【鳥取】考古学好きの女子が集って学んで盛り上がる!「むきばんだ女子考古部」
日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、鳥取県で考古学好きな女子が集う「むきばんだ女子考古部」で活動する皆さんに聞きました。
1年を通して、考古学を学びながらつながる、女子コミュニティ!
考古学の好きな女子が集まる「むきばんだ女子考古部」は、毎年5月から翌年3月まで、基本的に毎月1回活動しています。
マネージャーをつとめるのは、「鳥取県立むきばんだ史跡公園」の考古学の専門職員。中国地方最高峰「大山」のふもとに位置するこの公園では、国内最大級の弥生時代の集落跡を公開しています。
毎年春になると、「むきばんだ女子考古部」の部員を募集。「遺跡や考古学に興味があるのでもっと詳しく知りたい人」「弥生時代のものづくりにチャレンジしてみたい人」「博物館や遺跡巡りに出かける仲間がほしい人」など、考古女子を募って開催しています。いまは、2019年度の第三期生の活動も終わりを迎え、第四期生の募集を呼びかけようとしているところですね
通年、第1回目〜第2回目は、考古学入門として考古学の基礎知識を学ぶ座学を行うほか、マネージャーの解説を聞きながらフィールドワークで園内を見学。3回目以降の活動内容について、みんなで話し合う場を持ったりします。
3回目以降は、部員自らが企画した内容の活動を行います。ちなみに2019年度は、こんな活動をしました。
・弥生時代の文様の学習とスタンプづくり
・自作貫頭衣の草木染めとスタンプ施文
・発掘体験、骨卜(こつぼく)体験
・遺跡見学ツアー
・竪穴住居で女子会
・埴輪づくり
・鉄器・ガラス玉づくり
・骨角器づくり
女性が楽しく考古学を学べるような活動をしたかった!
2015年から九州国立博物館さんが「きゅーはく女子考古部」をスタートされたのですが、「むきばんだ史跡公園」でも、同じような活動ができないかと考えたのが活動のきっかけです。
実は、「むきばんだ史跡公園」では、すでにさまざまな“ものづくり体験活動”を実施していたので、部員が企画した活動に対応する道具やノウハウをある程度持っていました。
さらに、復元された弥生のムラやお墓、発掘された住居跡など、弥生時代を体感できるフィールドが十分あります。私たちにも、女性が楽しく考古学を学べるような、意義ある活動ができると思い至りました。
2017年度からスタートすることを目指し、2016年に九州国立博物館にお邪魔して、顧問やマネージャーの方から運営ノウハウをヒアリング。「きゅーはく女子考古部」の資料もいただきました。
2017年には、当公園職員が「きゅーはく女子考古部」の活動に実際に参加させていただき、部員さんの熱意や部活動にかける思いを実際にお聞きすることができました。
そして、ついに同年、第一期の活動をスタートし、2019年度が第三期の活動になります。
参加した「むきばんだ女子考古部」の部員さんの声をご紹介!
<楽しかった活動は?>
・「竪穴住居で女子会」
古代の生活に思いを馳せながら楽しく調理。そして、抜群の雰囲気(竪穴住居)でおいしく食事。たまりません。
・「鉄器(五寸釘でペーパーナイフ)づくり」
鉄に火を加えることで、自分でも加工できることを体験できたのが新鮮でよかったです。スピード感と思い通りにならないけど鍛錬したらうまくなりそうな感じも、もう一度やりたいと思わせてくれました。
・「骨角器づくり」
次の日筋肉痛になるぐらいハードだったけど、やりがいもあっておもしろかったです。文明の道具を使っても難しいのに、「どうやってあんな繊細な物を作っていたの?」と、古代人の技術の高さに感銘も受けました (タイムマシンに乗って、覗いてみたい!) 。
<今後の目標は?>
・古代の社会こそが、いま声高に叫ばれている「持続可能な社会」だと思います。ひと手間こそが楽しいと思える経験をたくさん積ませていただきました。できる発信(口コミ)の方法で、楽しさを伝えていきます。
・部員さんのワクワクに触発されて、興味のなかったことを知ることで、自分の中に種をもらった感覚でした。きっと、これからいろんなところでその土地での営みや歴史など、どんなつながりがあって、それが生活にどんな風に生かせるかを試したくなるんだろうなと思います。
・衣食住、生活の中に必要なものは自分たちの手でつくれることを実際体験させてもらいました。ものを生み出す発想力を持って、災害時、いざというときの生き抜く力にしたいです。
<全国の女性にメッセージを!>
・「女子」ならではの楽しみ方があり、発見があるのが「むきばんだ女子考古部」の魅力です。古の人々の暮らしを体験しながら、思いを馳せることは、自分の価値観や視野を広げることにつながると思います。ぜひ一緒に「考古学」を楽しみましょう!
妻木晩田遺跡は弥生時代中期から古墳時代前期(約2000~1700年前)に営まれた集落跡です。遺跡の広がりは約170ヘクタールに及び、弥生時代の遺跡としては全国最大級の規模を誇ります。この遺跡内に整備されたむきばんだ史跡公園では、復元された弥生のムラやお墓、発掘された住居跡などの見学や散策ができます。
〒689-3324 鳥取県西伯郡大山町妻木1115-4
ホームページ:https://www.pref.tottori.lg.jp/mukibanda/
電話:0859-37-4000
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