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【秋田】秋田県産野菜と一緒に農家さんの想いを卸す「ゴロクヤ市場」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、秋田県のお野菜専門卸「ゴロクヤ市場」を運営されている、佐藤飛鳥さんに聞きました。


日本全国に秋田県産野菜を届ける「ゴロクヤ市場」

「ゴロクヤ市場」は秋田県産のお野菜の卸です。秋田県の農家さんから仕入れさせていただいたものを、東京をはじめ日本全国の飲食店や量販店、ホテルなどに卸しています。

月の半分は秋田、もう半分は東京で活動をしており、秋田にいるときは農家さんのところへ行き、仕入れや農家さんのお手伝いなどをしています。東京では、マーケットやイベントへの出店のほか、農家さんの知識や技術を伝えるために開墾のお手伝いなどもしています。

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最近の活動では、卸をしてきたなかで感じた「農業の課題」を解決すべく、高齢の農家さんでも使える受発注システム『イージー』の開発に取り組んでいます。2020年7月までの約2カ月間でおこなったクラウドファンディングでは、312万8,000円のご支援をいただき、まさに今、システム開発の佳境を迎えているところです。

『イージー』について詳しくはこちら


地元農家さんからのふとした声がきっかけで活動スタート

私は、22歳のときに食品の専門商社に勤めていました。ちょうどその頃、地元である秋田県へ帰省した際、子どもの頃から知っている農家さんから「山菜が余ってしまっている」という話を聞いたんです。私は小さい時から山菜が大好きでしたが、「そういえば東京では山菜が売っているのをあまり見たことがないな」と思いました。

欲しい人はいるはずなのに産地で余ってしまっているのはとてももったいないし、せっかく食の流通に携わる仕事をしているのだから、自分の今までの経験を活かして何かできることはないのかと思い、「ゴロクヤ市場」を立ち上げ、秋田県産のお野菜専門の卸の活動をスタートさせました。

「ゴロクヤ市場」の名前は、秋田から東京の距離が568kmというところから。その距離があっても、秋田のお野菜が新鮮で美味しい状態でお届けできるようにという想いも込めてつけました。

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最初は「余っている野菜を売る」ことが目的だったのですが、農家さんに「余っているお野菜はありますか?」と聞きに行くのはとても心苦しく、失礼なことだと思っていたため、販路は見つかる一方で農家さんとの連携が上手くいきませんでした。しかし、農家さんの話を聞いていくと、いつも野菜が余ってしまっているわけではなく、『今のお野菜の主要流通そのものが、野菜が余ってしまう構造になっている』という課題にたどり着きました。

それからは、すでに余ってしまった野菜を売ることはもちろん、そもそも余らないような仕組みづくりをしていかなければならないと思い、活動を続けてきました。

そして今では、農家さんへの新しいひとつの販路として「ゴロクヤ市場」と伴走してくださる農家さんが増え、秋田県内50件ほどの農家さんのお野菜を、都内始め日本全国へ出荷しています。

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秋田県由利本荘市の「だいち農園」さんにて。ミニトマト「チカ」について案内してもらっているところ


農業の根本的課題に向き合っていきたい

2020年9月、ゴロクヤ市場は4期目を迎えました。これまでの3年間は、純粋に秋田県産のお野菜を日本全国へ届けることに邁進してきました。その取り組みは、もちろんこれからも変わらず拡大させていき、私が誇りに思う秋田のお野菜が余ることなく、もっとたくさんの人の元へ届くよう、さまざまな方法を試していきたいと思っています。

そして、4年目を迎える今年、新たな取り組みとして、受発注システム『イージー』の開発がスタートしています。

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『イージー』は、農業の課題である”農家さん自身が値付けをできないこと”、”業界の高齢化によるコミュニケーションの難しさ”、このふたつを解決するためのものです。卸をやってきたなかで気づいたのは、このふたつの問題があるために土台が整わず、なにをしても根本の課題の解決には至らないという点でした。

しかし、卸というのは単に農家さんとお野菜が欲しい方々の間に入るだけではなく、農家さんも、飲食店や量販店、ホテルもそれぞれ業態は違うけどその道のプロ。そのプロの皆さまを支えるために私たちがいるんだと思いました。

D2C(※1)などの動きがある世の中で、それでも私たち卸の仕事がなければいけない理由、やりたい理由、その答えが『イージー』の開発にあると思っています。

ぜひ皆さまに引き続き応援いただけますと嬉しいです!

※1:Direct to Consumerの略。メーカーやブランドが、自社で企画・生産した商品を、自社ECサイトで直接消費者に販売するビジネスモデルのこと


全国の女性へメッセージ

“卸”という言葉自体が、男性っぽい、力仕事、のようなイメージがあるため、「肩書き、変えたら?」とか「女性のする仕事ではない」と言われたこともありました。でも、私はこの“卸”という仕事に本当に誇りを持っています。農家さんと出会わせてくれて、農家さんが丹精込めて作ったお野菜がきれいな料理へ移り変わっていく過程を見ることができるこの仕事が大好きです。

この仕事にたどり着けていなかったら、もしかしたら「自分の一生をかけてやりたい!」と思える仕事には出会えていなかったかもしれません。

今は女性らしいイメージのない仕事でも、もしかしたらその中に自分の天職があるかもしれません。自分が一生懸命になれる仕事や趣味があるだけで、女性としての輝きも全然違うんじゃないかと、私は思っています。ぜひ女性にこそ、たくさんのお仕事を知ってもらい、見てもらえたらなと思っています。そして、卸や農業もそのひとつの選択肢になるよう、これからもがんばります!

★好きな言葉★

「健康第一」

なにごとも「健康」が一番大事だと思っています。体力がある人は、1日50時間分くらいの経験ができていると思っているので…。年齢に関係なく、ずっとインプット&アウトプットが続けられるのではないでしょうか。

逆に健康を守れないことは、できなくてもよいのではないか、と思っています。

秋田県産お野菜専門の卸「ゴロクヤ市場

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ゴロクヤ市場(会社名:AIfrece composition,inc.)

HP:https://www.568market.com

お野菜と一緒に農家さんの想いを卸す”をテーマに秋田県産のお野菜専門の卸として活動中。秋田県全域のお野菜を東京都内始め、日本全国の飲食店や量販店、宿泊施設へ出荷している。一般家庭向けに自社定期便や都内マーケット、イベント出店も行なっている。現在は、高齢の農家さんも簡単に使える受発注システム「イージー」を開発中。2020年12月に実証実験をリリース予定。その他、農家さんとともに農業の講習やイベント、生鮮食品・加工品プロデュース等も行なっている。



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