友達と些細なことでケンカしてから半年が経ってしまい……。どうやって連絡すればいい?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室314】
✳️今週のお悩み✳️
友達とごはんを食べていて、本当に些細なことでケンカをしてしまい、それ以降なんとなく気まずくて連絡を取っていません。なんて連絡を取ろうかと考えていたら、あっという間に半年くらい時間が経ってしまいました。時間が経てば経つほど連絡もしづらくて、向こうからも何も連絡がないのも少し腹が立つ……というか。どうやって連絡をしてみたらいいでしょうか?
(モヤ子・38歳・会社員・東京都)
宇多丸:
半年か~。
まぁ十中八九、両者同じように考えてるからこその膠着状態、ってことなんじゃないかとは思いますが。
あっちはあっちで、モヤ子さんから音沙汰なしなのも腹立つし、こっちから連絡するのは怖いしシャク、みたいな。
わかんないけど……、とりあえず、ヨッちゃんの『待たせてSorry』でも留守電に吹き込んどけば?(笑)
こばなみ:
なんですか、それ?
宇多丸:
野村義男のデビュー曲だよ!
「♪待たせてSorry、待たせてごめん~」ですよ。
要はこんなもん、茶目っ気で行くしかなくない?ってことですよ。
あっ、でも、相手が実はまだ、こっちが思ってる以上の剣幕で怒り続けているってことも、一応可能性としてはゼロじゃないのか……、そこでいきなり「♪待たせてSorry」はやっぱマズいな。
こばなみ:
宇多丸さんは、こういうことってあります?
宇多丸:
あんまりないけど、気持ちはわかる。
もし自分なら……、別にメンツとかどうでもいいってくらい本気で仲直りしたいなら、まずはひたすら、下手に出るかな。
「あのときはごめんね」「気まずくて連絡が遅くなったのもごめん」ってところから、とにかく殊勝に殊勝に行く。
そしたらたいていの人は、「いやこっちこそ」ってなるでしょう?
もし仮にそこで、「あ~? 今さらかよ」とか「無理~」とかだったら、そいつの人格にちょっと問題ありすぎ、ってことじゃない?
こばなみ:
問題ありすぎか、こっちが些細だと思ってたけど、些細じゃなかったか。
宇多丸:
そうね。
ただなんにせよ、下手に出といて損はない、ってことじゃない?
向こうがすごく怒っていた場合も有効なわけだから。
こばなみ:
私は下手というよりは、茶目っ気で最初から行っちゃうかもしれない。
宇多丸:
たださっきから言ってるように、それって相手が多少なりとも怒りを引きずっていた場合、逆効果にもなりうるよね?
こばなみ:
なりうる。でも自分が些細って思ってたら、実際も些細だとは思うんですけどねぇ。
まずはわりとラフに「あのときはごめんねごめんね~。でさ~」みたいな感じかな。
宇多丸:
それ、最初から『待たせてSorry』と同じだから!
こばなみ:
けっこうそっち系で行ってしまうと思う。
宇多丸:
でも、それでいままではひと通りうまく行ってる?
こばなみ:
うーん、まぁでも、あんまりこういうのないんじゃないかな。ケンカはするけど、ケンカして気まずくなってバイバイってより、そのときに決着つけませんかね?
宇多丸:
まぁお互い大人なら、だいたいそうだよね。
こばなみ:
ケンカとかじゃなくて、盛り上がらなくて、なんとなく気まずく別れるとかはあるかもですね。
宇多丸:
それでも、ごめんねごめんね~みたいな感じでいくの?
こばなみ:
そうですねぇ(笑)。
でも、その日とか次の日とかにメールすると思う。
宇多丸:
モヤ子さんたちみたく半年経っちゃってたら?
こばなみ:
じゃあ、もう、余計、「ごめんねごめんね~」って、気持ちを切り替えて切り出しますよ。
宇多丸:
こっちが切り替えたって向こうがそれに同期してくれるとは限らないわけだけど……。
こばなみ:
まぁでも、「やほー! 元気~?」って言って、反応を見ますかね。
宇多丸:
たとえばその元気?に対して「元気。」だけの素っ気ない返信、とかならどうする?
こばなみ:
そしたら、「この間はごめんねごめんね~」ですかね。
宇多丸:
明らかに相手が乗ってきてないテンションでも?
こばなみ:
はい! これはもうメールじゃなくて電話にしましょう。文字って面倒くさくないですか?
宇多丸:
たしかに。誤解や邪推も生まれやすいしね。
でもさ、電話しても結局「あ、はい」みたいな、ものすごく温度の低い受け答えをされたら?
こばなみ:
この間はごめんねごめんねー! 元気かなと思って電話した!
宇多丸:
「ごめんねって、なんのことでしょう?」
こばなみ:
ご飯を食べたときに、いろいろ言っちゃってごめん!
宇多丸:
「言っちゃってって、どの部分ですか?」
こばなみ:
もう~、そんな怒んないでよ~。
宇多丸:
「わけもわからず謝られても、うれしくないし。」
こばなみ:
いやいやいやいや、○○○○○とかって言っちゃったからごめんねって思って。
宇多丸:
……食い下がるねー!(笑)
まぁでも、要はこういうことだよね。とにかくひたすら下手に出る。
こばなみ:
あと「会いたかった」って言うと思います。
「なんか会いたいなと思ったから電話したんだよ~!」など。
宇多丸:
それはいいね!
そう言われたらやっぱり、ちょっとは嬉しくならないはずはないよね。
ただ万が一、それに対しても「は~?よくそんなこと言えるね」とか返ってきたら……?
こばなみ:
そこまでだったら、「わかった、ごめん。すみませんでしたー!」で切りますよ。
宇多丸:
いやいや、そこまで怒ってる理由がわかってないまま切っちゃダメでしょ!(笑)
ちゃんと話し合おうよ!
こばなみ:
いや~、ちょっとビビってきちゃって。もう怖いわって。
宇多丸:
とにかく、LINEやメールよりまずは電話で直接話そうよ、というのはいいかもね。
で、「電話に出んわ」だったらもうしょうがないし。
こばなみ:
テンションもわかりますよね。相手だってそんなに怒ってなかったら、また折り返してくれるだろうし。
宇多丸:
もし仮に、こっちがそこまで歩み寄ろうとしてるのに一方的な拒絶を崩そうとしないのだとしたら、実際の理由はどうあれ、その人とはもう、すでに前と同じ友人関係を維持するのは難しいかも、ってことなんでしょうね……。
でもまぁ、まずそこまでのことはないですよ、普通に考えたら。
聞く耳持ってもらえないほどの落ち度がどうやらこちらにあって、なのにこっちはまったく思い当たるところがないなんて……、『オールド・ボーイ』じゃないんだから!(笑)
ホント、うまく行くといいですね。
そもそも話が通じる人だからこそ友達だったんだろうし、いったんは向こうを信じて、気持ちを投げてみましょうよ。
こばなみ:
『待たせてSorry』は、今後私も使わせていただきます!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年3月21日に公開したものを再編集し、掲載しています。