友達関係だった彼と一度カラダの関係を持ち、その後告白したのですが保留されていて……。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室273】
✳️今週のお悩み✳️
告白後、保留されてます。過去にも同じ系統の相談がありましたが、自分のことだと客観的になれず、相談させてください。彼は41歳。関係の濃い共通の友達がおり、5~6年前からの知り合いで、2人で会うようになって2年経ちます。半年前にお互い盛り上がって関係を持ち、その後、私から告白しました。私は彼を昔からいいと思っており、ちょうど彼も彼女を探してるというタイミングでした。返答は、まだポストちゃんのことをよく知らないから答えをだせないということでした。美人で子どもに優しい人とは思うけど、人となりをよく知りたいと言われました。また、関係を持つのはよくないから、昼間に会おうと言われました。それから半年間、友達もまじえてキャンプしたり2人きりで登山やデートをしたり、月3くらいで会っていました。その間に2回、私から告白の結論を遠慮しつつ聞いたのですが、最初は「ポストちゃんが素をみせてないから」とまた保留になりました。私としては仲の良い友達くらいオープンに接してるつもりだったので戸惑いました。2回目が最近ですが「まじめに考えてるから」とまた保留にされました。どの理由も、わたしなら「だからこそ付き合ってみる」という要因になりこそすれ保留するのがピンときませんでした。が、私の視野が狭いのかなと思い直しました。ちなみに半年間、手も握っていません。意を決して「好きな人といるのに体の接触がないのはしんどいのもあり付き合いたい」と話したら、「怖い怖い! そういうとこだぞ!」と言われました。その場では笑って過ごしましたが、あとで悲しくなりました。相談は2点です。
1.彼にプレッシャーにならず私ができることはあるでしょうか。
2.知り合いになって長く、性関係も持ったことがあり、お互いの友人もある程度把握していて、付き合うに足りない情報とはなんでしょうか。
ケースバイケースとしか言えないのですが、彼の中ですでに「”付き合わない”と結論がでているけど断るのは私に悪い」と思っての振る舞いであれば申し訳ないと考えています。ちなみに彼は婚約までした相手が過去におり、恋愛経験は普通です。長々とすみません。宇多丸さんのアイドル評論が特に好きで、人が人に惹かれるのはいろいろな理由があるなと気づかされています。ご意見いただけましたら幸いです。
(ポスト・37歳・東京都)
こばなみ:
この彼、読んでいて、もう~なんなの!って思ってしまいましたが……。
宇多丸:
まぁ、男性でも性的なことが苦手なタイプっていうのはいるわけだけど、半年前に一度関係を持ってはいるんだよね。
あと、かつて婚約までしてたのに結局結婚はしてないって、「恋愛経験は普通」ってカテゴリーなのかな?って気もちょっとしなくはないですけど。
ひとつだけ間違いないのは、ポストさんと友達感覚で付き合うことに関してはまったく苦に感じていないっぽい、というくらいですかね。
ひょっとしたら、「ちょうど彼も彼女を探してるというタイミング」だったのは一瞬のことで、基本的には彼、あまり深い交際とかは望んでいないのかもしれないですよ、少なくとも今は。 気楽に遊んだり、お互いそういうムードになったときたまにイチャつくくらいならいいけど、それ以上の、なにかしら責任が伴うような関係は正直めんどくさい、みたいな気分。 一応婚約したのに結婚までは行かなかったのも、彼側がとにかくそういう縛り縛られるような状態を嫌うタイプだから、だったのかもしれないですよ。ま、これはあくまで想像だけど。
でも、仮にもしそうだとしても、ポストさんにちゃんと言うべきだよね。 なんにしたって結論を先送りしてるのは自分であることに変わりはないのに、「ポストちゃんが素をみせてないから」とか、いちいちこっちのせいにしてくる感じが、ちょーっと引っかかるんだよなぁ。
こばなみ:
そういえば、私の袖引っ張りアプローチのあとに友達でいいじゃん!と振られたことあったじゃないですか?
最近Facebookで知ったんですけど、その人が結婚したって。で、私が袖を引っ張ったあたりから付き合ってたみたいで、なもんで、たぶんその頃、いろいろ吟味中だったんだと思うんですよね。
だからポストさんもそういうこともあるのかなぁとか思ったり……。
宇多丸:
なるほど、ほかにも候補がいて、天秤にかけているという可能性もゼロではないのか。
こばなみ:
で、
1.彼にプレッシャーにならず私ができることはあるでしょうか。
2.知り合いになって長く、性関係も持ったことがあり、お互いの友人もある程度把握していて、付き合うに足りない情報とはなんでしょうか。
ですが、どうでしょうね?
宇多丸:
うーん、一個めに関しては「彼が付き合いたいと言い出さないかぎり、これまで通り友達的なペースで遊ぶ」ってことでしかないし、二個めについても、「付き合うに至るかどうかはもはやもっぱら彼の気持ち次第なうえに、急かすと余計に引かれるようなので、今から特に打てる手はない」って感じかなぁ……、どうにも身動きとれないっすね(笑)。
「素を見せてない」とかは、単に彼の詭弁じゃないかと思うけどね。
ちなみに、さっきこばなみが言ったように、もろもろ吟味中、みたいな感じなのだとしたら、普通もうちょっとギラギラしてたりしないかな? ちょいちょいヤッちゃってはいる、とかさ(笑)。 でもなんか、この彼の淡白な感じはやっぱり、深い仲になるの全般をめんどくさがってるだけ、ってことじゃないかという気もするけど。
とにかくさ、付き合うにはポストさんのことをよく知らないとか言ってるけど、いやいやいや、だからより深くわかり合うためにこそ付き合うんじゃないの?って、僕らも思いますよ。いきなり結婚しようとか言ってるんじゃないんだからさ。
彼の言うことに若干「何言ってんの?」感が否めないから、僕らもあんまり好意的に見られなくなっちゃってるんだよね(笑)。
こばなみ:
それはありますね。ポストさん、すみません!
宇多丸:
今は誰かと深い関係を築く気がしない、っていうことなら、それはそれで言えばいいだけの話なのにね。
あとさ、ポストさんとはもともと知り合い~友達だった期間が長いから、一度はついカラダの関係を持っちゃったけど、基本そういう友人的な距離感で見るのがデフォルトになっちゃってて、それ以上の近しい存在として改めて位置づけるのがもはや難しくなっちゃってる、みたいのはないかな。
先輩後輩はいくつになっても先輩後輩、みたいな。 一度関係性が固定されちゃうと、なかなかモードが切り替えられない、みたいなことってあるじゃないですか。
こばなみ:
わかる! あるある!
宇多丸:
だから彼からすれば、ポストさんを改めて付き合う相手として再チューニングすることが、なかなかできないでいる、という感じなのかもしれないよね。
とはいえチューニングしようと努力はしている、というのが、「まじめに考えているから」なのかもしれない。
あるいは、これまでの関係よりもっと近くに感じられるよう、そっちもモードをもうちょい変えらんないの?という訴えとしての、「素を見せてない」なのかも。
こばなみ:
なるほど~!
宇多丸:
だからってじゃあどうすればいいか、というのもよくわからないけど……。
こばなみ:
あと、ポストさんも言ってるけど、友達も交えての会もあるから、はっきり断ったらポストさんが来なくなる、それは困るので無下にはできないってのはたしかにあるでしょうしね。
付き合ったら付き合ったで、もちろんカップル扱いだし、結婚するんだよね?とか外野から言われたりしそうですもんね。
どっちも今の彼には面倒くさいことなのかも。
宇多丸:
現状の彼の状況を突き崩そうとすればするほど頑なになっちゃうし、やっぱり今は難しいかもね……。
こばなみ:
ポストさんがそれでも好きなら、ツメツメにせずゆるっと友達付き合いしていればいいと思いますけど、自分を磨きしながら他にも目を向けてみるのもいいんじゃないのかなと、私は思いますけど!
宇多丸:
そうこうするうちに、彼の気が変わればそれはそれでいいしね。
45歳になったら急にさびしくなっちゃってとか、ない話じゃないですよ(笑)。
こばなみ:
もしくは、そうこうするうちにポストさんもほかに好きな人ができるかもしれないし!
なもんで、今は現状を受け入れて、パワーチャージするのがよいかと思いました~。
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2019年3月9日に公開したものを再編集し、掲載しています。