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【ライムスター宇多丸のお悩み相談室28】LINEで飲みに誘った彼からの返信はスタンプだけ…。この後、どうしよう?


✳️今週のお悩み✳️
高2の冬から彼氏がいません。最後に付き合った彼氏をずっと忘れられなかったわけではないと思っていたのですが、(違う人を好きになったりした時期もあったので)最近、高校の友達と一緒に飲む機会があって、その席に彼がいて、それから彼のことが気になって仕方ありませ ん。悩んだ末、その飲み会から1ヶ月後に、自分から彼の連絡先を聞き、また飲みに行こうねと挨拶的なLINEをしたら、文章ではなく、LINEのスタンプだけ返ってきて、すっかりこころが折れてしまっています。たいした事じゃないと客観的にみても感じますが、連絡先を聞くのも大きな決断だったので、どうしていいかわかりません。よければアドバイスをお願いします。
(ねぐせ・24歳・熊本県)


宇多丸:
悪いけどこれ…、わかりやすくダメでしょ…。脈、ないよ! 返信がスタンプだけって、正直めんどくさい証拠。

こばなみ:
ううっ(泣)。

宇多丸:
これは僕の推測だけども…、ねぐせさんがなぜこの彼に執着してしまうかというと、この間に違う人を「好きになった」時期もあったというけれど、別にそれも、ちゃんと付き合ってはいないわけでしょ? ぶっちゃけただの軽い片思いどまりというか。

だから結局、昔の彼の事しか知らない。

「他の選択肢を知らないだけ」なんじゃないの?

って感じがしちゃうんですよ。

たとえて言うなら、カードを1枚しか持ってない状況だから、そのカードで勝負するしかないと思い込んじゃってるだけであって、もうちょっとさ、いろんなカードを揃えてから勝負に挑んだほうがいいんじゃないかなって、思っちゃいました。
その上でまだやっぱり彼のことが気になって仕方がないっていうんだったら、じゃあどうしようかって話にもなるんだけど…。

こばなみ:
それに7年経つと思い出も美化されますからねぇ(遠い目)。いいことばかりが思い出されるから、すごく素敵に見えたり。私も同じような経験あります。

宇多丸:
僕もその感じ、よくわかるよ。中学高校と男子校だったから、「知っている女の子」といえば、中学入学前までに会った子たち、つまり小学生の頃の同級生しかいないんですよ。だから恥ずかしい話、その頃好きだった子のこととかを、けっこう後になるまでずっと考えてたりしましたよ。ときどき卒業アルバム見ちゃったりさ。
だってそれしか知らないんだもん!

こばなみ:
わたしも中学高校と女子校だったので、その頃の男子といえば、小学校のときの同級生しか対象がいませんでした。たしかに、思い出したりしてたわ…。

宇多丸:
でもそれって、本当にその子のことが好きなんじゃなくて、あまりにも選択肢が乏しすぎて、そこにしか想像力を働かせる余地がないから、そしてその期間が長いから、こっちが勝手に思いを膨らましちゃってるだけでしょ。
だって、小学校の頃のその子と、何年も経った今のその子が同じであるわけもないんだからさ。

だから、実はその子本人のことは何も考えてない、自分勝手な話なんだよ!
ねぐせさんのケースにも、なんとなくその「勝手に膨らましてる」感を感じるんですよね。
24歳の、いまの彼本人の事は、ひょっとしたらぜんぜん見てないっていうか…。

だってさ、再会した飲み会のときには、なぜか連絡先を聞いてないわけでしょ?
「その席に彼がいて…」っていうけど、つまり、そこでは実は、たいして話もしてないんじゃないの?

で、1ヶ月後に意を決して連絡先を聞くって…。
彼からすれば、「あのとき特に話もしてないのに、なんでこの時期になって?」って、ちょっと怖く感じちゃっててもおかしくない。
連絡先を聞くのも大きな決断って、そらそうだよ。1ヶ月後に聞くから大きな決断なんだよ。
そんなのその場で「どうもおげんこ~! せっかくだから連絡先おしえて~!」くらいの軽いノリじゃないとダメだよ!!

こばなみ:
おげんこは古いでしょう!!

宇多丸:
とにかくさ、その1ヶ月の間に、また勝手に彼に対する幻想を膨らましていたってことでしょ?
あなた結局、彼のこと何にも知らないのでは?

こばなみ:
ちょっといま自分を振り返ってドキドキしてきました。わたしもまさにこのタイプで、大学生のときに付き合っていた元彼に社会人になってからも3~4回アタックしたことがあるのですが、たしかに会ってない間、勝手に想像を膨らましちゃってましたよ。でもそう言われるとそれはたしかにそうで、彼女がいるかとか、いまどんな人なのかとか、そういうのまったく無視して誘いまくってた! あらま!!

宇多丸:
もちろん男でも山ほどそういうことあるから、気持ちはわかるよ。
それに、当然だけどそれでトントン拍子に上手く行っちゃう場合もありうるわけだから。
アタック自体が一概にダメとは言えない。

だけど、
「スタンプだけ返ってきて」って…
SNS時代の脈ナシ意思表示ですよ、わかりやすく!

ただまぁ、LINEのスタンプが返ってきただけいいじゃないの。完全無視とか、強い口調で拒絶されるとかじゃないんだからさ。
要するに、脈はないけど、無下に扱うほど嫌いってわけでもない。だからこれ以上、傷を深めるのはやめようよ!

こばなみ:
質問! 飲みに行こうねってメールしてるのに、それにふれない返信がくるっていうのは、脈ナシってことですか?
そういう体験が先日ありまして…。飲みには行きたくはない!っていう意思の表れですよね?

宇多丸:
いや、そうとも限らないかも…。
この場合だってさ、たとえば一応ステディな彼女がいたりして、社交辞令でも「うん、飲みに行こう!」とは返せない立場かもしれないよね。とはいえ「彼女がいるから行けません」って断り方も、なんか逆に自意識過剰と取られかねない…。で、とりあえずスタンプにしといたとか。そういう可能性もゼロではないよね。

ただまぁ、現実的に考えるとやっぱり、さっき言ったように、なんでこのタイミングで誘いがきたのか、彼も意図を計りかねて単純に困惑してるっていうのが、一番ありそうな話だけど。
だって7年間も会ってなくて、飲み会でもたいして話してなくて…、なんで?って。
で、ひとまずスタンプで返して様子を見てる、みたいな感じかもしれない。

こばなみ:
LINEのスタンプって都合よく使えますもんね。宇多丸さんはSNSやってないじゃないですか。だからメールとかになると思うんですけど、こういうお誘いがあって行く気がないときは、どういう返信をするんですか?

宇多丸:
こっちはそういう相手として見ていない異性から、「飲みに行きましょう」って明らかな誘いがきた場合ですよね。とはいえ、別に「セックスしよう」って誘われているわけじゃないんだから、いきなり強く断るのも逆に変かなぁ…、とかもろもろ考慮して、「いずれぜひ〜」でお茶を濁すとか、まぁそんなあたりですかねぇ。

…いやでもこれ、一概には言えないわ。
僕は既婚者ですから、もちろんそういう明らかに異性としてのお誘いは論外として、普通の飲み会とかに関して言えば、開催すれば楽しいのはわかってるんだけど、スケジュールを調整したりするのがめんどくさいというだけで「いずれぜひ」どまりになっちゃってる約束って、結構ある。

みなさん、本当にすみません!
とにかくこの場合は別に、相手に対して好意がないとかじゃないから。
僕みたいなめんどくさい病の人はね、誰かにぐいぐい設定してもらえさえすれば、行く確率が上がってくるんですよ…って何様だ!

たとえば、事前に予定を合わせたりするめんどくささをすっとばして、「いまみんなで集まってるけど、来る?」的に、不意に誘ってくれると良かったりするんだよね。
たとえ何度かは「ごめん、仕事だから行けないわ、残念!」ってなっちゃったとしても、めげずに誘い続けてほしいんですよ…ってだから何様だよ!
とにかく、そのうち予定や気分がバシッと合うタイミングが必ず来るんで、そしたら全然、ホイホイ出かけて行きますよ! そういうのが一番好き♡

こばなみ:
その戦法、いいんじゃないですか? 高校の友達とまた飲んだりして、そこに「いま飲んでるんだけど、どう?」って彼を誘う。

宇多丸:
いやでも、たぶんこの彼は、やっぱり見込みナシじゃないかなぁ…。
ちょっと厳しいこと言っていいですか?
思うんだけど、いい歳こいて片想いしがちな人って、やはり根本的なところで「相手のことを本当には考えてない」ことが多いんじゃないかなって気がします。

経験が浅いと仕方ないんだけど、ちゃんと相手の気持ちを確かめながらコトを前に進める、という手順が踏めてないわけでしょ。
そういう最低限のコミュニケーションすら取れてないのに、恋愛「関係」なんか成り立つわけないじゃん!

この場合もさ、飲み会のとき彼の態度がどうだったか、よく思い出してみてよ。
会話こそなかったけど、確かにねぐせさんに熱い視線を送ってたとか?
ならいいけど、それすら勘違いの可能性もあるし…。

それに、ねぐせさんにとっての7年前の彼の思い出と、彼にとっての7年前のねぐせさんとの思い出は、全然重みが違うのかもしれない、ってことも、キツいようだけど想定内に入れておかないといけない。
最悪彼にしてみたら「えっ、オレたちって…付き合ってた?」みたいなことだったりして…。
いや、これはさすがに意地悪すぎますね。ごめんごめん。

とにかく、一方的にこっちの気持ちを膨らませきってしまう前に、もう大人なんだから、ちゃんと相手の気持ちや立場も考えてみようよ、っていう。
なぜならみんな「他者」なんだから……という、いつもの話でもありますよね。

こばなみ:
今、グサリ、突き刺さってます。私が元カレにモーレツアタックしてたのは、まさに自分勝手で、しかも相手からすればなんで?とか、ちょっと怖い!とか、いい加減にして!とか、かなりイヤだったのかも。ああぁ、この場を借りて、ごめんなさい…。

宇多丸:
もちろん、人を好きになるのは仕方がないことなんだけど、「好きになったんだから仕方ない!」が通用する歳でもないと思うよ、と。

こばなみ:
でも、それくらいキッパリ誰かに言われたほうが、次にいける気がする。ねぐせさんも次いこう! 次にいいことあるはず!!

宇多丸:
にしても、どんなスタンプだったんだろう…?


結論:
脈ナシの意思表示…!?
一方的に気持ちを膨らませきってしまう前に
ちゃんと相手の気持ちを考えてみてばわかるはず。


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2014年1月25日に公開したものを再編集し、掲載しています。



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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。



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