【愛媛】本物のみかんの味を「太陽の愛味」というジュースにして届ける・檜垣陽子さん
日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、愛媛県今治市で本物のみかんのおいしさを味わえるジュース「太陽の愛味(たいようのめぐみ)」を手がける檜垣陽子さんに聞きました。
つくりはじめて1年でみかんジュースコンクールの賞を受賞!
主人の実家が代々続くみかん農家で、そこで栽培したみかんを使っているのが「太陽の愛味」というみかん果汁100%のジュースです。
現在、温州みかんを使った「みかん」のほか、「まどんな」、「不知火」、「いよかん」の4種類のジュースをつくって販売しています。
みかんジュースをつくりはじめたのは、2年前の2018年。
1年ほどたった2019年に、義娘から「えひめ愛顔セレクションみかんジュースコンクール」というのがあることを教えてもらって、「ものは試し」というつもりで出品したんです。
そうしたら、スペシャルアワードを受賞することに!
おいしさには自信があったのですが、それが認められたようでうれしかったです。
出品当時は「太陽の雫」という名前でラベルも今とは違うものだったのですが、受賞時に審査員だった専門家からのアドバイスを受けて、「太陽の愛味」にリニューアル。知り合いのデザイナーの方に依頼して、おしゃれでかわいいラベルに変更しました。
このデザインのおかげか、2020年は900本つくって、1年も経たず9月にはほぼ完売しました。Instagramで紹介している通販サイトでも販売しているのですが、ほとんどは私が経営している化粧品店のお客さんなどに個人的に販売しているような状況。口コミでしか宣伝できていない状態にもかかわらず、このように好評をいただいてありがたいですね。
ただ本当は、ぜひみんなにこのおいしさを味わってほしい、本物のみかんの味を全国の人に知ってもらいたいと思っています。受賞を機にイベントなどに出品したいと思っていたのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で、地元の愛媛マラソンにしか出すことができませんでした。
でも、全国の人にもっと手軽に届けられる機会があったら、きっとこのおいしさをわかってもらえるはず。そういうタイミングが早く来ることを願っています。
出荷できなくても味はおいしいみかんを、どうにか届けられるように
私たちがつくっているみかんは、10月末〜11月くらいに収穫し、年末くらいに贈答用のものとして出荷するんです。でも、どうしても傷がついたりして出せないものも出てくるんですよね。
出荷はできないけど、味はおいしい。だから、ジュースにしてみんなに飲んでもらいたいと思ったのがきっかけなんです。
それに、生のみかんだったらどうしても期間が短いじゃないですか。すぐに腐ってしまいますが、ジュースにしたら1年間は持つんです。その1年の間に本物のみかんの味を感じてほしいと思ったからです。
あともしかしたら、ジュースを思いついたのは、私が、反骨精神が強い性格だからなのかもしれません。
結婚後、主人の実家からは「嫁に来たんだから、家業の農家を手伝って当たり前」と言われ続けてきたんです。でもそういう考え方に反発して、ファンシーショップを経営するようになりました。
その後、化粧品メーカーの営業さんの熱意に押されて、ファンシーショップから化粧品販売店になり、今は、化粧品販売店兼エステの施術も行っています。
お店を経営しながら、週に1回くらいは農家の手伝いはしていましたし、今でもしているんですが、農業の世界にどっぷり浸かっていなかったからこそ、「出荷できないみかんをジュースに」と思いついたのかもしれませんね。
もっとたくさんの人に、本物のみかんの味を知ってもらいたい!
山形に住む知り合いが「本物のみかんの味を食べたことがない」と言っていたので、うちのみかんを送ったことがあります。
そのみかんを食べた知人は「こんなみかん食べたことない!」って喜んでくれて。それから毎年買ってもらっているんです。
本物の味って、本当に違うんですよ!
だから、この味を知ってほしいし、みんなに味わってほしい。ジュースなら、より手軽に本物のみかんの味を届けられるはずです。だから「太陽の愛味」が少しでもこれから発展するといいなと思っています。
また、今はInstagramの注文フォームから通信販売も行っていますが、どうしても運送料が結構高くなってしまうのが悩みです。
だから、近々の目標としては、ぜひ東京のお店に出品して、運送料を考えずに買ってもらえるようになるといいなと考えています。
全国の女性に向けてメッセージ
結婚する前、地元の大きな企業で経理をしていたんです。本当はそこで課長になりたいと思っていたのですが、当時はまだまだ女性が認められる時代ではなく、諦めました。
でも、仕事をしていて新たな夢を持ったんです。
経理だったので会社のお金を計算しているわけですが、何億、何十億と動かしていても、自分のお金ではない。だから、いずれは自分でやりくりできる商売をしたいな…と思うようになりました。
それで、結婚後なかなか主人の実家と折り合いがつかなかったこともありますが、先ほど言った通り、子育てしながらファンシーショップをはじめました。
そのあと、化粧品メーカーの人の営業さんが粘り強く交渉してくれたことが転機となって、ファンシーショップから化粧品販売店へ変わり、エステもやっています。
今はもう子どもたちも家庭を持ち、孫もいますが、私自身、ずっと働いてきました。
女性が自立してキラキラと輝ける環境をつくるには、日々の努力と「こうしたい」「ああなったらいいな」という希望を持つのがいいのかもしれないですね。
★好きな言葉★
願いつつけていれば、夢は必ず叶うと信じています。
私の場合は、まず自分がこういうことをしたいと思ったときに、目の前のことを受け入れること。そうすると徐々に、自分がしていきたい方向へ進んでいった経験があります。
たとえば、私の場合、化粧品販売店に変わるとき、営業さんが交渉してくれたことが転機になったと言いましたが、私もファンシーショップの次に何をやるのか無意識に考えていたと思います。
もし、営業さんが来たとき、私が「怖い」「騙されるんじゃないか」と思っていたら、今の私はなかったかもしれません。きっと営業さんだって、私の店に来ること自体を断られるかもしれないし、勇気を出してきてくれたと思うんです。
あのとき、目の前のつながりを受け入れたことで、相手も協力してくれ、自分の知らない社会を見せてくれて大変勉強になりました。
愛媛県今治市で、潮風と太陽の恵みいっぱいの山にあるみかん農家がつくっている100%果汁のみかんジュースです。
「えひめ愛顔セレクションみかんジュースコンクール2019」でスペシャルアワードを受賞しました。
Instagram:https://www.instagram.com/takumafam/