好きになる人がすべて一回り年下。46歳の私から年齢差を考えると無理?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室281】
✳️今週のお悩み✳️
自分でも馬鹿らしい悩みで申し訳ないのですが、ここ数年の間、好きになる人がすべて年下。それも一回り程下、という状況なのです。このままではアブナイと思い婚活パーティー等に参加してみたものの、来る年上の男性は服装に気を遣わないのは当たり前で、鼻毛が出ていたり爪が真っ黒だったり、上から目線で価値観を押し付けてきたり、そもそもキモイ感じだったりでますます無理な感じになってしまいました。当たり前ですが、イケてる同世代や年上男性は既婚者か彼女持ちばかりです。好きな人を振り向かせたいという気持ちはもちろんありますが、せめて知り合いから仲の良い友人までランクアップしたい! しかしこの年齢差を考えるとやはり無理なのかと。文章にすると限りなくキモいオバさんとしか思えませんが、どうぞよろしくお願い致します。
(まりお・46歳・熊本県)
宇多丸:
鼻毛出てて爪真っ黒、エラそうでウザくてキモい……、おじさんというのは、気を抜くとすぐにここまでヒドいことになってしまうという、これはひとつの教訓でもありますね。
五十路突入組として、肝に銘じておきたいと思います(泣)。
しっかし、よくまぁそれで相手探しの場になんか出てくるよな。最低限、清潔にはしてこいよ! まさにその無神経さこそが、良縁に恵まれない原因でもあるんでしょうが。
こばなみ:
まりおさんは、「好きな人を振り向かせたいという気持ちはもちろんありますが、せめて知り合いから仲の良い友人までランクアップしたい! しかしこの年齢差を考えるとやはり無理なのかと」っておっしゃってるんですけど、ここがあまりよくわからなくて……。
宇多丸:
文面ではあまり具体的に書いてないけど、意中の方が一応すでにいる状態ではあるんですかね。
でも、年齢的にちょっと気おくれしてしまっていると。
まず言えるのは、この段階で「無理」って決めつけることも、別にないですよね。 同時に、これはどんな恋愛だってホントは同じことなんだけど、会う人会う人勝手に惚れてくるような異常体質でもない限り、それなりのハードルというのも、必ずある。 言うまでもないことだけど相手の気持ちや立場があってのことなので、ダメなもんはダメ、ってときは当然あるし。 ただ、ひとつ言えるのは、「投げて」しまえばそこまでの話ですよね、誰だって。
たとえば、年齢が比較的上ならば、老いをマイナスと感じさせないくらいの、年上なりのアドバンテージを持っているかどうか。あるいは、そこに向けて自分を高める努力をしているかどうか。 わかりやすいところだと、やっぱり経済力だよね。これは着ているものやメイク、コスメなど、ルックス磨きも含めてだけど。 プラス、人生の先輩ならではの賢さ優しさ余裕など、要は人間的魅力の部分。 そんなこんなで、そのへんのションベンくさい若いやつらよりずっと素敵!と思ってもらえるよう常に気張り続けるとかっていう、そういう正攻法しかないと思いますけどね、結局は。 これ、男も女も本質的には同じことでしょ。
まりおさんが婚活パーティーで出会ったおじさんたちは、のきなみそういう意識が低いやつらだったわけですよね。現状スタートラインに立ってすらいないのに、その自覚もないっていう。
いっぽう、まりおさんご自身はどんな感じなんですか? まさか爪真っ黒ってことはないだろうけど(笑)、ちゃんと自分の価値を高める積み重ねをしてきているタイプ? そこに自負がないなら、人のジャッジばっかり厳しくしてる場合じゃないですよね、って話ですけど。いますぐ自分を叩き直すところから始めるしかない。 ライザップの門をたたけ!(笑)
こばなみ:
身体は一番わかりやすく、そしててっとり早く変われると思う。ちなみに只今、私も猛烈ダイエット中!
宇多丸:
逆に、いやそこそこ頑張ってきてるんですけど、という感じなら、その延長線上で、胸張って勝負すりゃいいですよ!
あとね、「イケてる同世代や年上男性は既婚者か彼女持ちばかり」とおっしゃいますが、いつも言ってる通り、三十路以上にもなると、離婚や死別によるセカンドチャンス、ガンガン増えますから! 実は歳を取れば取るほど、恋愛市場の選択肢は増えてくるもんなんじゃないかと僕は思いますけどね。
こばなみ:
バツイチが集まる婚活パーティーとかもありますよね。
宇多丸:
まともなバツイチ男性ほど、前の結婚生活である程度は学習してますしね。
パートナーとしてある意味バージョンアップした状態になってる可能性も、意外と高いと思いますよ。
彼氏彼女レベルなら、奪ったって別にいいわけだし!
こばなみ:
あと、婚活パーティーじゃないところに行くのはどうですか?
習い事とか、趣味とか。登山でもなんでもいいんですけど。
ちなみに私はオットとマーケティング勉強会(セミナー)で知り合ったんです。そんなつもり最初はぜんぜんなかったんですけど、仲間内で飲んだりしているうちに付き合うことになりまして。
けっこうオススメかも。勉強会(セミナー)とかって、お金を各自払ってきているので、身元がちゃんとしてる感じはしますけどね。
いずれにせよ、46歳なんて、まだまだ現役ですし、素敵な人いっぱいいるはず!
だからこそそこで、自分で「キモいおばさん」とか言っちゃダメですぜ! おばさんだからいいのって何事もゆるく済ませちゃったり、おばさんだからもう無理だよって、できない言い訳にしちゃう人もいるじゃないですか?
宇多丸:
そうだね。
自分のことをよく思ってない人を、他人がいいと思うわけない。
それってモテるモテない以前の、心地よく生きていくための基本だと思うんだけど、そこをすっ飛ばしてしまってる、もしくはあきらめてしまってる人が、意外と多い。
だからまずは、「私って、なかなかいい女じゃない?」と自分で思えるところまで、なんとか持ってきましょうよ。 そこに気づいてくれる人が現れるかどうかは、また次の段階の話ですよ。
僕も自己卑下よくするイメージかもですけど、あれ、9割ただのポーズですから(笑)。 冷静な自己分析と反省は大事だけど、むやみに自分をおとしめるような言葉を内面化しちゃ、絶対ダメ!
まぁ、まりおさんは恋愛に対する色気はぜんぜん失ってない方みたいだし、ここまでクドクド言ってきたことも釈迦に説法だったかもしれませんが……。
こばなみ:
ただやっぱり、婚活パーティーじゃないところに行ったほうがいい気がするんですよねぇ……。
宇多丸:
婚活パーティーとかマッチングアプリのほうが話が早いっていう利点はもちろんあるけど、目的がしぼられてるぶん、出会える人の幅というか、質もある種狭まっているという面は、たしかにあるはずなんだよね。
いっぽう、前にも言ったけど、いろんな場所に出ていって交友関係を広げていけば、すぐに直接的な恋愛関係が生まれなくても、間違いなく「ご縁」がまわってくる可能性は高まってゆくわけだもんね。別にそうならなくても、人生は確実に充実してくわけだし。
まぁでも、マッチングアプリには年収3000万円のオーストラリア人がいるかもしれないからなー(笑)。
そう考えると、実はいま婚活パーティーって、ちょっと中途半端なのかもしれないね。オープンなように見えて実は範囲が狭いっていうか。
まぁとにかく、「投げて」さえなきゃ、チャンスはぜんぜんあるはずですよね。
前にm.c.A・Tさんが、DA PUMPの再ブレイクに関して、「彼らはずっと準備を怠らなかった。だから今回の成功にもしっかり対応できるんだ」というようなことをおっしゃっていて、すごくカッコいいなぁと思ったんだけど、まさにそういうことですよ!
だからやっぱり、投げたらアカン! いったん「投げ」ちゃうと、取り戻すのが余計大変になるしさ。
こばなみ:
逆に自分自身がいい状態でいると、異性だけでなく、それを見てた同性とかからも紹介してもらえたり、いい連鎖が起こりますよね!
宇多丸:
そうそう。
だからまずは、自分を愛しましょう、愛せる自分を目指しましょう、と。それがすべての基本ですね。
いま気になっている方がそうかはわからないけど、いまどきは年上好きを公言している若い子も多いですし、需要っていうのはあるとこには必ずあるもんですから。 いい男ゲット、頑張ってくださいね!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2019年5月18日に公開したものを再編集し、掲載しています。