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SNSで人間関係が面倒なことに。上手な使い方って……?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室17】


✳️今週のお悩み✳️
最近は人間関係の難しい壁にブチ当たってます。特に、若い女の子は難しい。連絡先の交換をした際にLINEに表示されないから嫌われてると騒がれたことがあります。親しい人としかLINEを活用していないので、仕事関係まで入ってくると面倒なので会社関係者はブロックしていたんです。でも、若い子たちは違うんですね。何でもLINE? 騒がれた時に、仕事関係のブロックを解除したとたん、悩み相談係に…。プライベートと仕事を分けたいのに分けられなくなってます。
仕事用とプライベート用の携帯を持てば、かわるのかな? など色々悩んでしまいます。便利で楽しいLINEだけど、仕事にまで活用するのはどうかと…。人間関係って携帯が発展し出してから、ますます難しくなっている気がします。仕事とプライベートを上手く使い分けて楽しく過ごすにはどうしたらいいでしょうか。
(さぬっくま~く・三重県)


宇多丸:
へ~、お~。SNS世代ってやつか。
俺は今はもうさ、自分ではSNSはやりませんって、ノーSNS宣言してますから。すいませんね、そんなヤボなおっさんがよりによってiPhone女子部で連載持ってるなんてね・・・。

こばなみ:
ノーSNSになった経緯を教えてくださいよ。

宇多丸:
2005年くらいに初期mixiにハマったことがあって。たぶんあれが日本では、SNS浸透のはしりくらいだったと思うんだけど。

本当に文字通り24時間ログインして、友達同士お互いの日記にコメントしちゃあ、延々キャッキャキャッキャやってたんだよ。その頃はクラブ行ってもどこ行っても、とにかくずーっと「京ぽん(※1)」でmixiばっか見てて。睡眠はあくまでその合間っていうか、起きたらすぐ誰かの日記でまた、キャッキャキャッキャが始まるっていう。「てめぇ~、寝てたんじゃねぇだろうな!?」「寝てねーよっ!」的な。

そんなテンションが一年くらいは続きましたかね。
(※1)京セラが販売するウィルコム向けのPHSの愛称。

こばなみ:
話題は何だったんですか? チャット感覚? 俺いま起きたけどー、とか?

宇多丸:
そうそう。どーでもいいことですよ。よく言ってたのは、頻繁にやりとりしている6人くらいで、「同じアパートに住んでるみたいで楽しいね」って。『めぞん一刻』気分ですよ。いきなり友達の下宿に押しかけて「おい、起きろよ!」ゴンゴンゴンゴン、みたいな。この感じは他にないな~と思って。

誰かからの紹介がないと入れないっていう、オープンなんだけど半分閉じてる場、っていうバランスも当時は心地よかった。実際、現在の友人知人も、その頃一気に親しくなった人が多かったりするんですよ。だから、SNSの良さもちゃんとわかってはいるつもり。

ただその後、mixi全体の参加者が加速度的に増えていくにつれて、だんだん煩わしいことも多くなってきちゃって・・・。まぁ、あまりにも一時期に集中してやり過ぎて、単純に飽きたっていうのも大きいけど。

あと何しろ、当時はヒマだった! 今に比べると考えられないくらい。
ということで現在は、簡単に言えば「いろいろめんどくさい」のでノーSNS。

今の僕は、ラジオを筆頭にいろんなことをアウトプットできる公の場がちゃんとあるわけで、前ほどそういうところで自分をアピールする必要がなくなったっていう、言ってみれば贅沢なスタンスが許される立場になった、って話でもあるんだけどさ。

だから、便利に活用されている方はそれはそれで大変結構だと思うし、当たり前だけど否定する気も毛頭ない。
あくまで俺個人は、今はノーSNS、ということです。

こばなみ:
なるほど。宇多丸さん、スマホも使ってないですもんね。

宇多丸:
最近ipadは導入しましたけど、Twitterとか、別に登録しないでも閲覧することはできるんで、情報収集には困ってないしね。

で、問題のLINEね。最も手軽なSNSってことだよね。連絡先交換しただけで、ネットワークがどんどんできていっちゃうってことだもんね。恐ろしいシステムだよな~。
SNS的なコミュニケーションが前提な若い世代だと、仕事の依頼とかもLINEでしてくる人もいるわけでしょ?

こばなみ:
います、います。若くなくてもいるいる。ただもちろん、すべてがダメとは思いませんが、もうそれってお互いの関係性というか。あとは、複数人でばばっと連絡とりたいときなんかは便利だし、用途にもよりますね。ただ、なんでもかんでもLINEでっていうのは・・・。

宇多丸:
mixi中毒のときの僕がまさにそうだったけど、SNSに依存しすぎると、公私の境がなくなってくるし、時間の境もなくなってくるんじゃないかと思うんだけど。

こばなみ:
iPhone女子部でもアンケートをとったんですけど、既読になってるのに返信しないと怒る人とかもいるみたいです。

宇多丸:
人間関係の距離感が、ちょっと狂ってきちゃうところもあるよね。

さっき言った「同じアパートに住んでいる仲間同士のような気の置けない感覚」も、僕らはもともとリアルでも親しい間柄だったからそれも楽しかったんだけど、ともすると、
「あなた、そこまで私と親しいわけじゃないでしょう・・・」みたいな、息苦しい圧力としても働きかねない。

確かに僕がmixi中毒だった頃も、
「あれコイツ、“足あと”はあるのに、なんで日記にコメントつけてくれないの・・・?」とか、つまんないことで落ち込んだり、腹立ったりすることはあったかも。
ただ、そこも含めて、病んだ遊びをしてるなぁって自覚はあったんだよね。
でも今はもう、SNS的コミュニケーションが標準なわけでしょ。
だから、そういう歪みにみんな無自覚っていう傾向はあるのかもしれない。

こばなみ:
SNS内でいじめとかもあるみたいですね。逆に告白とかもあるらしいですよ!

宇多丸:
おそろしや~!
確かに、いじめはすごく起こりやすい空間のようにもみえる。
前述したような「仲間内でキャッキャキャッキャ」感は、逆に言えばそういう「仲間内コード」を共有してない、できない人にとっては、そのまま疎外の場にもなり得るわけだし。
閉じた空間に「つながり」だけは濃密にあるので、同調圧力が生じやすいっていうね。それってまるで、学校や教室みたいとも言える。

さっきも言ったように、僕はそこから「イチ抜けた~!」宣言して、仮に変人扱いや時代遅れ扱いされたとしても別に屁でもないっていう一種恵まれた立場にいるけど、いまどきの学生や社会人には、FacebookやらLINEやらって必須なんでしょ?
こばなみなんか、立場的になおさらそうだろうし。

こばなみ:
やってて当たり前、みたいな感じは確かにありますね。iPhone女子部ですしね。

宇多丸:
たいていの人は世界がSNS化してることから逃げられないだもんね……うーむ。
公のアカウントと、プライベートのアカウントを別個に作っておくくらいしか対策はないのかな。

こばなみ:
LINEは基本的に電話番号につき1アカウントなので難しいんですよね。Facebookでログインしたり、電話番号取得サービスを使うなどの裏ワザもあるみたいですけど、あまり推奨はされてないみたい。Facebookも個人用のアカウントを複数作成しちゃいけないと規約に書いてあったり。でも、他のSNSは、別アカウントを持っている人もいますよね。私は公もプライベートもごっちゃにしていて、あまり気にしていないというか。基本、ズボラなんです。だから、既読したからすぐ返信しなきゃ!とか、あまりそのへんは神経質ではないかも。

宇多丸:
なんで返信くれないのって言われたら?

こばなみ:
LINEで連絡もらっても正直、見てないときもありますからね。だから、「あ、ごめんごめん。見てなかったー(汗)」って言っちゃう。それと仕事の連絡がLINEできたら、「あんまり見てないので、メールのが確実にご返信できます!」って言っちゃいますね。やっぱり連絡はメールを一番よく使っているので。

宇多丸:
それに、いつまでも同じSNSが使われ続けるわけでもないだろうしねぇ。俺もmixiで仕事のやりとりとかしてた時期はあったけど、ログイン自体しなくなってからは、「これからはメールにして」っていちいち連絡し直さなきゃならなくて・・・。

てかてか!!
だったら最初からメールに統一でよくねぇ???

こばなみ:
なぜか「LINEでお願いします!」って人もいますからね。以前、お仕事していた人は、一番早く連絡がとれるのはFacebookメールって言ってました。

宇多丸:
えーーーー!
だってさ! メールが届いても、おまえの使ってるその機械はぼろろんとか鳴るんだろ!?

こばなみ:
そうなんですよ! でも、1番がFacebookで、2番がメールで、3番が電話なんだって言うんですよ。不思議!!

宇多丸:
なんで!? どれもこれも、ぽろりんぽろりん鳴ってんでしょ!!!
まぁ、その人にとっては、窓口を一括化したいからLINEでってことなんだろうけどさ。気持ちはわかる。けど、それはもっぱらてめえの都合だろっての! 相手に同じフォーマットに合わせてくださいって要求するのは、よく考えるとちょっと失礼じゃないのかね。

別にメールでフラットにやりとりできんだから、それでいいじゃんよ!

こばなみ:
そもそも、急いでいる時は電話でいいんじゃないですかね?

宇多丸:
SNS、特にLINEとかは、仕事用っていうよりはやっぱり、「コミュニケーションを取ることそれ自体が目的であるようなコミュニケーション」、要は結局「気心の知れた相手と他愛もないやりとりをする用」に使うのが一番相応しいし、楽しいと思いますけどね~。

こばなみ:
携帯キャリアが違っても無料で利用できるっていう利点はもちろんありますけども、その用途が連絡手段というだけではないですよね。たいていはスタンプ送ったり。

宇多丸:
ま、それを言ったらメールでのやりとりだってさ、なにかにつけ礼状をきちんと手書きするような世代からしたら、いまどきのヤツらと来たらなんと失礼な・・・って話なんだろうしねぇ。

あとは、毎回出てきちゃうミもフタもない結論として、「そういう風に思ってるって、ハッキリ言えば?」っていうのもあるけど。

こばなみ:
ハッキリ言えシリーズ、ですね。

宇多丸:
その若い子がいちいちそういうことで騒いで困るっていうのはさ、SNSがどうこうっていうより、その子自身の人間的問題なんじゃないかって気もするけどね。単に礼儀知らずっていうか。
でもまぁそういう人に限って、正面から話せばわかってくれる人、ではないのかもねぇ……。

こばなみ:
LINEのためにいろいろ駆使して2つのアカウントを持つのはちょっと大変なので、もう思い切って、やめちゃうとか。で、他のSNSは別アカウントをつくるとかですかねぇ。その若い子がFacebookをやっていないなら、LINEよりFacebookが好きなんだよねー、的なスタンスをとるとか・・・。うーむ・・・。

宇多丸:
そうだね。SNSやってなかったら続かない関係なんて、そんなの別に友達じゃねーし!
まして仕事相手なんてねぇ。

例えば仮にLINEやめたって、誰とも連絡がとれなくなったりはしないから大丈夫!
ちゃんと自分とSNSの付き合い方、距離感を相手に伝えて、残った人たちのほうを大事にすればそれでいいよ。
とはいえ、iPhone女子部に入ってるような皆さんに、いきなりSNSなんか全部切れ、つっても無理だろうけど……。

こばなみ:
私も全部SNSをやめるってことはやっぱりできないかも。iPhone女子部としてのコミュニケーション手段としては、欠かせないものだし、もちろん楽しいこともいっぱいあるし。ただ、それで悩むようであれば、たとえば3日くらいSNS断ちするとか? 友達がやっていたけど、けっこうスッキリするらしいですよ。ちょっと放ったらかしておいたって大丈夫なんだ、っていうのも実感できると思います。そしたら、今後のSNSでの自分のスタンスも、うまく見つけられるんじゃないかな。相談してくる若い子だって、「ああ、この人、すぐ反応してくれないんだ、じゃ別の人に相談しよう~」ってなるかもしれないですしね。

宇多丸:
たまにはスマホを家に置いて、軽井沢の「星のや」とか行った方がいいよ! すごいよ~、星のや。テレビすらない俗世離れした空間だからね。この俺が、結局持って行ったDVDとかも一切観ず、備え付けのゴンチチのCD聞いてたくらいだから(笑)



結論:
自分の使い方を宣言してみる。
それでも付き合いが残っている人が
本当の友達であり信頼できる仕事仲間。


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2013年9月26日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
こちら


女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。

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