚率も今や35%とかって話で。
僕の周りでもちょいちょい普通にしてますからね。別に珍しい話じゃない。
こばなみ:
3組に1組は離婚しているみたいですね。※出典はこちら
身近なところで、私の会社でも8人結婚していますが、うち2人はバツ1ですよ。
宇多丸:
でね。昔の日本では離婚率ってそりゃ低かったでしょうけども、じゃあその頃の夫婦がみんな幸せだったのかっていうと、そういう問題じゃないですからね。
単にその頃は離婚というものの世間体が今よりかなり悪かったっていうだけで、ひたすら不幸な夫婦生活を我慢してただけの人も、少なくともいま離婚する人たちの割合くらいは全然いたはずだと思うんですよね。
だから、離婚というもの自体が悪いっていうわけじゃない。 ちなみにSELIさんは、その彼とどれくらいの長さ付き合ってから結婚したんですかね? それって、この相談に答えるにあたって結構重要なファクターだと思うんだけど……、 僕の知り合いで、10年間ほとんど理想のカップル的に付き合っていたのに、結婚した途端1年で離婚、という例がありましたが。
こばなみ:
みなさん、相談文はくわしく書いてくださいねー!
宇多丸:
これはSELIさんに限った件ではないけども、「この相談に答えるにはこの情報が要るだろう」とか、「こういう情報を伝えておいたほうが答えやすいだろう」とか、要はちゃんと相手の立場に立って想像力を働かせているか?という話だからさ。
特に恋愛関係の悩みを送ってきてる人! その局面で一番必要とされるのが、まさにその「ちゃんと相手の立場に立って想像力を働かせる」だから!
こばなみ:
相談文にある「相手の親御さんにも失礼」ってどういうことですかね?
宇多丸:
いやだって、その「相手」自体、まだ出会ってもいないんだよね?
あの、SELIさんね……、あなた全体的に、ちょっと早とちり野郎のケがあるんじゃないですかね?
誰かと出会って、「一生一緒にいてくれや」っていうくらいの、まさに『Lifetime Respect』を捧げられるような関係をしっかり築いていく……っていう、一番肝心で、また一番難しい段階はすっ飛ばして、やれ親御さんがとか、やれウェディングドレス着たいとか、要は結婚というものの「型」にばっかり気がいっちゃってるわけでしょう。
そんなことだから、それこそすぐに気移りしちゃうようなヤツを選んじゃったりとか、そもそもの相手選びにも失敗しちゃうんじゃないの?と言いたくもなる。 こんな調子だと、また同じような失敗を繰り返しかねない気がします。
こばなみ:
「何か前向きな考え方が欲しいです」の、その前にやることありますよね?
宇多丸:
SELIさんは現状、「前の相手を忘れたい、なんなら見返してやりたいからさっさと結婚したい」ってことしか考えてないみたいだからさ。
そっちのほうがよっぽど、親御さんはおろか、これから出逢うかもしれない未来のパートナー候補にも、とにかく全方位的に失礼だよ! だから、SELIさんにまず必要なのは、前の結婚がなんで失敗したのかを、ちゃんと自己分析して総括すること、じゃないですかね。
そこから得た教訓を、次の相手選びというか、パートナーとの関係作りに生かしていくことができれば、離婚っていう経験も、ただのマイナスじゃなくなっていくわけでしょ。 再婚云々は、あくまでその先に出てくる話ですよ!
こばなみ:
まだ29歳ですし、これからチャンスもいっぱいあるはず。じっくりと自分と向き合ってみてくださいませ。
【今週のお絵描き】
早とちり野郎のケ……?
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2014年7月12日に公開したものを再編集し、掲載しています。