【長野】縄文人の生活から得たさまざまな学びを発信している「縄文どんぐりカフェ」
日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、縄文人からさまざまな生活のヒントを学び、それを発信しているグループ「縄文どんぐりカフェ」の代表・鵜飼恭子さんと広報担当の大川かおりさんに聞きました。
縄文人の生活からさまざまなことを学び、その情報を発信!
「縄文どんぐりカフェ」は、長野県茅野市で縄文人の生活から多くのことを学んでいるグループです。
なぜ縄文かというと、私たちが住んでいる茅野市は、国宝に指定されている土偶「縄文のビーナス」、「仮面の女神」が出土した町だから。そして縄文が大好きな代表である私、鵜飼が知人に声をかけ、3年前に活動をスタートさせました。
「縄文のビーナス」をシンボルに、縄文文化を発信するためにさまざまな活動を元気に楽しく行っています。
定例会は月1回。「ドングリ珈琲」を飲みながら、わいわいガヤガヤ楽しく縄文についての情報交換を行っています。
秋には縄文人も食べていた自然の恵み「シバクリ」や「ドングリ」といった堅果類を採取して、縄文クッキー、ドングリパン、栗ごはんなどを作って、縄文風の食を味わいました。
イベント企画も行います。
2020年は、縄文文化を知ってもらうイベント「縄文カフェ de 手仕事体験」を開催。
コロナ禍であったこともあり大人数ではないものの、小学生連れのお母さん、お腹に新しい命を授かったお母さん、年配の主婦の方など幅広いみなさんに参加いただくことができました。
ドングリ粉入りの土偶パンや山ぶどうの樹皮を使ったかご、麻糸を使ったコースターなど、縄文時代に実際に使われていた素材を利用した「作る」体験イベントを実施。
コロナ禍なので、その場での喫食が出来ずに残念でしたが、子供たちは、焼き上がってお腹が膨れた土偶パンを、興味深く眺めたり、突いたりしていました。
それと同時に、「縄文のビーナス」と「仮面の女神」を展示している茅野市尖石縄文考古館の前館長さんを迎えて、縄文についてお話を聴くトークショーも行いました。
きっかけは、地元・茅野市の国宝土偶をもっと多くの人に知ってもらいたかったから
活動を思いついたのは、とってもシンプルで、茅野市内から出土した国宝土偶をもっと多くの人に知ってもらいたかったから。
長野県の茅野市は日本のほぼ真ん中にあり、八ヶ岳や蓼科山などに囲まれ、自然がとても豊か。約55,000人が住んでいる町です。
でも、5,000年前の縄文時代は、茅野市は日本で一番栄えていたところと言われているんです。今で言えば東京ですね(笑)。
ちなみに茅野市は、さまざまな場面で「縄文の里」、「縄文王国 茅野」など、「縄文」をキーワードにした町づくりを行っています。たとえば茅野駅を降りると、「縄文のビーナス」と「仮面の女神」が出迎えてくれるんですよ。
ところで、「土偶」は何のために作られたものかご存知ですか?
土偶は子孫繁栄や災難除け、健康など、安定した豊かな暮らしへの「願い」や「祈り」が込められていると言われています。
だから「縄文どんぐりカフェ」も、健康的な女性の象徴でもある「縄文のビーナス」をシンボルに、女性目線で楽しく町づくりに参加できればいいなと、思っています。「元始、女性は太陽であった」という言葉もある通り、女性が元気であれば、きっと「まち」も元気になるはずです。
今後は、縄文人から学べることをSDGsの視点でも発信していきたい!
2020年は、コロナ禍で活動も思うようにはできませんでしたが、今までの楽しい活動を継続しながら、新しい取り組みも行っています。
YouTubeに「縄文どんぐりカフェ」チャンネルをオープンしました。これは、2020年に行ったトークショーで貴重なお話が伺えたので、それを広く公開したいと思ったことがきっかけ。あとから何度でも繰り返し見たり、聴いたりできるようになりました。
今は関心がなくても、のちに縄文に興味を持ってくれた人が「あのときのトークショー聴きたい」と思ってくれるといいんですけどね(笑)。
動画で言うと最近では、茅野市のことをおしゃべりする「縄文のビーナス」(愛称・ビーナ)の動画をメンバーが作って情報発信しています。
また、メンバーの気持ちがよりつながったものになるように、「縄文のビーナス」のシルエットをモチーフにしたネームタグを作ってみました。
それが誰かの「縄文」に関心を持ってもらえるきっかけになったら素敵だなと日々妄想しています。
ちなみに、「縄文時代」は1万年も平和な時代が続いていたんですよ。だから最近、ここに何か学びがあると感じています。
たとえば、近頃耳にする「SDGs(持続可能な開発目標)」の17の目標。これは、縄文人が意識することなく行っていたライフスタイルを少し取り戻すだけで、目標が達成できそうな気がしています。
このように縄文文化は、「今失われているもの」を考えるきっかけにもなると思っています。だから、今後はSDGsに関連した縄文にまつわる情報も発信できたら…と考えています。
全国の女性へメッセージ
一般的には議論を好まないと言われる女子ですが、とはいえ、何かを発信しないと思っていることもわかってもらえないので、「女子の発想」や「女子の感性」でいろいろなことを、いろいろな形で発信することが大切だと感じています。
私たちは「縄文」ですが、関心のあることを発信する活動をはじめてみてはいかがでしょうか?
また、「縄文女子」や「土偶女子」などの言葉が、「山ガール」や「キャンプ女子」などのように認知されて、「縄文」に少しでも関心を持っていただける人が増えると、私たちは活動をしてきてよかったな、と思えます。
そしていつの日にか、2体の「国宝土偶」を見るために、信州・茅野市に来ていただけると大変うれしいです。
★好きな言葉★
男だけでもダメ、女だけでもダメ。それぞれが、それぞれの立場でみんなが参加する社会。
そういった生活や文化を形成していたのが縄文時代です。
SDGsが叫ばれる今の時代は、縄文人から学ぶところがたくさんあると思います。
「争いがなく1万年以上も続いたとされる縄文時代のことを少しでも多くの人に伝えられたら…」と思いつつも、忙しい時代の時間に流されずに、自分たちのペースで、縄文時代のようにゆったりと、気負わずに自然体でいることも必要だなと思っています。
縄文人からさまざまなことを学び、その情報を発信するグループ「縄文どんぐりカフェ」
「縄文どんぐりカフェ」では、縄文人の生活からさまざまなことを学び、その情報を発信しています。
月1回の定例会のほか、イベントなどで外部の人にも私たちが縄文文化から得たアイデアなどを発信しています。
今後、いろいろな「女子」と情報交換などができればと思っているので、「縄文」が少しでも気になったら、ぜひ、私たちにお声がけくださいね。
Facebook:https://www.facebook.com/%E7%B8%84%E6%96%87%E5%A5%B3%E5%AD%90%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7-292974724697921
YouTube「縄文女子カフェ」チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCFkmyvURPTgZTsgZpvj8gag