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同棲中の彼が私に内緒で女性と二人で出かけていた! やめてほしいと言ったらしつこいと言われ……【ライムスター宇多丸のお悩み相談室220】


✳️今週のお悩み✳️
宇多丸さん、こばなみさん、こんにちは! 毎回楽しく拝見しています! 今回は同棲中の彼と、彼のことが好きな女性についてのご相談です。その女性(Aさん)は私と彼がよく行く音楽イベントで知り合い、Twitterでもつながりました。しかし、あるときから彼のことが好きだと匂わせるようなつぶやきをするようになりもやもやしていました。彼は「見られて困ることはないから」といって、私から画面が見えるところでよくLINEやSNSをするのですが、LINEに「集合場所に着いたよ!」とAさんからの履歴が……。たずねたところ、なんと私に内緒で二人で出かけていたとのこと! あまり人の行動は制限したくないのですが、内緒でこれはちょっと……と思い「女性と二人で出かけるときは出来れば一言ほしい」と伝えました。その後、Aさんは彼から私と付き合っていることを告げられたらしく、病みツイートをいつもするようになりました。ですが彼のつぶやきのほぼ全部にいいねとリプライをし、今度は私にリプライを飛ばさず私の文句を言ったり、私の趣味の真似事を始めるようになりました。相互フォローの関係で毎日それが続き、リムーブをしたのですが状況は変わらず……、そして現在も相互フォロー中の彼にいたっては、Aさんがあげたほぼ裸に見える自撮りにいいねをしていました。「そういうのはすごく嫌だし、一度振ったAさんのことも勘違いさせるからやめてほしい」と伝えたら、「しつこいよー、いいじゃんそのくらい」と言われてしまい何も言えなくなってしまいました。私は雰囲気が悪くなるのが嫌で、出来るだけぶつからないように明るく言ってしまう節があるのでうまく伝わらなかったのかなと思っています。そしてそれを察してもらおうとしている自分にも自己嫌悪……。また、私(24) 彼(29) Aさん(30)と私が一番年下なので、私が気にしすぎなのかなとも思っています。SNSの利用や人付き合いに対していろいろ言いたくないし、言われたくもないことはわかっていますが、こういう状況が3カ月ほど続いていて正直限界です……。文章が下手で長文になってしまいましたが、何かアドバイスをいただけたら幸いです! よろしくお願いします!
追伸:『ダンサブル』、毎日聞いています! 『スタイル・ウォーズ』『ゆれろ』『梯子酒』『Diamonds feat. KIRINJI』が特に好きです(((^-^)))
(佐川・24歳・東京都)


宇多丸:
同棲相手である佐川さんに内緒で、実は二人で出かけてたって……!
 実際にどこまでの関係になってるのかはわからないけど、その時点では佐川さんと付き合ってることをAさんには言ってないっていうこと含め、この彼、少なくとも精神的には、ほぼほぼ浮気してるも同然ですよね、僕の感覚だと。
佐川さんもそりゃ傷つくよ。

なのにそこで佐川さんはけなげにも、僕はこれ、基本的にはとってもいい心がけだと思うけど、彼の自由というか独立性みたいなものも可能な限り尊重した、すっごくソフトな言い方をしてあげてるじゃないですか。
「出来れば一言ほしい」とか……、普通なら、発覚した時点で即ブチ切れしててもおかしくない事態なのに!

ただ、佐川さんのその心づかいに、彼はぶっちゃけ、完全に甘えきっちゃってる状態ですよね。
佐川さんがこの件で本当に傷ついているんだということも、まーったく伝わってない可能性、ありますよ。

だからさ、もう一度だけ、AさんのそのTwitterなどでの感じ悪さなども込みで、彼女のことで私は傷ついているって、改めて彼にはっきりわかってもらう努力をしたほうがいいのかもしれない。
うるさくしたくないから私もあんまり言わないようにしてたけど、だからって傷ついてないわけじゃないんだよ……って、切々と訴えていいと思います。
この状況、本当にけっこう酷いと思うから。

こばなみ:
なんでここまでしといてわかんないわけ?って、彼にムカムカしてしまうんですけど……。

宇多丸:
それはだからやっぱり、佐川さんが優しいのをいいことに、つけあがってるってことだと思いますよ。
それだけはやめてくれって直接言ってることさえ聞き入れてくれないくらいだから、自分はビタいち悪くないと心底思ってるんでしょう。

ちなみに彼は、AさんがTwitterで佐川さんの悪口言ってることとか、ちゃんと認識してるのかな?
 もし仮に、それもわかってるうえでなおAさんとの距離感を変えようとしない、どころかセクシー自撮りアピールに反応してあげちゃったりしてるんだとしたら……、これはもう本当に、ダメ!だよね。最低だと思う。

要は、恋人にしろ夫婦にしろ、「パートナー」ってなに?って話ですよ。
僕はそれ、「常に相手の一番の味方になってあげる」関係だと思うんだけど。
一般論的に正しいかどうかとかはとりあえず後回しにして、まずは無条件で、絶対的に、その人の立場や心情に寄り添ってあげられるかどうか。
それこそ、その人に敵対的な態度をとっている人がいたら、どっちの言い分がどうとかはいったん置いといて、「ならば私にとってもそいつは敵だ」と断言してあげられるような……、僕はそれこそが、友人知人とは異なる特別な存在、「パートナー」の役割だろうと思うんだけど。

こばなみ:
本当にそうですね。家族にも近いのかな?

宇多丸:
いや、たとえ家族でも、そうは振るまえていないような関係性のところは普通にあるからね。
親とかはむしろ、なにかというと「一般論的な正しさ」を持ち出しがちな人たちという面もあるわけで……。

いっぽう佐川さんは、おそらくだけど、この件については女友達にも相談してないんじゃないかと思うんですよね。
だって、もし言ってたら、女性陣総攻撃でしょ、こんなの。「あんたが言えないなら私が言ってやる!」とかなるでしょ、速攻で(笑)。

でもそこで、むやみに彼の悪口を言いふらしたりもしない佐川さんの、要するに品の良さみたいなものは、大変好ましいものだと僕は思うんです。
実は決して小さくない不満や不安を抱いていても、常に相手の気持ちや立場を慮りながら、オブラートに包んで伝えようとしているようなところ含め、それは間違いなく人としての美徳の部分なんだから、そこに関してあんまりご自分を責めないでいただきたいんですよね。

問題はやっぱり、もっぱら彼の側にあると思います。
少なくともメンタル浮気に関してはほぼほぼクロなことがはっきりしてるのに、謝りもしないどころか、どうやら、悪いことをしたともあんまり思っていない。
それに対する最低限の抗議と要望を、それもかなり控えめに表明してみたら、単に逆ギレ。
ダメでしょ!

たぶん彼は、いわゆる「まんざらじゃない」状態を楽しんでるだけで、本格的な浮気に踏み出す気なんかはさらさらないのかもしれないけどね。

でもさ、たとえばだけど、職場で彼のことをいじめてくるような人がいたとして、佐川さんがそいつのことを「え~でもあの人、素敵じゃな~い?」とか言って、Twitterでもフォローしあってたりとかしたら、彼はどう思うわけ? 
それはやめてってお願いしても、「いいじゃんそれくらい、うるさいな」とか返されてさ。

こばなみ:
絶対やだ! 
それを例に出して言ってみたらいいんじゃないですか?

宇多丸:
そこまで言わなきゃわかんないのかよって感じだけどね。
同棲までしてるんだよ?

だからこその、佐川さんのがっくりぶりはお察しいたします。

結局さ、佐川さんは、彼とのパートナーシップを良好に保つためにこそ、そうとう気をつかったコミュニケーションを心がけているのに、彼側はそれに甘えるいっぽうで、彼女の気持ちをまったく慮っていないわけでしょ。
前も言ったかもしれないけど、「愛するということは信じるということ、それ以外の方法はない」っていうのはたしかなんだけど、そもそも誠意をろくに感じさせないような言動ばっかりとる相手のことを信用しろったって、それは無理な話なんだからさ。

こばなみ:
こんな状況が3カ月ですよ……、つらい……。

宇多丸:
こういうのって悪循環でさ、佐川さんも内心かなりのモヤモヤを抱えながら3カ月暮らし続けているわけだから、なんとなく彼との関係もギクシャク、ギスギスしてきちゃって、それでまた彼も余計に……、自分のせいだとも思ってくれなさそうだし……、それこそ家の外でのライトなモテ感みたいなところに逃避してしまったりしがち、だったりもすると思うので、やはりできるだけ早めにコミュニケーション不足を解消すべきなのは、間違いないと思いますね。

ひょっとしたら彼も、明らかにニブい人ではあるみたいだからさ(笑)、少なくともSNS上でのAさんのバッドバイブス、およびそれで佐川さんが不快な思いしたことに関しては、やっぱ全然気づいてない可能性あると思うしさ。

病みツイートとかもさ、関係ない人にとっては、一見なんのことを言ってるかわからない感じで書いたりするじゃん。
だから彼も、よくわからないまま、特に問題視はせずにいるだけだったりするんじゃない?

こばなみ:
その手のツイート、ありますよね。

もぉ、病みツイートとか、めんどくさい! なんでつぶやくの? ノートに書いとけばいいのに!

宇多丸:
ねぇ。せめてカギでもかけて書けばいいのに、そこはやっぱり、根っこに「みんなもっと私のことわかって、かまって」があるんだよな。

こばなみ:
言いたいことがあるなら、直接言えばいいじゃん!

宇多丸:
その通りなんだけど、「言わせんなよ」派なのよ、そういう人に限って。
みんなで一緒にいるときに、いきなり「はぁ~!」とかわざとらしくため息つくようなヤツですよ!(笑)

自分の知り合いじゃなくても、そうやってネガティブなことばっかり書いてる人、やっぱそれだけで嫌だなって思っちゃうよね、言ってることの是非にかかわらず。

こばなみ:
病みツイート、リプライを飛ばさず佐川さんの文句、ほぼ裸に見える自撮り!?ですよ。
そんなめんどくさい人に好かれて、嬉しいんですかね、彼。

宇多丸:
まぁ、軽い気持ちでちょっかい出したら一番マズいとこかもね(笑)。

こばなみ:
普通だったら、このヤバイ人に好かれても嬉しくないので、ただ好かれてるという状況にやっぱり浮かれてるんですかね。

宇多丸:
SNSの利点として、普段の書き込みとかほかの人との絡み方をざっと見れば、大丈夫な人なのかどうかある程度は判断できる、というのがあると思うんだけど……、Aさん、全然大丈夫じゃない(笑)。

あと、相談文のなかでひとつハッとさせられたのが、「私が一番年下なので」という部分。
年上側はフラットに付き合っているつもりでも、そういうところで実は、否応なくプレッシャーを感じさせてしまっている場面も、きっと多々あるのかなと。
だとしたらなおさら、そこは年長者側こそが、意識的に気をつけてかなきゃって話だもんね。
恋愛に限らず年下の人とかかわることが多い身としては、なにげに勉強になるあたりでした。

そんなこんな含め、やっぱ人間、人から言われて初めて気づくことって多いわけだからさ。
だからとにかく、まずは佐川さんの正直な気持ちを、改めて彼にしっかりわかってもらうことから始めるしかないんだと思います。
そのうえで彼がなお、わかろうともしてくれなかったり、わかったと言いながら一向に対応を改善してくれないような人である可能性もあるわけだけど……、そこがはっきりするというだけでも、前進は前進じゃん。
もちろん逆に、彼側が劇的に反省~成長してくれるっていうような理想的展開だって、まだまだ普通に考えられるわけで。

こばなみ:
一歩踏み出せば、コトは動く!
 結果どうなったか、すごく気になっておりますので、事後報告をぜひよろしくお願いいたします。
どうかうまくいくことを願っております!



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2017年12月23日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
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※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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