プライベートの連絡先をまだ知らない異性と、今後の関係を発展させるには?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室159】
✳️今週のお悩み✳️
銀座で販売の仕事をしています。同じ館に入っている旅行代理店の人が気になっています。私は来月から別店舗に異動が決まったので、旅行の相談を兼ねその人に会いに行っていました(笑)。異動先の話をしていたら、その人と私は地元が近いことがわかり少し仲良くなれました。が、その後発展させるにはどうしたらいいかわかりません。プライベートの連絡先はわかりません。異動先は大きい商業施設で、たまに買い物に来ているらしく、立ち寄ってくれると言っていました。かなり厳しい状況かと思いますが、今後発展させる良い案はありませんか? 宜しくお願い致します。
(ぺこ・30歳・千葉県)
宇多丸:
たしかに、ぺこさんには悪いけど、今んとこはこれ、「同僚」と呼ぶのもはばかられるくらいの、すごく薄~い関係性しかないもんね。事実上ほとんど「客とそのお気に入りの店員」くらいの距離感っていうか(笑)。
とりあえず、プライベートの連絡先をゲットできるかどうかが最初の関門ってことだよね。
こばなみならどうする?
こばなみ:
ええ~!? 困ったなぁ。なかなかこの状況で「気になる」まで行くことがないから……。
普通に、旅行の話を聞きたいので飲みに行きましょう!じゃダメなんですか? 今度ベトナムに行きたいのですが、おすすめのスポット教えてください~、とか。
宇多丸:
でも、旅行の相談ってテイだとさ、彼にとってはあくまで仕事の領域になっちゃうというか、本来普通に窓口でするべき話を、なんで個人的に時間割いてまでしなきゃいけないのか、って不自然さが生じない?
少なくとも僕は、そういう風に自分の仕事をダシに近づいてこられたら、よっぽどハナから好意を抱いてる相手でもない限り、悪いけど少し引いちゃうかも……。
たとえばさ、こっちは今のところ仕事相手としか認識してないような相手から、明らかにそんな必要ないのに「ちょっと打ち合わせしたいので、今度二人で食事にでも行きませんか」とか誘ってきたら、なんかブキミな感じしない? なに企んでんだ?って。 かと言って、あっちがお客さん的な立場だとむげにもできないし……っていうもろもろがまためんどくさいしさ。
だったらまだ、ストレートに「よろしければデートしていただけませんか?」って言ってくれたほうがマシですよ。
こばなみ:
早くない?
宇多丸:
早いっていうか……、唐突感はそれなりにあるだろうけどさ。
でも、要はこれだけ薄い関係性しかないと、いつかどっちかが思いきって積極的にアプローチするってこと以外に、距離が縮まる機会なんて限りなくないわけでしょ。
で、現状はこっちが惚れてるってことしかたしかじゃないんだからさ。
だとしたら、実は向こうも最初からぺこさんのことがムチャクチャ気になってて、そろそろガマンも限界で……とか、最高に都合のいい展開にでもなってくれない限り、いくら待ってたってなんの機も熟さないよ!
こばなみ:
ストレートに言うしかないじゃんってことですかね。
宇多丸:
もちろん、礼儀を失さない範囲でね。
ただ、さっき唐突感はあるかもって言ったけど、ぺこさんも、たぶん大して用もないのにその人にちょいちょい会いに行ったりとかしてたんだろうからさ(笑)、向こうにもなんとなーくは伝わってるんじゃないかと思うんですよ、ぺこさん側が好意を抱いてるいるっぽいってことは。
なので、普通に次会ったときにでも、「異動になるとこうしてお会いする機会もなかなかなくなってしまうので、勇気を出して申し上げますが、もしご迷惑でなければですけど、一回お食事にお誘いしてもいいですか?」とかなんとか言って、丁重に丁重に、大人として礼を失さないよう、段階を踏んで距離を詰めていく……っていう正攻法以外に、なんか方法ってあるのかな?くらいに思うんだけど。
もちろん、それでお断りされたらいさぎよくあきらめるしかないんだし。 仮に一度はデートまでこぎつけたとしても、そこから先どう発展してくかはまた別の話だし……、でも、しつこいようだけど、こんだけ薄い関係から食事に応じてくれるんだとしたら、それだけでもう脈ありなんじゃない?とは思いたくなっちゃうよね。
ちなみに現時点で、彼のことって、どこまで把握できてるんですかね? 既婚者じゃないかとか、彼女持ちかどうかとか。
こばなみ:
あ、1つ思いついたんですけど、Facebookとかで、情報を得てみるのはどうですか? それもキモい?
そうしたら、既婚か未婚くらいはわかるかも。
宇多丸:
あぁ、そりゃそうだよね。
おじさんノーSNS派だから思いつかなかったけど、オープンにしてるもんならそこから何かを探るのも普通に全然ありでしょ。
なんて言えばいいの? 「Facebookとかやってます?」「LINE交換しませんか?」みたいな?
こばなみ:
でも、いきなり言われるのは怖いかも……。
Facebookはまだしも、LINEはやだーとか思っちゃったり。
宇多丸:
LINEってホント、距離近いもんね。ホントに親しい同士なら便利だろうけど……。
こばなみ:
実は私、あんまりLINEをやってなくて、よく「古い」て言われてます。
男性とはLINEをしてないから、恋愛においてはどんな感じかわからないんですけどね。
まぁ、放っとけばいいんでしょうけど、なんかあの早さに気後れしてしまい……。でもそれを言うと、なんでそんな気にせずガンガンやればいいじゃん!って。だからLINEについては、完全にめんどくさい人の部類です(苦笑)。
宇多丸:
たかだかSNSをやってないくらいのことで、あーだこーだ言ってくるやつらのほうがクソですよ。
人との距離感なんかそれぞれなんだから、やりたいやつは好きにやってればいいってだけの話だろ!
「なんでスワッピングしないの? 楽しいのに!」みたいなこと言ってきてるようなもんですよ!
こばなみ:
ひゃひゃひゃ(爆笑)。
宇多丸:
しかし、こばなみでも本格SNS世代とは微妙に温度差があるのね……。
Facebookはどうなの?
こばなみ:
そうですねぇ。友達申請とかは普通にできるし、共通の地元の友達がいるかどうかとか、盛り上がるネタがあるかもしれないけど、友達になったからってそこからどうなるとかもなさそうな気も……。
宇多丸:
SNSを通して親しくなるのにも限界があるということだよね。
だから、結局のところいつかはやっぱり、さっき言ったように、真正面から正々堂々とアプローチをかけるしかないんじゃないかなぁ。ここからなにかが劇的に進展していく可能性が、少しでもあるとしたら。
こばなみ:
私も話していてそう思いました。
宇多丸:
まぁ、スタートラインの手前で足踏みしてしまう気持ちもわかるけどね。
でもホント、いつも言ってるけど、最終的にはやっぱ、これは男女関係なく、「素直さ」と「優しさ」しかないんだと思いますよ、ルックス以外で人に好かれようと思ったら。 それだけ揃ってれば、たいていの人間関係、少なくとも嫌われることはないから。
逆に言えば、こっちが「素直に」「優しく」接しようとしてるのに、ただ感じ悪くしか返せないような人は、そもそもその人に問題があるんですよ。 なので、心を開いたうえで拒絶されたりするのはもちろん怖いことであるんだけど、それは相手の真の人となりをジャッジするのに不可欠のプロセスだと考えて、ここぞというときには、やっぱり勇気を出して一歩踏み出してみないと。
幸いにもぺこさんの場合、どっちにしろすぐ異動はしちゃうわけだからさ。 万が一芳しい結果が出なかったとしても、職場でいつも顔を合わせるたびに気まずくなったりする心配はどうせもうないんだし、卒業直前の告白みたいなもんで、ダメ元でアタックしてみりゃいいじゃん!
こばなみ:
「素直に」「優しく」、これもう部則にしましょう!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2016年9月3日に公開したものを再編集し、掲載しています。