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ご飯を奢ってくれたり、サプライズでプレゼントをくれない彼。こんな浅い願望を抱いて別れようとする私はわがまま?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室334】


✳️今週のお悩み✳️
高校で出会った彼と5年付き合った今、別れる選択をした私はわがままで求め過ぎの世間知らずでしょうか? 
7月4日の投稿
「ライムスター宇多丸のお悩み相談室327」を拝見し、私と同じ悩みを抱えた方がいらっしゃるのかなと思ったのですが、私の状況と少し異なったので相談させて頂きます。
現在5年近く付き合っている彼がいます。こだわりの強い私に対して好き嫌いがなく穏やかな彼との付き合いは、趣味嗜好でぶつかることが少ないうえに、彼の賢くて堅実なところや周囲の人を大事に思う姿勢が大好きで今まで長く付き合ってこれたと感じています。彼は、高校で出会った当時別の彼がいた私を高校卒業後も一途に想い続けてくれました。当時の彼よりも性格や大学の学歴、周囲の人間関係に至る諸条件に惹かれてしまい、私が乗り換える形で付き合い始めました。彼は最初から結婚を意識していたようですが、私は親が離婚していたり、不倫や浮気などを題材とした映画や本を好むので、結婚に希望が持てないうえに終わらない恋愛はないと考えています。付き合っていて幸せでも、「彼以上にもっと良い人がいるのでは?」とどうしても考えてしまい、ナンパや出会い系で浮気を繰り返しました。しかし、セックスの相性どころか人間性さえ彼に勝る人はおらず、やはりこの人と結婚するのかなと確信に近いものを感じたため、今年に入ってから私は背筋を正し、「彼にとって結婚相手として真剣に考えてもらえるような人間にならなくては」と、彼と向き合う覚悟を決めました。
しかし、最近になって彼の行動や考え方に苛立つことが増えました。付き合いたての学生の頃から、デートはどこに行って何をしてどこで何を食べる、すべて私が提案します。なので、私はデートに新鮮味がなく、彼から「連休はすべて会いたい」と言われても、何するか私が決めなきゃいけないのが面倒だと感じてしまい、会わない選択をすることが増えました。また学生時代、仕送りで生活していた彼に対して私は「自分で稼いだお金じゃないのだから、あなたに奢られる筋合いはない」と言ったことがあるのですが、彼は社会人になってもその通りに行動するものですから、私は彼に奢られたという経験が多くありません。去年行った旅行では、コンビニでカプリコの100円すら徴収されたほどです(これは本当にトラウマになって忘れられません)。最近では、3月の私の誕生日を祝わせて、と言いながら何をするか直前までノープラン。ホワイトデーさえ忘れている。結局コロナで自粛期間に入ってしまい、「自粛明けに改めて祝わせて欲しい」と言ったくせに、覚えている気配が感じられない。手紙でも花束でもプレゼントでも、考えれば郵送できたでしょうに。 私が「あれしたい」「ここに行きたい」と言ったことは実現しようと頑張ってくれるのですが、私が知らないところで喜ばせてあげようとするサプライズ的なことはまったくしてくれません。してくれない、というかまったく気が回りません。私は接客を伴う職業柄、相手のことを思って立ち回ることが得意だと思います。 こうしてあげたら喜ぶな、喜ばせてあげたいな、と思ってつい行動してしまいます。バレンタインや誕生日当日会えなければ、郵送でお手紙やチョコレートを送ったり、記念日には物欲がない彼のことを考えて、物ではなく手作りのアルバムをプレゼントしたり、ドライブデートの日は運転してくれる彼に差し入れを用意したり、自粛期間は彼のために苦手な料理に挑戦し、手料理を振る舞うこともありました。しかし最近、私がそうすることで私も同じように彼にして欲しいのに、と彼に期待してしまい、期待した結果が返ってこないことにモヤモヤするようになりました。
職場では彼の愚痴ばかり漏らしてしまい、同僚に「何か惚気を聞かせてよ」と言われた時、「惚気ってなんだろう?」と考えてしまいました。同僚に「何かしてもらったこととかないの?」と言われ、まったく何も思い浮かばずとても悲しかったです。同僚は、彼にレストランの予約をしてもらっていたり、欲しがっていたプレゼントをコロナ期間で会えない中でも郵送でもらっていたり、もちろんディナーを御馳走してもらっていたり、料理を作ってもらっていたり。私はしてもらえていないことばかりで、みじめに感じてしまいます。親にも「かわいそう」と言われる始末。お付き合いはどれだけ付き合ってきたかの期間で良い悪いが決まるとは思っていませんが、 互いの親や兄弟にはもちろん紹介済みで、彼が実家住みなのでたびたびご飯を御馳走してもらうこともあります。彼は家事を面倒くさがらず自炊が得意で、子どもも好き、仕事はしっかりこなし、周囲からの信頼も厚いです。浮気をする心配というのも本当になく、次男なので義両親の介護の心配もない。結婚相手にはこれほど理想的な相手はいないのではないか、と常々思います。しかし、私はご飯を奢ってもらいたいし、サプライズでプレゼントをもらって喜ばせて欲しい。簡単に言えば、男として、彼氏として、彼女である私に見栄を張って欲しいのです。こんなに好条件な相手と今まで付き合ってきて、このような浅い願望を抱いて別れようとする私は求め過ぎの世間知らずでしょうか? アドバイスをよろしくお願い致します。
(ひーちゃん・25歳・会社員・東京都)


宇多丸:
これ、基本的には、すでに別れる決意はほぼ固めてる、ってことでいいのかな?

こばなみ:
冒頭と締めでは、別れるってことになっていますが……。

宇多丸:
その決断が間違ってないことをきちんと確信したい、背中を押してほしい、って感じかな。

こばなみは、どっちかっていうとどっちのタイプ?
ひーちゃんさん型か、彼型か。

こばなみ:
私はけっこうやサプライズとかプレゼントとかやりたがりです。でも、オットからはないです(小声)。

少しケチなのですよね。なのでケチケチケチ!って連呼してますよ(笑)。

あと、倹約家だからか、高い店とかあまり行きたがらないんですよ。なもんで、そういう場合は友達と行くようにしています。

宇多丸:
誕生日のプレゼントとかは?

こばなみ:
ない! ご飯だけ! なので、ケーチ!って言ってる!!

宇多丸:
そっか……、それはまぁまぁ、結構なレベルの野暮天ですな。

ま、でも、プレゼントって難しいな、とは思いますよ。

僕はわりと、要望を直接リサーチしちゃいますけどね。ちなみにサプライズはやっぱり、するのもされるのも苦手なほう。

こばなみ:
家電とかパソコンとかカメラとかだと、あまり食い違わなくていいなって思っています。

宇多丸:
ガジェットは即役に立つものだからね。
ただ、色気はねぇよなぁ(笑)。

ちなみに僕は最近は、番組パートナーとかの誕生日には、軽い気持ちでページをめくるだけでも、なんなら置いとくだけでも見栄えのいい本、たとえば洋書の画集とか写真集とかを相手に合わせてチョイスする、というところに行き着いてますね。

お互いの個性を盛り込みやすいし、もらった側がそこまでプレッシャー感じなくてもいいじゃん。「一度は身につけてみせなきゃ!」みたいな。

まぁまぁ、ひーちゃんさんの相談に話を戻すと、じゃあ仮にこれから彼に不満を伝えて、折々のプレゼントとかは最低限くれるようになったとして、それでオールオッケーか?というと、どうもそういう個別の話でもないんじゃないか、という気もするんですよね。

要するにこれは、付き合いが長くなって関係性のテンションが緩んできた結果、彼が自分を「ケアしてくれている」という感覚をひーちゃんさんが得られなくなってしまった、ということなんじゃないか。

つまり、プレゼントやサプライズじゃなくても、ほかの部分でしっかり「いつもとても大切にされている」「大事に思ってもらっている」という実感が持てていたなら、結婚を考えていたはずがいつの間にか別れを決意するところまで絶望が進行してしまう、なんてこともなかったんじゃないかと思うんです。

だからこれ、彼が単に気が利かない人、というだけの他愛ない悩みにも一見みえてしまうかもしれないけど、ひーちゃんさんにとってはやっぱり、「これって、ちゃんと愛されてるって言える状態なのかな?」っていう、ものすごく切実で重大な話なんですよね。

浅いだの深いだのでは片づけられないものだと思いますよ、そういうのは。

彼のほうはというと、たぶん、ひーちゃんさんに対して、今は油断しきっちゃってるんだと思う。

5年付き合ってきて、ふたりの関係を良好に維持するための努力などもう必要ないような気になっちゃってる。

ホントはそういうもんじゃないのにね、どんなパートナーシップも。

そういう、問題の本質までわかってもらえるような話が今からでも彼との間でガッツリできれば、ひょっとしたらもろもろ一気に好転するってことも、なくはないと思いますけど。

しかし20代半ばの男かぁ……、自分のことを振り返ってみても、ここらで一回ドスンと自らの至らなさを思い知っておいたほうが、後々本人のためにもなるタイミングじゃないの、って気もしますけどね。いかにもおじさん的回答で申し訳ないですけど(笑)。

ちなみに彼目線ということで言えば、一応、ひーちゃんさん側の基準とは違うだけで彼は彼なりに努力していたしケアもしてるつもりだった、というような可能性も、ちょっとは考慮してあげていいかなと思います。

それこそ、何年か経ってから、ひーちゃんさんも思う日が来るのかもしれないし。「あの頃は気づけなかったけど、あの人なりに頑張って愛してくれてはいたんだな」みたいなことが。

こばなみ:
ドラマのシーンが目に浮かんできた!

宇多丸:
ぶっちゃけ人間関係全般、ずいぶん後になって実はもっと感謝すべきだったことに気づくとか、そんなのの繰り返しじゃないですか? 

家族とか、友達とか、仕事相手とか。

それに気づくということが、成長なのかもしれないしね。

そういう意味では、彼もひーちゃんさんも、今後いい方向にどんどん変わっていく余地は当然いくらでもあるんだけど……。

残念ながらそれは今じゃない、ってことなのかもしれない。

今かもしれないけどね! そこは現時点でふたりがどこまで歩み寄れるかにかかっている。

こばなみ:
ひょっとしたらもうひーちゃんさん、今は別れてしまった後かもしれないですが、さてこれをどうやって伝えるか、ですよね。

宇多丸:
さっき言ったような問題の核に触れるような対話が穏やかにできれば、仮に結局別れることになったとしても、付き合ったことがその後のお互いの人生の糧にちゃんとなるというか、大事な経験ということになってゆくはずですよね。

これは男も女もそうだろうけど、別れを切り出されてようやく、「そこまで深刻だったのか」って気づくことってあるじゃない?

そんなふうに、恋愛に限らずすべてにおいて、決定的に取り返しのつかないなにかを突きつけられて初めて、本当に身にしみて理解できて、そのぶん少しだけ進歩する、というものなのかもしれないですよね、我々の人間的成長というのは。

こばなみ:
ホントそうですね。やっちまった!から気づく。仕事の失敗とかもそうだと思う。

宇多丸:
だから、人生を前に進めるために、お互いにとって必要な別れ、というのもたしかにあると思いますよ。

いつかふたりとも、この思い出に向かってありがとうと言えるようになるといいですね。

こばなみ:
ですねぇ。なんかひとつの時代が終わったという感じでしょうか。

宇多丸:
もちろん、事態がいいほうに転がって万事円満に収まるなら、それはそれでめでたいことですし。

要は、どっちに転ぶのもありだし、大丈夫!

もうちょい卑近なアドバイスもしておくなら、やっぱり、ここまで不満を溜め込んで深刻化させてしまう前に、もうちょっとその都度はっきり言葉にして相手に伝えてゆければよかったんじゃないかな、とは思いますけど……、でもまぁ、一個一個は小さいことだからかえっていちいち言い出しづらい、みたいなことだもんね。難しいね、関係の微調整って。

まぁでも、前の相談にもありましたけど、現状なにが問題かわかってない人に「言われんでもわかれよ!」的にイラつくのは、気持ち的にはわかりますけど、やはり不毛なことにしかなってゆかないのは間違いないと思うので。

こまめにコミュニケーション! やはりこの正攻法しかないんだと思いますよ、人間関係すべてにおいて。

芸能人とかで、おしどり夫婦とか言われてたところに限って、意外と急に離婚したりするじゃん?

あれはつまり、おしどりと自他ともに認めるくらい、関係に安定性があるように見えるし自分たちもそのつもり、だからこそ、気も緩みがちだし問題も顕在化しづらく堆積してゆきやすい、ゆえにある閾値に達するとそこでいきなり空中分解してしまう、ということなんじゃないかと、僕は勝手に分析しているんですが。

こばなみんとこも、揺さぶりをかけていったほうがいいよ!(笑)

こばなみ:
が、がんばります。誕生日プレゼントほしいよってまた言わなきゃだな(笑)。

当たり前ですけども、プレゼントひとつとっても、日々のコミュケーションって大切だなぁ。

ひーちゃんさん、また新たな彼ができたら、こまめに思っていることを口に出して関係を築いていけるといいですね。

この経験はきっと生きると思いますので、次、ファイトです!




【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年8月29日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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