家族経営で公私混同な職場。会長の息子と嫁は仕事もできないし……、もう耐えられません。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室263】
✳️今週のお悩み✳️
宇多丸さん、こばなみさん、こんにちは。私の職場は、父(会長)、母(社長)、息子、息子嫁がいる、家族経営のような、公私混同な職場で、幹部は誰も意見できない状況です。私は息子より年上で、息子が入る前から働いています。彼女(現嫁)が昨年から入り、私の後輩になりました。息子も嫁も大卒で少し働いた後、今の職場にいます。欠席、遅刻、早退は当たり前にあります(家庭の事情で)。そんな中、嫁→息子→父へと、しょーもないことがチクられ、〇〇さんが、父の私用を頼まれたのを嫌がってたとか、お客様を呼び捨てにしているとか(データとしてすり合わせてることはありますが、ご本人前にそんなこと絶対してない)、そして結果、上司が怒られる。それも一度や二度ではありません。このことは、上司が私や同僚に教えてくれ、嫁は私達までが知っているとは思っているのか、いないのかわかりませんが、表面上はみな普通に振る舞っています。普通に同僚として接していても、裏で色々言われてんだなと思うと悲しくなります。はっきり言って、息子も嫁も仕事ができません。注意しても聞いてない。私もなめられてますが、だいぶ年上の上司たちもなめられています。最低限仕事をこなしているならまだしも、できてない、息子、嫁に尊敬なんてできません。元々はみんなで和気あいあいと仕事ができていました。こんな会社辞めてしまえばいい、と考えますが、仕事自体は好きでやりがいを感じています。ですが、監視されているような環境にもう耐えられません。どうするのがベストなのでしょうか? ご意見お願いします。
(イカリング・32歳・東京都)
宇多丸:
ま、一族経営でうまくいってる例もなくはないだろうけど……、僕の知ってる人は、親の会社を継ぐに当たって、まずはいち営業マンとして何年もぶっちぎりの好成績を残す、というプロセスを踏んだりしてましたけど。そこまでやったうえでならまだ、現場の士気も下がらないかもだけどね。
ただこの相談文を読む限り、イカリングさんのところは明らかに、良くないほうに向かっている感じがしますよね。
こばなみ:
イカリングさんの会社は中小企業っぽいですよね。
会社ってやっぱり全部が全部、良い状況ってないと思うんですね。 いろんな人がいて組織のなかで働いている限り、そのすべてが心地よいってとことはありえない。
変えられればいいけれど、それも現実難しいと思うので、どうしてもそれが嫌で嫌でたまらないレベルだったら、自分がハコを変えるしかないんじゃないですかね……。
宇多丸:
それでもいまのところはまだ、縁故採用で大変問題ある同僚がいる、ってレベルなわけだけど、これがいずれ、その息子や嫁が要職に就く、ってことにでもなったら……、そのときこそいよいよ、この会社ヤベェぞ、って話になるよね。
さしあたっては、信頼できる上司や同僚と、改めて問題意識を共有しとく、というのが大事なんじゃないかな。 まずは話が通じる者同士で、結託するしかないんだから。 で、今度こういうことがあったらこうしましょう、みたいなことをしっかり話し合っておく。
なんなら最悪みんなで一斉に辞めちゃう、くらいの選択肢も視野に入れてさ。
こばなみ:
イカリングさんたちに辞められたら、一番困るのはその経営者家族たちなのにね。
にしても、この会長も会長で、息子・嫁から聞いたことの事実を確かめず怒りを発動するんですね……。
なめる/なめられるとかも、考えが狭いというか、社内でマウントとっても仕方なくないですか?
仕事って本来は、世の中で売上あげるぞとか、競合会社を抜きに出るぞとか、社内だけで完結するものじゃないのになぁと思いました。
上に立つであろう人がそんな感じだったら、私だったら文句言う → 聞いてもらえず → 転職考える、ですかね。
宇多丸:
だったら家族だけで勝手にやっててくれよ、って感じだよな。
とにかく世襲制って、やっぱ組織全体のモチベーションが下がると思うんですよ、よーっぽど気をつけない限りは。 どれだけがんばって優秀な結果を出そうが、出世の上限が決まってるって……、いずれは一茂、もしくはナベツネの子息が監督になるとわかってる巨人、みたいな(笑)。そんなチームで、別に待遇もよくないのに、努力する気になりますか?
こばなみ:
その例え、たしかに首を縦に振れないですね……。
それとイカリングさん、今の仕事が相当特殊なものじゃない限り、同じような仕事はあると思いますし、やりがいも見つかると私は思いますよ。
まずは転職サイトを覗いてみたり、転職した友だちとかいれば話を聞いてみるだけでも、行動してみるのはどうでしょう?
案外すぱっと他を探そう~!っていう決心がつくかもですよ。世界は広いし、興味のある仕事もいっぱいあるはず!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2018年12月22日に公開したものを再編集し、掲載しています。