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大企業あるある!? 無茶な指示を部下に納得してもらうには? 《チームマネジメント編-3》

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
女性リーダーたちが実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

今回は、通信会社で課長職を担うヨッシーさんのケース。大手企業の縦割り組織のなかで、どうチームのモチベーションを上げていくのか。自分なりのマネジメントや心の整理の方法を見つけ出した経緯を教えてもらいました。

ニックネーム:ヨッシーさん(40代)
◆職種:通信会社のマーケティング部
◆部下の数:5人
ファッション業界を経て、通信会社へ。営業、商品企画、販促、PRやSNSまであらゆるマーケティング・コミュニケーションを担当しながら、現在に至る。効率性(せっかち)とマルチタスク能力を活かして、残業はしない、有給はがっつり取るON/OFFメリハリのワークスタイルを貫いている。


その指示の意図は?と上司に聞いても「いいからやって」「○○さんの指示だから」


社長や経営層の考えや社内、競合の情報を収集しているほうだとは思いますが、それでも急に想定していない指示が落ちてくる場合がある。上司に指示の経緯や実施の理由を聞いても「いいからやって」と。たまにあるのが、上の人の名前を使って「あの人がOKを出してるから進めて」とか(苦笑)

そんな一方的な指示をどうやって部下に伝えて、モチベーションを維持し、パフォーマンスの高い仕事してもらうか、悩みますよね。

そのまま「やって」では、部下はすごく悩みます。だから部下と一緒に目指す先を整理しています。まず、ゴールを指し示し、やるべきことを整理し、交渉していく、それが私の役割だと思っています。

ゴールもコンサバからアグレッシブまで3段階くらいで設定しておきます。求められている成果を出せない場合もありますが、チャレンジしたことで見えることもある。次につながることにも気づけるので、どんなことにでも挑戦したいと思っていますね。


自分の考えを部下にすべて伝え、自ら動く。「いつでも相談してね」だけでは信頼は得られない


部下は今5人いるのですが、「忙しいから今は連絡しないほうがいいんじゃないか」「こんなことを聞いてもいいんだろうか」とか、私が思っている以上にすごく気を遣い、深読みしちゃう傾向があるんです。だからなるべく私のほうから電話をしたり、ミーティングを設定したりしています

特に最近はにリモートワークなので、チャットが中心ですが、私は電話で話したい派。でもいきなり上司からの電話って怖いし、嫌ですよね(笑)。なので事前にチャットで、「○○の件で電話をしたいんだけど、今大丈夫?」って聞いています。なんでも部下に相談しちゃう

また、半年に一度、組織の目標を定めているんですね。そこでも方向性や考え方をお互いが理解するまで会話をして、実行のフェーズへと進めてもらっています。組織の目標とするため、新しいチャレンジを提案してもらっているんですけど、そんなときに部下が提案をしやすく、かつ上司の顔色を伺う必要がないように、普段から表裏がないようにしていますね

これまでのリーダー経験からも、まず私からアプローチしていかないと、うまくいかないとは思っていて。
「ヨッシーさんはこういう考えの人なんだ!」っていうのがわかってから、ようやく信頼してくれて、相談してくれたりするのかなぁという考えがベースにあります。上司に気を遣いながら、上司の顔色を伺いながらって、結構なストレスですよね。

あと私、完璧主義者とか、厳しいとか、比較的勘違いされるタイプなので(笑)、そこも誤解されないよう、いっそうオープンマインドにしていくことを意識しているのかも。

でも、そのやり方は間違ってないんじゃないかなって思っています。私たち管理職に対して、部下は年に1回、無記名でアンケートに答える、上司を評価する機会があるんですね。結局、本人たちに直接、私のマネジメントについて聞いても、良いことしか言わないじゃないですか。だから私は毎年、そこで答え合わせをしています。
今のところは、改善してほしいところはほとんど書かれてなくて、「今のままでいいです」って書かれてあることが多い。それがモチベーションにもなっています。



イラストレーション:高橋由季




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