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【富山】女性が暮らしやすい社会を目指して活動する「NPO法人 ハッピーウーマンプロジェクト」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、富山県で女性が暮らしやすい社会をつくるために活動されている「特定非営利活動法人ハッピーウーマンプロジェクト」の事務局長、川田由記子さんに聞きました。


「女性が暮らしやすい社会=誰もが暮らしやすい社会」を目指して

私たちは、「真の健康(身体的・精神的・社会的に良好な状態)」を求めて、2006年6月にNPO法人を設立し、活動をスタート。女性の暮らしやすい社会は、誰もが暮らしやすい社会であると考え、みんなが元気に、ハッピーに暮らすことのできる社会を目指しています。

ハッピーウーマンプロジェクトでは、さまざまな資格を持ったメンバーが集まって企画・運営をしています。女性問題や不妊専門のカウンセラー、婦人科医、助産師、デートDV・DV(夫や恋人などからの暴力)やCAP(子どもへの暴力)の防止プログラム実施者など、守備範囲が広く、多角的な視点を持って活動しているのが特徴です。

活動内容は大きく分けて、①講座開催事業、②講師派遣事業、③相談事業の3つの事業を柱に行っています。

<企業向け講座>
・ハラスメント研修
・女性の健康、ライフバランス講座 など
<学校向け講座>
・セクシュアリティ教育
・DV・デートDV予防啓発
・コミュニケーション 講座 など

これまで、以下のようなイベントを開催してきました。

●「野菜くずドレッシング作り 料理教室」 

目的:安心・安全な野菜の全てを美味しくいただく調理法を知る

女性たちが集まり、聞くに聞けなかった料理の困りごとを共有しながら調理法を学びます。野菜の茹で方一つでも美味しさが違います。食材の知識を身につけ健康的で賢く(節約して)過ごすことができます。

講師は、富山でコミュニティカフェ『カフェゴッコ』を運営している広野美代子さん。カフェでは野菜くずドレッシングが人気です。野菜の葉、皮、根っこは捨ててしまうことが多いのですが、実はそこに栄養がたくさん含まれています。日頃から安心な野菜を購入し、野菜くずは捨てずに取っておいて、無駄なく野菜を食すノウハウを教えていただきました。

●話し方講座「話し方で若返る!」

目的:人前に出るのが苦手、自己紹介が下手、話すことに自信が持てないなどの悩みを抱える女性は多く、その女性たちに自信をつけてもらう

講座に参加すると、いろんな女性たちが同じ悩みを持ち、悩んでいるのは私一人じゃないことに気づきます。その仲間たちと一緒にレッスンを受けることで、笑顔を取り戻すことができます。

講師は、司会兼モデルの活動をしている澤井ネネさん。いつまでも輝く私でいるためのコツを教えてもらいました。参加者一人ずつの姿勢や発声の特徴を聞き分けてもらい、指導をしていただきました。

●「生葉染め体験」

目的:藍染でも生葉染めは、家庭で簡単にできる染めもの。藍染めを身近に感じてもらう

藍の葉を収穫して、ミキサーで細かくし藍汁を作ります。染める生地はシルクのスカーフやハンカチ。模様がつくように糸やビー玉、割りばしを使い、折り紙のように布を重ね藍汁につけ込みます。

染め具合や模様が予想通りになったり、ならなかったりするのは、人生と同じです。葉積みから染め上がるまでは2時間少々。完成した藍染めの作品を全員で広げ、各々の仕上がりの完成度を分かちあいました。シルクのスカーフやハンカチは、山里の夏空にかざすと藍のグラデーションが映え、JAPAN BLUEの美しさに癒されました。

講師は、街中から山里に移住し、自然と藍染めを楽しんでおられる『藍染め屋』の南部歩美さん。藍を身近に感じることができるようにと、私たちに夏限定の生葉の藍染めを紹介していただきました。常に藍を触っているため、南部さんの両手は、アバターのように藍色です。手(肌)の色が違うことに抵抗を感じるのではないか、人に驚かれる度に説明が面倒だろうと思いがちですが、南部さんは、それが私の仕事!生きる道!として藍に染まった手を愛し、日々生活しておられます。そんな姿に、職人魂と力強さを感じ、素敵でした。


「婦人科って行きにくいよね…?」という女性の会話が活動のきっかけに

ハッピー ウーマンプロジェクトのはじまりは、「婦人科って行きにくいよね?」という女同士の会話からでした。

そこで、どんな婦人科だったら行きやすいかについて話し合うようになり、2004年5月、「私たちの行きやすい病院をつくろう!」を合言葉に、いろんな職種(医師・看護師・助産師・カウンセラー・教職員・会社員・介護士・自営業・農業・パート、アルバイト・主婦・無職)の年代も様々な人たちが集まり、勉強会を重ねるようになりました。

勉強会では、どんな病院(婦人科)が望ましいかを探るため、有志のメンバーで海外視察(オーストラリア)にも行きました。

「医療従事者の白衣を見ると血圧が上がってしまう」「病院の匂いが嫌い」「婦人科の診察室のカーテンは必要なのか、その先で何をされているのか不安に感じる」「駐車場が目立つと通院していることがわかってイヤだ」「手術が必要な時に、婦人科のピンク色やレースを見るのが辛かった」など、さまざまな声が集まりました。

そうして、私たちの声を取り入れた病院が、2006年7月「女性クリニックWe富山」としてオープンしました。

話し合いの中で、多くの女性が女性役割(と思われているもの)に縛られ、自分の健康を後回しにして、生きづらさを抱えていることも明確になりました。これらのことは、産婦人科医療だけでは解決できないことであるため、同クリニックでは、私たちの仲間が『フェミニスト・カウンセリング(女性の視点に立った女性のためのカウンセリング)』を提供しています。

フェミニスト・カウンセリングは、“女性の生きづらさは個人の問題ではなく、社会の問題である”というフェミニズムの視点に立ったカウンセリングです。DVや性暴力、セクシュアルハラスメントなど、人権侵害である暴力被害に遭われた女性に寄り添い、問題の整理と、力を取り戻す(エンパワー)のお手伝いをすることで、問題の解決を目指します。

さらに、女性の生きづらさについて考え、啓発していくことが重要だと考えました。そこで、私たちは活動を継続していくため、NPO法人として法人化することに!

NPO法人を2006年5月に設立。慣れない法人運営をしている中でNPO法が変わり、知らないことも多いなか、「わからな~い!」と匙を投げたい気持ちになった時もありました。それでも、同じ志をもった仲間が見捨てることなく手助けをしてくれ、「私は一人じゃない。素敵な仲間がいる!」とモチベーションを持ち直すことができました。

新事業を計画する際に苦戦したときも、「これは必要なこと。声なき声をカタチに!」と仲間たちと思いを共有し、熱く語りあうことでパワーを取り戻し、一つずつカタチにすることができました。カタチにしてきたものの中には、私たちが働く場所も含まれています(富山県相談機関受託等)。

NPO法人にしたことで、会員からの支援と県や市等からの助成で、女性の健康や児童虐待、DV・デートDVなどの社会的問題に関する啓発講座を続けて行えるようになりました。先駆的な取り組みであるがゆえに、当初は受講者が少ないこともありましたが、それでも諦めず情報発信をしつづけ、困った時にはいつでもつながることができるように、現在も事業を継続しています。


女性が自分らしくHappyに生きられる世界を!

女性がHAPPYに過ごせるように、若年女性向けの支援事業を強化したいと考えています。

相談事業を通して感じるのは、支援につながりにくい若年女性たちがいるということです。その若年女性たちはDV・虐待・性暴力・生きづらさなど様々な困難を抱えながら、身近に頼れる大人がおらず、既存の仕組みでは支援が行き届かないことが多くあります。行き場を失った若年女性たちは再被害に遭いやすいという現状もあります。私たちは、若年女性たちに向けた支援場所として、若年女性たちの居場所づくりやステップハウスの提案を考えています。2020年からは、民間シェルターの事業に取り組み始めました。

県内の児童養護施設の子ども達には、年齢に応じてセクシャリティ(性教育)講座、コミュニケーション講座を提供しています。高校生には、ひとり暮らしをする時に困らないように、金銭教育の「Let‘sひとり暮らし講座」を受講してもらい、お金の大切さを学んでもらっています。卒園の時には、私たちが作った「ひとり暮らしガイドブック」を手渡して、児童養護施設を卒園した後も、困らないように暮らしの知恵や、相談機関を紹介しています。

※ガイドブック一部抜粋

私たちの事業を継続させるために、下記の2つを強化していく予定です。

●スタッフメンバー募集
共に活動をしてくれる仲間と出会いたいと考えています。
●支援企業募集
当法人の活動に賛同し継続的に金銭面で協力していただける企業とつながりたいと願っています。

これからも私たちは、活動を通して、DV・虐待・性暴力・ハラスメント・貧困などのないジェンダー平等の社会に、女性が自分らしく、Happy!に生きることに尽力していきます!

立山連峰

全国の女性へメッセージ

私たち女性が末長く活動を続けるためには、なにより健康が大切です。ぜひご自分の身体(健康)を大切にしてください。

私たちには沢山の可能性があり、それぞれが声を上げることで可能性が広がると思います。「○○したいな~」「こうあったら幸せだな~」と、思ったことがあれば諦めずに声に出し、仲間を見つけましょう♪

★好きな言葉★

「Personal is Political(個人的な問題は政治的な問題)」

私たち女性の悩みは紐解いていくと、実は個人の問題ではなく、社会的、政治的な問題に直結していることが多くあります。自分一人の問題(悩み)と考えずに、多くの女性たちと繋りながらジェンダー不平等を無くしていく必要があります。

特定非営利活動法人 「ハッピーウーマンプロジェクト

特定非営利活動法人 ハッピーウーマンプロジェクト
https://happy-woman-project.net
 
電話:090-2838-1341
メール:info★happy-woman-projet.net (←送信する際は★を@に変更してください)

私たちは、仲間とともに学び、語り、共感しエンパワーメントしていく時間は楽しいということを実感しました。そして女性に振りかかる問題については、私たち自身が声を上げることで変えていけると信じています。目標に向かって立ち止まることなく、誰もがハッピーに暮らせる社会になるようなムーブメントを起こしたいと思っています。私たちの活動については、ホームページをご覧ください。https://happy-woman-project.net





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