私は40歳、ネット婚活で知り合った彼は20歳、会うべきか悩んでいます。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室294】
✳️今週のお悩み✳️
私は離婚歴有の40歳の年収もごく普通の会社員です。最近、ネット婚活で知り合った20歳の男性と会うべきか悩んでおります。切っ掛けは、彼からアプローチがあり、年齢差や彼の公開している写真などから、どうせ業者だろうと疑って始めたメッセージの交換でしたが、男性とは思えない言葉の使い方や、思いやりある対応に、業者でも女性でもお友達になりたいと思うようになっていました。
そこから、個人の連絡先交換し、今はLINEと、夜に電話で何時間も話す毎日です。彼は褒め上手で、20代の男性が私と同世代の男性より挨拶のように「可愛い」ということも理解していますが、相談事などにも、いつも的確に回答をくれて、いつも幸せな気持ちにさせてくれます。彼のAIを開発してくれたら、全国の働く女性の癒しになるのにと本気で思います。今までは、恥ずかしさもあって言えない言葉も、恋愛ゲームをしているような感覚と、我が子ほど年の離れた彼が素直に言う言葉に、素直に答えている自分がいて不思議な感覚です。おこがましいのですが、彼は本気で写真の私を可愛いと思ってくれているようで、実際会って、違ったと幻滅され連絡が途絶えるより、このまま会わずに友達のままでいたい気持ちもあります。自分の写真を送っていますし、彼には離婚理由なども話し嘘はついていません。今は彼とだけやり取りしていて、結婚したいのに、この年齢になっても計画性のない事をしている自分にも心底がっかりしますし、未来ある彼の時間を奪ってしまっていることも申し訳なく思っています。逆に考えたら、40歳の男性が20歳の女子に夢中になってる、なんて聞いたら、気持ち悪って馬鹿にするか、騙されてるって普通に心配します。
先日、彼に押されて会う約束をしてしまいました。私の仕事の都合で一番早く会える日になりました。会いたい気持ちと、会いたくない気持ちが拮抗しています。私はネット婚活で一度会ったけど友達の人や、会ったことないけど恋愛相談する男性が数名いて、それで良いのではないかと思うのです。会うと何かしら結果は出てしまうことが怖いのだと思います。このことは彼にも何度も提案しましたが、嫌いになったりしないと言い切られてしまいました。若いなぁと、苦笑いしている自分がいます。気持ちが先走って、会ったらお互いにガッカリを彼は経験したことがないようです。会うべきか、恋愛ゲーム感覚で会わずにいるか。彼にさえロマンチックだね、と言われる夢見がちな私に喝などいただければ嬉しいです。
(みぃ・40歳・大阪府)
宇多丸:
要は、あまりに話がうますぎて怖い、ってことだよね。こばなみだったらどう?
こばなみ:
私も浮かれポンチになると思います。「いつも幸せな気持ちにしてくれます」ってすごくないですか!? いつもですよ!
宇多丸:
彼側の気持ちはガチだと思う?
こばなみ:
うーん、そこなんですよね。でも、年が離れているからって、騙されるわけでもないし、そう思うと、この感じ、やりとりはちゃんとしてるじゃないですか。
ガチだと信じたい!
宇多丸:
成就しなかった恋の想い出などを心の宝箱に入れておいて、ときどき取り出してはねぶねぶするのもオトナの密かな愉しみですよ、とは前から言っていることだけども……。
今回のみぃさんに関しては、僕は逆のことをオススメしたいですね。
つまり、いったん行くとこまで行ってみればいいじゃん!と。
宝箱理論はさ、どっちかというと若いときの、それも本当はハナから脈なんかなかったかもしれない、あんまり生々しくない想い出だからいいんであってさ。
みぃさんの年齢で、ここまで歩が進んだ状態なら、さらに一線越えて踏み出してみるほうが、少なくとも絶対、面白いですよ!
もちろんね、実際会ったらどっちかががっかり、という可能性もゼロとは言えないけど、みぃさんの場合、向こうから会って欲しいとここまで強く懇願されてるわけですからね。会った途端いきなり手のひら返し、とか考えづらいと思うけど。
こばなみ:
ですよね。ちょっとうらやましいですもん。
宇多丸:
まぁ、一応念のため嫌なことも言っておくと、これが出たら引き返したほうがいいぞ!というレッドライトとして、やはり「お金の話」というのがあるでしょうから、そこは重々、気をつけていただいて。
これね、20歳と40歳だから、食事をこっちがいつも奢るとか、そういう不均衡は全然あっていいと思うんですよ。あとは、いいものを買ってあげたい、とかさ。傍目には事実上貢いでる状態っぽく見えても、そういうのは本人たちが楽しければ他人からゴチャゴチャ言われる筋合いじゃないと、僕は思う。
要は、ふたりの関係の話だからさ、それは。
ただ!
ふたりのお付き合いとは関係ない部分、たとえばホニャララでこれだけ金がすぐ要るから用立てられないかとか、その手のこと言い出したらもう、即アウトー!ですよね。
でも、そんな話が出てくるころには、もう気持ちが後戻りできなくなっていたりして……、実はみぃさんが怖がるべきは、会ったら失望より、そっちなんじゃない?
ズブズブはまって、もうやばいってわかってるのに、引き返せない状況。
こばなみ:
なんか2時間ドラマみたいですね。
宇多丸:
ただ、そういうリスクは、どんな恋愛でも、というかどんな人間関係にもありうることですからね。そこを避けようとばかりしてても、キリがないですから。
とにかく、吉と出るか凶と出るかわからないけど、ここまではこれ以上ないほど丁寧にことを運んでもらってるんだから、ここはいっちょ、乗っかってみればいいんじゃないの?
少なくともいまの時点では、僕らからブレーキ踏めとは言えないですよね。
たぶんだけど、いまのみぃさんの段階まで気持ち的な距離が縮まっちゃってて、結局会いもせずに終わっちゃったとしたら、宝箱用の美しい想い出というより、後悔のほうが強くなっちゃうんじゃないかな。
まぁ、悩む気持ちももちろんわかりますけどね。
こばなみ:
それに、このまま電話とかしてるだけだと、飽きそうじゃないですか?
宇多丸:
そうだね。このままにしてれば、このままが続くというもんでもない。
これ、最近とか先日とか書いてあるけど、知り合ってからどれくらい経つんだろうね。
ひょっとしたら、もうとっくに会っちゃってて、勝手によろしくやってたりして。ならいいんだけど。
こばなみ:
レッドライトでぶっこんで痛い目にあったとしても、そこで学習すれば今後はそういうことがないようになるわけだし。
宇多丸:
ノーリスク・ノーリターン。現実というのはそういうもんですよね。
こばなみ:
にしても、「思いやりある対応に、業者でも女性でもお友達になりたいと思うようになっていました」というのが気になりました。どんな対応なんだ!?
宇多丸:
そこまで行ってりゃ、実態がなんであれ立派なもんだよね。本質としておそろしく気がきく誰か、であることは確かなんだからさ(笑)。
だからやっぱり、会ってみる価値は間違いなくあるんじゃないかな。確かめてみたくない? 真実を。
ということで、ここはいっちょがんばってみてはいかがでしょうか。ある程度はもちろん、気をつけつつね。
こばなみ:
事後報告をぜひ! お待ちしております。
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2019年9月14日に公開したものを再編集し、掲載しています。