私と息子の不在時にオンラインゲームで知り合った男女3人を家に招き入れた夫。本件が離婚の引き金に……!【ライムスター宇多丸のお悩み相談室335】
✳️今週のお悩み✳️
夫の行動についてどう思うか聞かせてください。私は夫と小学生の息子2人がいます。先日、私の実家へ子どもたちと泊まりに行き、家を空けていたときのことです。
不在中を利用して、オンラインゲームで知り合ったという男女3人を家に招き入れて、酒盛りをし、手料理をふるまっていたことがわかりました。その日が初対面だったということです。妻と息子が不在時に、勝手に人を家に招き入れること自体、私には感覚がよくわかりませんし、さらには初対面の男女3人です。コロナのこともあり、人との接触には気を付けなければいけないときに、です。
なぜそのような行動をしたか聞くと「なにも考えていなかった」と言われ、心底がっかりしました。オンラインとはいえ、日ごろからやり取りが頻繁にあったようで、おそらく夫としては初対面という感覚はなく、友達を呼んだだけ、という感覚なのかと思います。この夫の行動と感覚、どう思われますか?
もし、配偶者がこの行動をとっていたらどうされますか?
本件が引き金になり、離婚へ向けて話し合いを進めています。引き金、というのは、もう何年も仲がいいとはお世辞にも言えない関係だったからです。ここに投稿するくらい自分の中では理解不能な行動なのですが、離婚の引き金になるくらいのことではないのでしょうか。わからなくなっています。
(むー・38歳・東京都)
こばなみ:
私はこれ読みまして、猛省事項を思い出しました。知らない人を呼んだわけではないけれど、酔っ払ったときに深夜突然友だちを連れてきて酒盛りして、翌朝激怒されたことはあります。
ちなみに、うちの父も、母がいない間に友達を呼んでそのまま泊まってて、怒られていました(苦笑)。
マネージャー小山内:
それ、やるタイプとまったくやらないタイプがいますよね。
育った環境にもよるのかなと思いますけど。自宅に他人の出入りがあった人って意外と気にしないから。
私は家に急に人がくるような環境じゃなかったからすごい抵抗がありますけども。
宇多丸:
たしかに、それこそ友達の友達までアリのホームパーティをよくやっているような、家に他人を招き入れるということへのハードルがかなり低めに見える人もいますよね。
あれはやっぱり欧米型、ってことなのかな。
僕自身は完全にその正反対なタイプだけど、ああいうのはああいうのでいいなとは思うんですよね。実際友人のなかにもちょいちょいいるし。
要は、自分の住まいではあるんだけど、常に第三者の目に対する意識があるというか、ある種の社会性が保たれてるってことじゃないですか。
その真逆がだから、いわゆるゴミ屋敷状態ですよね。前にも言ったけど、ぶっちゃけそれはすでに、狂気の現れなんですよ。
こばなみ:
自分の感覚でいえば、あんまり人の目を気にしてないってのもありますけどね。
宇多丸:
むーさんのダンナさんもそうかもしれないけど、家というのが同居人との共有空間でもある、という意識も希薄であるゆえに……ということかな。
だとしたら、相手が気分を害することがあるのも、当然ではありますよね。
その意味で今回のケースなんか、むーさんにとっては完全に赤の他人たちなんだし、ましてコロナ感染に誰もが気をつけるべきこの時期に、ということでもあって、ルール違反っぷり、やはりけっこうな勢いなのは間違いないと思いますよ。
ちょっと感じるのは、これがきっかけになって離婚へ、ということだけど、実はダンナはダンナで、事実上すでに夫婦関係の維持にモチベーションをほぼほぼ失いつつもあったからこそ、そんな、若干投げやり気味とも取れるデリカシーゼロ行動に出ちゃった、という面もあるんじゃないかなー、と。
実際、独身かよ!ってノリだしさ。
事後的にも、むーさんの怒りに対して、平謝りとか必死に弁明、とかでもない感じなんでしょ? もうどう思われてもいいや、みたいな雰囲気があるんだよな。
むーさんサイドももちろん、ダンナ側のスタンスにもちょっとは歩み寄ろうかな、というような気持ちは微塵も残ってないようだし。
だから、夫婦として、お互いを引き止める力がまったく残ってない感じなんですよね、今はもう。
しかも、むーさんご自身も自覚されている通り、今回の件で離婚だ!となるそのはるか手前から、不満のタネやすれ違いは、少しずつ少しずつ積み重なってきたものなんだよねぇ、きっと。
どこでここまでボタンをかけ違っちゃったんだろうねぇ……。
ちなみに、さすがにこばなみも、ダンナがまったく知らない人を連れてきちゃったわけじゃないでしょ?
こばなみ:
はい。オットも会ったことある私の友達。で、いないときではなく、寝ているすきに、勝手に連れてきたということです。
宇多丸:
今から○○さん連れてっていい?的な事前の連絡はした?
こばなみ:
しない。もう寝てる時間だったし、ダメって言われたら嫌だから。
宇多丸:
それはダメでしょう~!
単純に、他人にいきなり寝巻き姿とか見られたくない、とかもあるんだからさ。僕は完全にそっち。
こばなみ:
その感覚がちがうっていうのもありますよね。私はけっこうずぼらだから、オットがそれをやったとしてもけっこう平気なもので。だからこそ、やっちゃいけなかったということをやってみて、きちんと学びました。
宇多丸:
つまり、誰かと一緒に住もうというときには、実はこういうルール的なすり合わせがすごく必要なんだというのを、我々はもうちょっと意識したほうがいい、ということなのかもしれないですね。
どれだけ自分が当たり前だと思っているようなことでも、それをあまり自明のことと考えちゃいけないというか。
たとえば、家もそうだけど、会食にいきなり第三者を連れてくるのはアリかナシか、というのもあるよね。
こばなみ:
私自身はやらないけど、されることは多いんです。だからもう慣れてしまったというか。
ただ、2人で話したいってときに、それやられたら、なんで?とは思っちゃいますけどね。
宇多丸:
僕は、自分では絶対やらないけど、仮にされたとしても、外での会食なら、たまにはいいか、くらいの感じかな。
家は嫌だけど。
こばなみ:
私もさすがに家に知らない人はちょっと無理。
宇多丸:
まして、いないときに無断で、このコロナ禍のさなかに……、で、そんなに謝りもしないんじゃ、むーさんがスリーアウトチェンジ!ってなるのも、無理からぬ話だと思いますよ。
こばなみ:
デリカシーない派としても、これはひどい。
マネージャー小山内:
私が嫌だったのが、元旦那の友達に会うのには連れていかれるのに、私の友達には会いたがらないっていうことでした。
ニコニコしてなきゃいけなくて、それいつもやってたのに、なんでこっちのときはやってくれないんだろうって。
宇多丸:
○○さんの奥さん、っていうアイデンティティしか認められないみたいで、それは嫌だよね。
マネージャー小山内:
私の友達に会わないのは、ごめんとかは言ってたけど改善はされなかったですね……。
宇多丸:
それは不公平だよね。
こばなみ:
私は雑に紹介されても、わりと大丈夫なほうですかね。自身がデリカシーなさめなので。
宇多丸:
まぁだからやっぱり、ルールは人それぞれ、では間違いなくあるんだよね。
だからこそ、パートナーと言うなら、そこのすり合わせは絶対に要る。
自分のルールは黙って押し付けてくるくせに相手のは受け入れないとか、ふざけんなって話になりますからね。
で、なにか問題が発生したときは……、とりあえずワンアウトは許す、ってことにするとか(笑)。
こばなみ:
ワンアウトは許してほしいです~。
宇多丸:
他者同士なんかしらズレがあるのは仕方ないわけだから、その都度きちんと話し合って、お互い納得できる線を探ってゆく、ってことしかないですよ。当たり前すぎ、かつ面倒な結論ではあるけど。
むーさんも、そのへんは今後の教訓にしていただくとして。
たぶんだけど、今回のやらかし方は、ダンナさんの人間性の、ポジティブサイドとも実は裏表のものなんじゃないか、と思うんです。
たとえば、誰とでもすぐ仲良くなれちゃう、社交性豊かな楽しい人、みたいな見方だってできるわけじゃん?
ひょっとしたらむーさん自身、かつては惹かれていた部分かもしれないくらいで。
でもそれが、愛情がすっかり薄れた状態で見ると、ただただ無神経で非常識、としか思えなくもなってしまう。
良好だったはずの人間関係が悪化するのって、その人が根本から変わってしまったというより、こういう見方の変化、というのが一番大きいんじゃないかと思うんです。
そこで、今のむーさんみたいに後者に振りきってしまうところまで来てしまうと、前者的な気持ちにまで戻すというのは、現実問題かなり難しいんじゃないか。
すでに離婚話が具体的に進んでいるということは、ダンナ側もほぼ同じテンションなんでしょうしね。
ま、これはもうしょうがないよね……。
こばなみ:
本当に大変でしたね。おつかれさまです。
離婚に向けて、これからまた大変だとは思いますが、お子さんと一緒にがんばっていっていただけたらと思います。
応援はしておりますので!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年9月5日に公開したものを再編集し、掲載しています。