✳️今週のお悩み✳️
バイト先の友人Aと友人Bが同じ男性Cを好きになってしまいました。Cは特定の彼女は作る気が無いと宣言しておきながら女癖が悪く自分のことを好きな女性を突き放せないタイプなので、AにもBにも手を出してしまっています。AはBと自分が二股されていることを知っていますが、Bは知りません（女癖が悪いので遊んでるかなとは思っているみたいです）。AはCの二股は知っているものの、Bは一人暮らしで車も持っているのでCにとってただの都合の良い女でしかなく、心は自分にあると思っているようです。私はAともBとも仲が良く相談だったり愚痴だったり悩みだったりを聞くことがありますが、双方から話を聞いているのでどちらかに肩入れするのも嫌だし、それぞれにどのように対応すればいいのかわかりません。BはCと半同棲状態ですがAはそこまでは知らないようです。AとBは仲は良くないです（嫌い合っているほどではないけど、仕事のやり方など色々な場面で価値観が合わないかんじです）。今のところ二人にはお互いの名前は出さずにCはやめときなよと、 あたりさわりないことを言っていますが、実際二人とも私に言われたからと言って諦めることもしないので……。私はCとも仲が良くCの魅力的な部分も理解はできます。以前Cにぼんやりと二股やめなよという旨を言ったことがありますが直接的な話はあまりしたいないです。さらに、自分勝手な考えかもしれませんが、もしAにもBにも相談受けていて二股のことを知っていることが彼女たちにばれたらきっと二人との仲が悪くなってしまうのではないかという不安もあります。私は今後どうしたらいいのでしょうか。
（ねこまる・22歳）

こばなみ：
ひょーっ！　すごい長編お悩みがきましたね。整理してみました。


【A（女）】

・二股をかけられてることを知ってる

・だがCの心は自分にあると思ってる

・BとCが反同棲状態にあることは知らない


【B（女）】

・二股をかけられてることを知らない

・ひとり暮らしで車持ち、Cと半同棲状態にある

そして、ねこまるさんはC（男）にはぼんやりと二股やめなよと言ってる、とのことです。

宇多丸：
ホント、お疲れ様ですとしか言いようがないよ。こんなクソめんどくさい件に巻き込まれて……。

AさんもBさんも、別にねこまるさんに何かを解決してほしくて話をしたわけではないんだろうけど、仮に後から事態の全貌が明らかになったときに、「じゃああんた、あのときもう知ってたの!?」ってことになって、本来なんの責任もないはずのねこまるさんが悪者になってしまう可能性がある、というのを心配してるわけだよね。

さっさと両方に状況をバラしちゃえば話は早いんだけど、ねこまるさんはたぶん、僕と同じで無神経な告げ口はもっと嫌いっていう考えでもあるんでしょう。
Cにも、押しつけがましく説教とかはしないようにしてるっぽいしさ。いい人だと思いますよ、ねこまるさんは。
実際、余計なおせっかいを焼く必要はまったくないと思う。大人同士なんだから自分のケツは自分で拭かせろよ！

一応AとBの力関係をくらべてみると、Aは恐らくCとの付き合いがBより長いぶん、ちょっと余裕カマしてる感じだよね。「また悪いクセが始まっちゃったわね」くらいの。
確かに、本当に彼女のほうが本命なのかは置いといても、Cみたいな男と長く付き合えるのは、やっぱりこういう、「男の浮気はしょうがない、本気でない限り最終的には許す」っていうタイプの女の人なのかもしれないですよね。あんまりそういうのをエバって言うような関係性も僕は好きじゃないけど……。

「BはCと半同棲状態ですがAはそこまでは知らない」ってのもさ、半同棲って要は、単に「CがBの部屋に入りびたってる」ってことでしょ？　
家賃を折半してるような本格同棲なんだったらそりゃ本命感もはっきりするけど、その程度だったらどうかな……、Aにとって決定的に不利な条件、とまでは言いきれない気もします、少なくともこの文面上は。

ということで現状、ダマされてる度が高いBのほうが、よりかわいそうなのは確かだと思いますが。
ただ、Bには二股を明かしてないのは、逆にCの本気度が高いからっていう可能性も、正直ゼロではない。

こばなみ：
にしてもCめっ、よく同じバイト先で……、ひどい！

宇多丸：
でもまぁ、どの程度はっきり言いふらしてるのかわからないけど、一応「特定の彼女は作る気がない」とは宣言してるってことだから、ある意味フェアではあるんじゃない？　
AもBも、それでも好きになっちゃったわけだからさ。「お前だけと付き合う気は今のところない」って言われてるのに！　そりゃあ当然、そっちのが立場としては弱いですよ。

とにかくこのC、よっぽどのモテ男ってことですよね。僕、南Q太の『さよならみどりちゃん』を思い出しちゃいましたよ。
映画版のほうだとさ、今回の相談で言うとCに当たる「ユタカ」ってキャラクターを今をときめく西島秀俊が演じてて、これがまた残念ながら、説得力満点！だったんだよなぁ……、「あー確かに、やることなすこと全部サイテーなのに、なるほどこりゃ男の目から見ても、抵抗不能の魅力あるわぁ（嘆息）」っていう。
神も仏もないのかっ！って話だけどさ。

それにしても、この状態で特にB側からの話を聞き続けるのは、ねこまるさんとしては辛いですよね。
黙って聞いてあげてるだけで、ウソついてることになっちゃうわけだから。

こばなみ：
もう～、私だったら絶対バイトやめる！
　この近場感がイヤ～！

宇多丸：
そうね。プレイボーイ気取るにしても、ちょっとセコい感はあるよな。
近いところで手をつけまくって、それが周囲にはバレバレっていうズサンさも、僕的には大人失格！って感じですよ。
誰かが傷つくかもしれない、というのに配慮してないじゃん。イケナイことしようって人の、最低限のマナーなんじゃないの。

ということで、その点に関してはやっぱり、改めてCにちょっと抗議してもいい気はしますね。
「AともBとも仲がいい私が迷惑することになるから、あんまり近場での二股は控えるとか、片方にだけウソつくのやめるとか、なんとかしてほしいんですけど（怒）」って。

なんにせよねこまるさんは、今のところ関係者全員に最大限誠意を尽くしてると思いますよ。

AにもBにも、チクリにならない範囲にせよ、「Cはやめとけ」ってことは一応、ちゃんと言ったわけだよね？　
だったらもう、それ以上ねこまるさんにできること、すべきことなんかないよ！
　どいつもこいつもいい歳した大人同士なんだから、ほっとけ！

もし仮に、後でAやBに「ホントはあのとき知ってたんでしょ！」とか責められるようなことがあったらさ、「だから“Cはやめとけ”って、あのとき私言ったよね？　それを聞き入れなかったのはあなたでしょ？」「私はあっちとも友達だから、板挟みで辛かった……、怒りをぶつけるなら、この状況を作ったＣにしてよ！」って逆ギレして……って言うかこれはもう「逆」じゃないよ、「普通に」キレていいと思いますよ、マジで！

こばなみ：
そうですよ、もぉ～!!　ふつうキレますね、そんな状況！

宇多丸：
そもそもAもBも、女癖が悪いってわかってる男を、あえて選んでるわけでしょ。
実際、そういうヤツならではの魅力っていうのも、やっぱあるんだろうしさ……、わかんねぇけど！
　だから、後からダマされた！みたい騒がれても、ハタからしてみりゃ「今さら何を」ってだけでしょ。
あと、飛び道具案として、「いっそねこまるさんもCと関係を持ってしまう」っていうのはどうですかね？

そこまでいったらたらもう、全員どっちもどっち、もとの争点がどこにあったかよくわかんなくなって、なんとな～く三方丸く収まる、かもしれない……、少なくとも「結局Cが一番悪い」感は際立つ気がするんですけどね。

ないか……。

【今週のお絵描き】

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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2015年1月17日に公開したものを再編集し、掲載しています。

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