【埼玉】農業を盛り上げる女性グループ「Go!Go!彩農ガールズ!」
日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、埼玉県の女性農業従事者グループ「Go!Go!彩農ガールズ!」の綱本朝香さんに聞きました。
農作物などのイベント販売をはじめ、ポテチプロジェクトも進行中!
「Go!Go!彩農ガールズ!」は、埼玉県内の女性農業従事者11人で活動をしています。
さまざまなイベントに参加してそれぞれが作った農作物やその加工品を販売したり、グループでのプロジェクトを実行してきました。
イベントへの出店では、「ひとりでは出品商品が足りない」「人手が確保できない…」というのが、個人営農者によくある悩みです。そこで、私たちは、グループで出店することでその解決につなげてきました。
2019年から2020年にかけて参加したのは、「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」や「熊谷市ラグビー祭り」、「県庁朝市」。そのほかにも、各種イベントやマルシェに出店しました。
また、熊谷で創業120年以上の老舗である八木橋百貨店には、私たちのために常設コーナーが常設されました。常設コーナーだけでなく、いちごや花、野菜などの生鮮品も加えての「彩農ガールズフェア」を1週間盛大に開催してくださったことも。
2020年2月には、メンバーのさかた園芸(熊谷市)で「どこでも知事室」が開催されました。女性農業者の抱える悩みや課題、女性の経営参画、今後の展開など、さまざまなテーマで、大野埼玉県知事と意見を交換。
大野知事がとても気さくに私たちの話を聞いてくださったので、大変有意義な時間になりました。
そして、今年で3年目となる「彩農ガールズ・ポテトチップ プロジェクト」も進行中です!
昨年大好評だったピンク色のじゃがいもをメンバーが栽培。そして、できたてポテトチップで有名な菊水堂(八潮市)に加工を依頼しています。
化学調味料、保存料無添加で、じゃがいも本来の味が味わえる鮮やかな紅色のポテトチップです。
現在、じゃがいもは畑ですくすくと成長中〜。7月ごろにはみなさまのもとへお届けできる予定です。
メンバーは県内の広範囲に渡って各自農業に従事しているので、このような活動をする際はLINEを活用して連絡を取り合っています。
例えば、イベントの情報を得たメンバーがグループ全体のLINEに告知。参加を希望するメンバーだけで新たにLINEグループをつくり、詳しい情報をシェアしたり、打ち合わせを行います。必要があれば、実際に会ってミーティングなどを重ねてイベント当日を迎える形が多いです。
彩農ガールズでのLINEグループと、イベントごとに用意している参加メンバー用のLINEグループと、用途で使い分けながら、活動を進めています。
埼玉県主催の女性農業従事者向け講座が縁で、グループ結成!
私たちは、埼玉県・農業支援課主催の、女性農業従事者に向けたキャリアアップ講座がきっかけでグループを結成しました。
1期生として受講した縁です。半年以上、講座をともに学んだ者同士、卒業時には離れがたくなってしまい…(笑)。
また、個性豊かで農業以外にも多彩な才能を持ち合わせている受講生が多く、「このまま解散はもったいない!」、「いっそチーム作っちゃおうよ!」ということで、「Go!Go!彩農ガールズ!」が誕生しました。
11人のメンバーは、美術畑出身、工学設計のリケジョ、店舗経営者、総務、海外生活をしていたバックパッカー、農業技術指導者など、さまざまな前職の持ち主ばかり。
華麗な転身をとげた、才能豊かでおもしろい女性の集まりです。
おかげで、チームロゴやのぼり旗、Tシャツのデザインはすべてメンバー内でまかなえてしまいました(笑)。
チーム名はグループLINEで、メンバー内で公募しました。
彩の国・埼玉県で農業女子…ということと、「才能がある」→「さいのうがある」→「彩農ガール」ということで、「彩農ガールズ」という名前に(考えたメンバー天才)!
当初はもっと人数が多かったのですが、最終的に常時動きがある11人が現在のメンバーになりました。
各種活動を経ていくなかで、「こうしたほうがやりやすい」など改良を重ねて、現在の形に落ち着いています。
女性から農業界を盛り上げていきたい!
「女性農業従事者の視点から、埼玉の農業を盛り上げていく!」
ざっくりな目標ですが、これが私たちのグループでやっていけることだと思っています。
農業は昔からの日本の社会習慣が色濃く残る業界で、男性の年配者中心の傾向が強いと感じています。私が従事する水稲業界でもそうです。
ですが、最近では女性で扱える機器も増え、女性が農業分野で活躍しやすくなったと感じています。
それは業界にとっても朗報!
生産性、効率重視の農業の現場に、女性によく見られる「自分の子どもに食べさせたい商品を作る」といった当事者感覚や、色彩感覚の豊かさなど、細やかな視点が加わります。
また、そういう女性目線が加わると、より消費者の志向に添った商品が提供できるようになる。
結果、業界の進化につながると思うからです。
女性が「男性の手伝い」だった時代から、より積極的に参入するようになることで、農業が男性の視点と女性の視点、さまざまな視点を活かした、より統合された農業へと発展してほしい!
私たちが活動することで、少しでもその促進力になればとてもうれしいです。
性別や世代の「ちがい」を越えてこそ、産業が発展するはず!
「自分が自分に生まれてよかった!」
「今が一番充実している!」
そう思える人生であれば、ありがたいことです。
ですが、社会に根付く「女性はこうあるべき」という壁に当たることも多いと思います。
そして私たち自身がその壁にとらわれて、自分を制限していることもあるでしょう。
残念ながら、農業界はまだまだ、「こうあるべき」が強い業界かもしれません。
ですが、だからこそ! 女性参入の伸びしろがあり、活躍できるジャンルだと思うのです。
また、農業に限らず、男性・女性といった「性別」、老若といった「世代」。
これらは、ときには軋轢のもととなる「ちがい」ですが、そもそも人間は全員がちがって当たり前。
それらを越えて、異なる視点がバランスよく揃うことで、その産業がより発展すると感じています。
そして、自分の活躍が、自分のためだけでなく、コミュニティや社会に活力を与えることになれば、いいですよね。
お互いに自信を持って、活動していきましょう!
★好きな言葉★
彩農ガールズの枕詞でもあるこの言葉。大地を踏みしめながら進んで行こう!
埼玉県の女性農業従事者グループ
「Go!Go!彩農ガールズ!」
埼玉県内で活躍している女性の農業従事者グループです。
各種イベントに出店の際は、Facebookに告知してますので、のぞいてみてくださいね。
そして、ぜひお越しください。お待ちしております!