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3児の母です。休校休園の現在、目に見えないものへの焦りや不安で子どもを怒る回数も増えてしまい……。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室322】


✳️今週のお悩み✳️
私は現在3児の母(この春に小3女子、小1男子、幼稚園年少男子になった)ですが、昨今のコロナ騒動で学校や幼稚園が全て休校休園を余儀なくされ、今まで「この4月から、やっと久しぶりに自分の時間が取れる!」とウキウキしていたのに、すべてお預けになってしまいました。そのガッカリに加え、子どもと過ごす時間がどうしてもテレビやネットに頼りがちになり、「親としてダメなんじゃないか」「よそのママたちはきっとしっかりなにか対策していて、うちだけが学力的にもおいてけぼりになっているんじゃないか?」と、目に見えないものへの焦りや不安で子どもを怒る回数も増えてしまいました。このままだと、今言われているコロナDVをいつか自分もしてしまうのでは、と、それも不安です。何か、こんな状況の中で心を立て直せるような助言をいただけると嬉しいです。
(アンジニャン・38歳・福岡県)


宇多丸:
こばなみのまわりでもコロナ・イライラ、話聞きますか?

こばなみ:
いま私がヤバイです……(苦笑)。オットと2人、在宅勤務なのですが、1LDKの狭い家のなかでずっと2人でいるから、イライラしてしまい……。

宇多丸:
それは、ある意味コロナ関係なく、他人と同居すると浮上してくる、「間取り問題」でもありますよね。

どれだけ仲良くても、きっちり仕切られた、できれば音が響いたりしないプライベートスペースをお互い確保できる構造じゃないと、絶対煮詰まってきて、険悪になりがち、っていう。

こばなみ:
なるほど。でもまさかリモートワークになると思わなかったから。

宇多丸:
そりゃそうだ。

閉鎖的な空間でずーっと同じ人と顔を突き合わせ続けていると、それはもちろん、ストレスも溜まりますよね。

こばなみのところみたく、想定をはるかに超えてそういう時間が増えてきたことで、それこそ文面にもあるような家庭内トラブルも、残念ながら世界中で増加傾向ってことだもんね。

とは言え、僕やこばなみのようにリモートワークでも仕事が続けられているって人は、実際かなりラッキーな立場とも言えるわけじゃないですか。

多少不便なくらいで文句言ってたらバチが当たる!と僕は考えるようにしてますけど……。

ともあれアンジニャンさんの相談ですが、これまず、パートナーのサポートとかはないのかな?

ダンナがいるなら、アンジニャンさんが目下ここまで追い詰められつつあるんだ、ということは当然しっかり伝えるべきだし、そのうえで、これまで以上の協力を求めるのも当たり前の話で。

仮にコロナがなくたって、わりとまだ幼い子ども3人をお母さんひとりで面倒見るって、普通に大変でしょうに。

こばなみ:
本当ですね。普通に3人の子育てでもがんばっているのに、いまの状況でもがんばっていて、よくやっていると思います。福岡も早い段階で自粛になりましたし、年齢的にもまだまだワーキャーしてる時期だと思うし。まずは本当におつかれさまです!

宇多丸:
勉強はどうしてるんですかね?

こばなみ:
知り合いのママにちょっと前に聞いたところ、学習用のWebサイトができあがったりしつつあるとか、宿題が出ていたり、あと復習がメインのプリントがメールできたり、と言っていました。家庭の通信状況がバラバラなので、一斉にはいオンライン授業をはじめます!とはいかないですよね。

宇多丸:
まぁ、幸いにもというべきか、小学校低学年ならまだ、自分でも比較的簡単に教えられる範囲ではあるだろうからね。

ただ、特に小1の子は、本来は学校に上がって、新たな人間関係を築いていく大事なタイミングでもあったわけだからね。

どうなるんだろね、この世代の子たち。

こばなみ:
9月入学の話とかも出てるけど、どうなるんでしょうね。あと、学校は行けるようになったら、夏休みとかをなくしてやるんじゃないかとも言われてますよね。

宇多丸:
ちなみにアンジニャンさん、ほかの親御さんたちと連絡をとりあったりは、あまりしてないんですかね?

たとえば、まさに我々がいまこの会話に使っている会議ソフトとか、慣れてみるとこれはこれでやっぱり、いい面もいっぱいありますよね。

なにしろホント、手軽に顔を合わせられるし……、「ほら○○ちゃんもいるよ~」とか、子どもたち同士も軽く交流させたりできるかもじゃん。

こばなみ:
一緒に勉強しよう!とかもできるかもですね。LINEのビデオ通話も便利ですよ。

宇多丸:
ネットで遊びながら勉強もできちゃいます、みたいなのも今はいっぱいあったりするんじゃないの?

こばなみ:
文科省のサイトに「子供の学び応援サイト」というのがありましたよ。教材や役立ちそうなリンクが張ってありました!
それと、Yahoo!「おうち学校」も内容充実!

宇多丸:
ゲームだってオンラインで世界中の人といつでも遊べるわけだし……。

要は、インターネットというインフラがそれなりに整っている時代であるということは、それ以前とくらべたら、ものすごく恵まれたことでもあるわけじゃないですか。

たとえばこういう事態が2000年代より前に来たら、いろんなことがもっと何倍も大変だったと思いますよ。

少なくとも、さっきのリモートワークの話とも通じるけど、ソーシャルディスタンスが取りようもない業種だったりして、いきなり収入が途絶えちゃって明日の暮らしすらままならない、という方々がたくさんいるなかで、うちはまだ現状なんとかやりくりしようがあるぶん恵まれたほうなんだ、ということを折に触れ噛みしめる……みたいなのもやはり、ひとつの考え方ではあろうかと思いますよ。

いつも言ってるけど、どうせ世の中思うようにならないことのほうが圧倒的に多いんだから、せめて自分の毎日の生活くらいは、「これもアリか」精神で楽しさ豊かさを見出していくよう心がけたほうがいいんじゃない?というのは僕の持論でもありまして。

ま、実際にはそこまですべてをさっぱり割りきれるというもんでもないにしても……。

あとはもちろん、よその親御さんたちと直接話してみれば、間違いなく、まったく同じことで悩んでらっしゃると思いますけどね。

自分だけがこうなんじゃないんだ、とわかるだけでも、ちょっと気が楽になったりしませんかね?

とにかくひとりで全部抱え込まないようにする、というのは、現代子育ての基本的心構えのひとつなんじゃないかと。

その意味では、子どもたちにも、家族の一員として、この生活シフトにちゃんと「協力してもらう」というかたちにしてくのはどうですか?

要は、家の手伝いをしっかりさせる。掃除洗濯炊事……。

こばなみ:
子どもたちに対しても、抱え込みすぎないようにしたらいいですよね。なんていうか、対等というか、チームと言うか。

宇多丸:
そう、チームとしてね。

お手伝いしたら、ポイント制とかにしてご褒美、とかでもいいかもしれないし。

とにかく、パートナーや親など頼るべき人と連携、子どもとも連携、他の親御さんとも連携……、みんなの連携プレーで、この難局を乗りきっていこうよ、と。

まさに「ワンチーム」ですよ!

僕なんかは大人になってから、小さいころにもっといろんな家事とか叩き込んでくれてもよかったのにな、って思うくらいですから、いいんじゃないですかね。

こばなみ:
わたしもです!!

宇多丸:
ね。だから、お子さんにとっても、人としてのスペックを高めるいいチャンスになりますよ。

子どもだって、たとえば「これは○○ちゃんの担当ね!」とか責任を負わされれば、頼りにされてるんだ、っていう自負が芽生えてきて、それなりに成長したりもするもんだろうと思うんですよね。

「お母さんホント助かるわ~!」って、しっかり鼓舞もしてあげてさ。

そうやって、お子さんたちとも同じ目線で危機意識の共有をしてゆく。

あるいは、似たような悩みを抱えた人たちと、情報交換込みでコミュニケーションをとってゆく……、もちろんパートナーとは、誰よりも密に思うところを伝えあってゆく、ということで、とりあえず目下の家庭内での鬱屈は、だいぶ解消もしくは中和されてったりしないかな、と思うんですが。

こばなみ:
そうやってひとりじゃないって実感できれば、希望は見えてきますよね!



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年5月16日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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