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若くてかわいらしい女性が好みの18歳年上の彼。今は容姿を褒めてくれるけど、歳を重ねても私を好きでいてくれるのか不安です。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室338】


✳️今週のお悩み✳️
私は今26歳で、18歳年上の男性とお付き合いしています。お互い事情があり結婚は考えていないのですが、歳をとっても一緒にいたいと思っています。そこで悩んでいるのが、彼氏の好みの女性が若くてかわいらしい女性だということです。私は童顔で一般的に見れば見た目に気を遣っているタイプのため、付き合って3年近く経ちますが私の容姿をよく褒めてくれます。しかしそれはまだ私が20代だからで、いくら気を遣っても30代、40代と歳を重ねればさすがに見た目に変化は起きますし、その状態で彼は私を好きでいてくれるのかとても不安です。彼は年相応に老けるのは当たり前だし、私は美意識が高いから大丈夫だとフォローしてくれますが、たとえば私生活や仕事が多忙で見た目に気を遣えなくなってしまったら嫌われるのかもと……。彼は容姿以外を褒めてくれることもありますが、自分に自信がないせいか、でも見た目が好きじゃなくなったら……と卑屈になってしまいます。歳を取るイコール容姿が悪くなるわけではないと思いますが、彼の好みを考えるとどうしても不安になります。どうしたら悩まずに済むのでしょうか?
(ゆぴ・26歳・会社員・東京都)


宇多丸:
いつも言ってますけど、不安や疑念、つまり「悪い可能性を思い浮かべてしまう」って、いったん始めるとキリがない上に、どうあがこうと完全に振り払うことも難しいという、実はなかなか大変な病で。

今回のケースだと、今は単に自分が若くてかわいいから好き好き言ってくれてるだけで、歳を取ってそうでなくなったら心変わりするんじゃないの?という疑いをまずは抱いてしまった、と。

まぁ、年齢が離れてるのは事実なわけだし、そう考えてしまう気持ちもまぁまぁ、わかりますよね。

「容姿以外を褒めてくれることもありますが」なんて言い方をわざわざしてるくらいだから、基本的にはやっぱり、かわええのぉかわええのぉ、って感じの愛で方なんでしょうね、普段から。

ただこれ、たとえば逆に、いつも賢さなど内面性を中心に褒めてくれる人だったとしても、「ということは、見た目はホントはそこまで好みじゃないのかも……」とか、またいくらでも不安の種は生じうるわけじゃないですか。

かように人の心というのは誠に厄介なものでして……。

ともあれゆぴさんはそこで、「もし、その大事な要素が私から失われたらどうする?」と、言ってみれば彼を「試す」ような問いかけをしてみたわけですよね。

それに対して彼は、経年変化は当然のこととして受け入れると言いつつ、ゆぴさんは見た目にしっかり気を遣っているセンスのいい人だから、という理由で、身もフタもない言い換えをすれば、心配するような「劣化」は起こらないはずだ、というような回答をしてみせた。

これ、「美意識が高い」というのは一応内面の話ではあるので、彼としては歳を取ってもキミの価値は変わらないよ、というようなことが言いたかったのかもしれないけど、結局外面のクオリティを重要視していることには変わりないじゃん、とも言えてしまうわけで、ゆぴさんの不安をむしろ深めちゃってるところもありますよね。

だからこそ、ゆぴさんもさらに、じゃあその美意識とやらが失われたらどうすんだ、という風に、要は向こうが示してくる「こうだから大丈夫」という論理を「ではもしそうでなくなったら」と次から次に否定してゆくような、ある種終わりのない問いのサイクルに入ってしまった。

そういう「歳を取っても今と変わらず愛してくれるか?」的な質問に対して、バカ正直にホントのことを言うなら、「お互いも環境もすべてが変化してゆくのだから、何もたしかなことは言えない」と答えるしかないわけだけど、さっきから言っているようにそもそも実体がないからこそ抜け出しづらい思考ループに入っている人にそんな論理をぶつけたって、悩みが悪化するだけなのは明らかですよね。

相手のことを気遣うならそれはやっぱりダメでしょう。

その意味で彼も、彼なりに「嘘をつかない」範囲で誠意をもって回答を返したつもりではあろうと思うんだけど、やはり、半端に理屈で説得しようとしたのが間違いで。

そこはえいっと「気持ちは変わらない!」と力強く返してみせるしかないんだと思いますよ。

あえてでもそう言いきってみせて、日々のなかで証明し続ける「意志」こそがたぶん、「愛」と呼ぶべき何かなんじゃないの?と個人的には思うし、問いかける側が本当に聞きたいのも要はそういう言葉なんじゃないかと思うんですよね。

こばなみ:
私は、見た目だけが好きで付き合ってる人って実際いるのかな?と思っちゃいましたけども。

宇多丸:
そりゃ、ルックスがあまりにもドンピシャ好み過ぎて百難隠しちゃう、というようなパターンも世の中には普通にあるでしょうけど。

ただまぁ大抵はね、そこはバランスというものですよね。当たり前の話ですけど。

それに、彼が実際どういう考えや嗜好の人なのかは僕らには判断できないけど、一般論的に言えば、いくら若い子が好きったって、実際には当人の加齢に従って、好みの下限/上限も徐々に上方へスライドしてく、というような人が多いんじゃないかなとも思いますけどね。

彼にとって18歳下のゆぴさんは、いくつになろうと「若い」ことに変わりはないわけで……って、そのロジックじゃ今のゆぴさんの気はあんまり晴れないか。

こばなみ:
彼にとっての「若い」は、「自分より若い」ということなのか、単に「若い」ということなのかはわからないけど、「かわいらしさ」っていうのは、容姿のことだけではないと思うんですけどね。

編集部では以下のような意見も。

「ゆぴさんが思っている”彼好みのかわいらしさ”が容姿だけに限定されすぎていないかな?という疑問は浮かびました。かわいらしさって、ファッションのセンスだったり、しぐさだったり、言葉のチョイスだったり……、容姿だけよりももう少し拡大したイメージなような気がします」(編集部I)

「かわいらしいって、容姿を褒めているのではなく、気持ちの素直さや気遣いとか、振る舞いとかも関係あるのかなと。彼もそういう認識だったら、美意識があるから大丈夫というのも、かなり本心なのかなと。ただの若い子好きの、とっかえひっかえ男だったらそうではないですが、お悩み相談文からそんな香りもしないですよね」(編集部A)

宇多丸:
加齢と言えば、彼のほうだってさ、現在44歳、これからいよいよシビアに「老い」と向き合うことになるであろうなかで、まだまだ若いゆぴさんに見捨てられてしまったらどうしよう、という不安に実はさいなまれていても、ぜんぜんおかしくないわけでしょう?

いやそれ、絶対あるな……、ほぼ同世代のおじさんとして想像するに、間違いない!(笑)

だから、時間が経つにつれ今とはいろいろ条件が変わって、美点としてくれてた部分があらかた失われてしまったとしても、それでも変わらず愛してくれますか?……みたいな、言われたほうが若干ひるんでしまうような問いかけは、ゆぴさん自身にもまんま返ってくるものでもあるんですよね。

こばなみ:
たしかに!
彼の方こそ、実は悩んでいるのかもしれないですね。

でも、考え出したら不安要素なんて、本当にキリがない……。

宇多丸:
ただね、さっきは「たしかなものなど何もない」ってことばかり強調しましたけど、実はパートナーシップって、そういう刹那的で移ろいやすい瞬間の連なり「だけ」で成り立っているというようなものでも、ホントはまったくないですよね。

2人で過ごした時間の記憶とか、単純に何年付き合い続けたという実績でもなんでもいいんだけど、そういう「共通の過去」の蓄積というのが、一定期間付き合えば必ず生じてくるわけでしょう。

時間が経てば経つほど、たしかにいろんな変化も訪れて失われる要素も出てくるけど、同時にそういう、動かしがたい2人の財産みたいなものたちも、重みを増してゆくわけじゃないですか。

要は結局、後者の比重がしっかり前者を上回るような関係を築いてゆけるか否か、っていうことに尽きるんじゃないですか?

ちょっとやそっとなんかあっても、今さら見捨てないよ、というところまで2人でたどり着けるかどうか……、で、それを可能にするのがやはり、さっき言った関係維持への「意志」なんだよね、きっと。

だから、こればっかりはたぶん、付き合いを重ねてくなかで、バトルプルーフしていくしかないもので。

あーこりゃダメかも、と一瞬よぎったとしても、いやいやいやいや!と引き戻すだけの蓄積がそこまでにじゅうぶんあればいいわけですけど。

で、そうした危機を何度も乗り越えるほどに、2人で成し遂げたことの総量はさらに増えて、揺るぎづらいものになってゆく。

そんな感じでゆぴさんも、ここまでの3年間で、彼との間にどれくらいそういう「重し」のようなものが貯められているか、振り返ってみてもいいかもしれませんね。

先のことは考えてもしょうがないけど、過去の検証と、それを今後の判断にフィードバックしてゆくことはできるわけだから。

最悪、よく考えてみたらホントにかわいいかわいいしか言われてないし、私自身のことはちっともわかろうとしてくれてなかったわ、みたいなことだったりして……。

もちろん、そもそもゆぴさんがずっと一緒にいたいと見込んだ人なのだから、そんなことはないはずだと思いますが。

「やっぱこの人なら大丈夫!」と改めて思えるといいですよね。

とにかく、まずはそんなことから思考の方向切り替えを試みてはいかがでしょうか?

こばなみ:
人間、誰しもそんなに急激に老けるわけじゃないですし、ゆぴさん自身が、自分の容姿以外の価値をもっと感じたり信じたりできるといいですねって、編集部では話をしていました。

恋愛中はとくに不安になるのもわかりますが、彼に愛でられてつき合っているのも事実だと思うので、今を楽しむことも忘れずに~!



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年10月10日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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