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自分の意見がない異性にものすごい嫌悪感が! うまくやり過ごす方法を教えてください。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室386】


✳️今週のお悩み✳️
私は自分の意思(軸)がない相手(とくに異性)に対して、ものすごい程の嫌悪感を覚えることが悩みです。何を話しても合わせるだけで自分の意見がなく、ヘラヘラ笑って合わせているだけの人、そういう人に会うと、自分でもなんでだろうというくらいの嫌悪感が湧いてくるのです。
先日女友達の友人(男)2人と出掛けたのですが、1人がそんな人で、友達の手前もっと仲良くしなければいけないとわかっているのに、なんだか素っ気ない態度で過ごしてしまいました。ちなみに見た目が好みの人でもそういうタイプには嫌悪感を覚えます。自分なりに調べた結果、投影というワードが気になりました。なぜなら私も根本は意見がない人間なのです。ヘラヘラ合わせることはないにせよ、自分自身根本的にはこだわりのない、意見のない人間なのです。だから、自分の嫌いな部分を見ているようで嫌悪感を覚えるのかなと考えました。しかし考えてもよくわからなくなり相談させていただきました。また、そういう人に会ったときに、うまくやり過ごす方法があれば知りたいです。よろしくお願いします。
(ネコのお尻・35歳・事務職・独身・大阪府)


宇多丸:
まず、ネコのお尻さん、自己分析がすごくないですか?

仮に誰かのことを嫌だなと思ったとしても、少なくとも僕は、こんなふうに自分の感情にしっかり向きあおうとはしてないですよ。

ここまで自力で到達できてるなら、もうじゅうぶんじゃない?

こばなみ:
同族嫌悪のような感情を抱いてしまう人と会ったときに、うまくやりすごす方法を知りたいってことですけども……。

宇多丸:
だからそのときは、「あっ、これはまた例の同族嫌悪だな」って、ちょっとでも自分を客観視するだけで、気持ちが緩まるところもあるんじゃない?
ネコのお尻さんがここまで努力してきた方向は、基本間違ってないと思う。

たださ、なんだか知らないけど嫌いな人がいる、というようなことそのものは、しょうがないことだろうとも思うんですよ、そんなのは。

「嫌い」があるから、「好き」もあるわけで。

誰かに理屈抜きの嫌悪を感じてしまうこと自体は、人間だもの、仕方のないことだし、それを根っこから抑圧してしまっていいのか、という気もします。
要は、それをどう態度に出さないか、っていうレベルの話なんじゃないですかね。

ちなみに、異性だと特に腹立つというのは、なんでだろう? 
同族嫌悪っていうなら、女の人にこそイラっときてもおかしくない、はずなわけだけど。

こばなみ:
男の人にはそうあってほしくないのかな?

宇多丸:
なるほど、つまり、まずは好きなタイプとして「意見がしっかりある人」というのがあるからこそ、なのにあなたのそのていたらくは何?って怒りが余計にわいてくるという、そういう順番なのかもね。

まぁでもやっぱり、誰ともウマが合うわけじゃないし、人類すべてを好きになる必要もないわけだから、無理して仲良くすることもないと思うんですよね。
なんでわざわざ苦手な人と貴重な時間を浪費しなきゃならないのか。

こばなみ:
今回は友達が連れて来ちゃったんですよね。

宇多丸:
まぁひとつの考え方としては、飲み屋でたまたま隣り合った人とその場限りの適当な会話をするような、その一期一会な時間自体を一種客観的に楽しむような感じというか……、要は、「はい、苦手なタイプきた!」というその状況全体を、ネタ的に「観察」するような感覚で対処する、という。

ま、そもそも論を言えば、いきなりそんな、合うか合わないかもわかんないような人を連れてきたご友人のマナー違反というか、ミスではありますけどね。
ひょっとしたらそれこそ、ネコのお尻さんの「見た目が好み」なんじゃないか、とかいう判断かもしれないけど……。

僕の場合、たとえばタクシーの運転手さんがすごく話しかけてくる人で、それがホントはあんまり興味なかったり賛同できなかったりする内容だったとしても、「なるほど、そういうもんなんですか~! 勉強になりますよ~!」とかなんとかうまく相槌打って、相手を気持ちよくさせてあげることにこそ、やりがいを見いだすようにしてたりはしますけどね。
さすが俺、如才ないトークスキル!的なナルシシズムを満たせるうえに向こうもご満悦で、まさにwin-win!

ただ、ネコのお尻さんのようにプライベートなシチュエーションだと、あんまり喜ばせると必要以上に懐かれてしまう危険性もあるので要注意ですが……。

あとさ、さらに根本の話をすれば、その人が本当に「何を話しても合わせるだけで自分の意見がなく、ヘラヘラ笑って合わせているだけ」の人物なのかどうかは、一回やそこら会ったくらいじゃ、実際にはわからないことかもしれないじゃないですか。

単に初対面だから遠慮してただけとか、それこそ僕みたいに、これまで人を選ばず意見を強く言いすぎて失敗してきた人間だからこそ(笑)、余計にそこではおとなしくしてただけ、ネコかぶってただけ、的なことだってぜんぜん考えられるわけでしょう。

ネコのお尻さんだって内心イライラしつつも表向きは黙ってたんだとしたら、案外似た者同士、深く知り合ってみりゃ意外に気が合ったりするとかいう可能性だって、ゼロじゃないかもよ?

それに、意見がない云々も、その人にとってどうでもいいことに関しては、別にそんな、はっきりした意見がなくたって当人の勝手なわけだから。
前にも言ったけど、何に対しても明快な意見を持たなきゃいけない、みたいなのも、それはそれでただの思い込みですからね。

だからまぁいずれにしても、第一印象レベルであまり他人のことを決めつけないほうがいい、というのはもちろん大前提としてありますよね。

とはいえ、向こうの人となりがわかったところで、だからって好きにはならない、ってことも当然ありうるし。
さっきから言っているように、好き嫌いがあることそのものをあまり罪悪みたいに考えなくてもいいのも間違いないですよね。

こばなみ:
たしかに初対面でいろいろ言い過ぎるのも、うぉ!って思うこともありますしね。
結局、合う/合わないって、それだけではない波長みたいなもんだとは思いますけども。

さっき言ってたけど、態度に出さないとかそういう一定のマナーを守ればいいですよね。それで仮に相手が微妙な態度だったとしても、自分はちゃんとしてれば、後悔はない気がする。

宇多丸:
そうね。
これまたいつも言ってることですけど、人との出会いはホントご縁でしかないから、なんかあまりごちゃごちゃ考えてもね……。

ということで、まとめますと。

まず、みんなのことを好きになろうとしなくていい。嫌いなもんはしょうがない!

ただ、どうしてもそういう対象と同席しなきゃいけないときは、言うまでもありませんが、ネガティブなバイブスを一方的に撒き散らかしたりするのは人としてマナー違反。
とはいえ自分も相手のことを本当にはよく知らないのだから……という謙虚さで、一段階クールダウンする。

さらなる対処法としては、すでにネコのお尻さんがやっているように、まずはイラつきの源を自己分析、少しだけでも自分を客観視する。
同様に相手のことも客観的に観察して、状況全体をメタ的/ネタ的に楽しむよう努める……、このくらいまで来るとだいぶ、頭も冷えてきません?

こばなみ:
にしてもネコのお尻さん、本当に真面目な方ですよね。

宇多丸:
僕はむしろ、かなり冷静に自身の怒りというものに対応されている方だと思います。
あなた、すごいよ!

現時点でもすでに、少なくとも表面上は特に問題なく行動されていると思いますから、あとはもう少し気が楽になるようなお手伝いが、今回の回答でできていればいいのですが。

僕も、根はやっぱりスーパー短気なので、気持ちはわかりますよ!(笑)
 はっきりしやがれこの野郎!って思うとき、あるよね~……。

こばなみ:
仕事の会議とかだととくに思いますよー!

なにかしら言ってくれないと、結局参加感が薄れ、指示待ち人間になってしまうし! ただ、意見が文句、つまり感情だけで根拠や具体策がないのに良いか悪いかの指摘ばかりしてくる人には、またこれもイライラしちゃうんですが……。まぁそれでも何かしらの発信があれば会議は進むわけだから、私は意見を拾って広げていければと、改めて思いました。

とか言ってますけど、私もふだんは意見がないことなんてしょっちゅうですし、その時々でも考えるのが面倒くさくてヘラヘラするときもありますし。みんなそんなもんじゃんって思って気を楽にしてるところもあります。なもんで、もしネコのお尻さんがそれで必要以上に自分を嫌いになっているのだとしたら、その必要はないよ!とは言いたいなと思いました。

気持ちの置きどころが見つかることいいですね。でもこんなに自己分析できるのだから、きっと大丈夫だと思います!



【今週のお絵描き】

画・宇多丸




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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。

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女子部JAPAN こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。2015年からは「女子部JAPAN」として、Webでのコンテンツ発信とイベントを企画・実施。2022年からは「F30プロジェクト」と題して、リーダーとして働く女性の生声を取材し、noteで発信。女性活躍推進など、"女性"という枕詞がなくなる世の中を目指している。



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