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5年付き合っている彼氏。嫌いではないけど、別れたいのか別れたくないのかわからないのが悩みです……。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室327】


✳️今週のお悩み✳️
嫌いではない彼氏と別れたいのか別れたくないのかわからないのが悩みです。5年付き合っている彼氏がいますが、ここまで行くともうドキドキがないし、好きという気持ちもないのに加えて、これは当初からですが私の理想ではないです。
好きな音楽、映画、ドラマが合わないというか、そもそも彼は音楽、映画に興味がない。ドライブで音楽をかけるときも、私の好きな音楽を知って欲しいけど、知ってるのかけてほしいと言われるし、彼が新しい音楽を提案してくれるわけでもない。ただもうこのへんは2年前ほどから期待することを諦めたので、そこまで気にならなくなりました。また、彼は家庭的な部分を見たいというけど、彼のために料理をしてあげたいとも思えない。そして夜の方も私的に全く全然満足できないし、下手くそと思ってしまう(笑)。
年齢で考えるのもどうかと思うが、私もそろそろ30近いので結婚を考えたいのですが、もし彼にプロポーズされてもとびきり喜べるわけではないです。世の皆さんはこんな感じが普通ですか? 別れた場合、死ぬほどさびしいし、嫌いじゃないから一緒にいても嫌ではない、でもつまらない。当事者同士で話し合え、だとは思いますが、第三者の意見も聞いてみたいです。
(さんかく・28歳・会社員・東京 )


宇多丸:
一般論で言えば、「一緒にいて苦じゃない」は、パートナーとしての相性という意味で、まぁまぁ高めのラインをクリアしてるってことなんじゃないの、とは思うんですけど。

ただ、さんかくさんの場合、自らこんな相談を送っているくらいなんだから、どっちかって言うともう、その無風状態に対して、マイナス気分のほうが強めになっているというのも確かなんじゃないかと。

「可もなく不可もなく」って、実はちょっとだけネガティブ寄りなニュアンスが強い表現だったりするじゃん? わざわざそういうバランスを言語化してクローズアップしてる時点で、批判的視点は明らかに入ってるんですよ。

だからたぶんやっぱり、「一緒にいても苦じゃない」というよりは、「一緒にいてもつまんねぇ」なんですよね。この違いは大きいですよ。

この調子でいくと、むざむざコイツと貴重な人生の時間を浪費してしまった、というような後悔がさらに大きくなっていく可能性も、それなりにありますよね。

こばなみはどう思う?

こばなみ:
つまらないの種類にもよる気もして。

宇多丸:
ひとつでいいから、これを一緒にしてるときは楽しい、っていうものがあればいいんだけどね。

こばなみ:
あと、つまらなすぎておもしろい、とかいう発見はないんですかね?

宇多丸:
いやいや、「つまらなすぎておもしろい」は、はっきり言ってめちゃくちゃ愛情に満ちた視線ですよ!

他人には欠点に見えるような部分さえむしろ楽しい愛おしい、ってことなんだからさ。

そんな境地に至れているところは、なんの問題もないよ。

こばなみ:
あ、たしかにそうですね。

根本的解決にはなってないかもしれませんが、倦怠期のカップルみたいに、犬や鳥を飼うっていうのはどうですかね?

宇多丸:
共通の目的を作るってことだよね。その最たるものが子どもを持つってことでしょうけど。

ただまぁそれはそれで、すでに結婚してしまってるわけでもないのに、そこまでして関係の維持そのものを目的化してしまっていいのか、という疑問も湧かないではないですが。

こばなみ:
あとちょっと気になったのが、「彼のために料理をしてあげたいとも思えない」っていう表現など、もうさんかくさんの言い方がキツイなって。なんか怒ってません?

宇多丸:
そもそも、「家庭的」であることを求める男に対して女が手料理で応える、というこの構図の古めかしさ、って問題も、それはそれで大変気になるけど……。

なんにせよ、要は「ケアしてあげたい」という気持ちがまるで湧いてこないんですけど、ってことだよね。

そんな風に感情が冷めきっていることを、すごくはっきり自覚している、というのがまた深刻で。

こばなみ:
でもさんかくさん、別れるのは死ぬほどさびしいんですよね。

宇多丸:
それはもちろん、5年も付き合ったんだからね。

情はがっつり移ってて当たり前でしょう。

ただそのさびしさも、彼を失うことそのものというよりは、ここに来て独り身になることへの不安や恐怖、というのが実体だったりしないかな。

とにかく、「別れたいのか別れたくないのかわからない」という悩み方はやっぱり、気分的にもうだいぶ別れたい寄りになってる人から出てくるものでしょうという感じはすごくする。


こばなみ:
「別れ」って言葉が出てる時点で意識してますもんね。

宇多丸:
そうそうそう。

本人的に実はどっちに背中を押されたがっているかはわりと明らか、というか。

で、このままでいいんだろうかっていうその懸念は、何もしなければ当然そのままどんどん大きくなるものだし、やがてそれが後悔に変わる可能性もぶっちゃけ高いんじゃないかと思われる。

だって、さびしいを解消するためだけに一緒にいるって、なんか……。

こばなみ:
本当は別の恋でも、別のことでもいいわけですもんね。

宇多丸:
前から言ってるけど、ひとりでいるよりもっとさびしいふたり、というような状態って、むちゃくちゃよくある話だと思うんですよね。

それに、これもいつも言ってることだけど、お相手にも失礼な話でしょ。

向こうだって貴重な人生の時間を費やしてるのにさ。内心そんなテンションで接されているとも知らず……。

実際、彼側はどう思ってるんですかね。

こばなみ:
自分の知ってる音楽をかけてほしいとか、いろいろ要求してきているし、彼はけっこう彼女に甘えてるというか、愛情はあるのかなと思いました。

宇多丸:
それに対してさんかくさんも、「いや、私この曲もう飽きてるから」とか、ご自分の意思をもっとはっきり主張してきても良かったんじゃないの、とは思うけど、たぶん、そこでノーを言いだすほどの気力も起きないというか、関係を良くするために何かアクションを起こすモチベーションももはやない、とうにすべてを諦めてる感じなんだろうね、きっと。

つまりやっぱり、「嫌いではない」っていうよりは、はっきり「好きじゃない」ってほうが勝ってるように、少なくともハタからは見えるんですよねぇ。

おそらくですが、現状最大のネックは、「すでに5年も付き合ってきてしまった」ということに尽きるんじゃないか。

住宅とかと同じで、長く住んでると居住権みたいなものが生じてきちゃう感じ、というか。

こばなみ:
引っ越すのはもう面倒くさい、みたいな。

宇多丸:
そうやってダラダラと同じ家に居座り続けているうちに、建物全体の経年劣化もどんどん進行、気づけば最悪の住環境に……なんてことにもなりかねない。

そして、ここからさんかくさんの気持ちが劇的に上向くってことも、十中八九ないでしょうからね。

28歳とまだぜんぜんお若いんだし、ここは思いきって先に進んでみるほうがいいのでは……と、僕的にはどうしても思えてしまいますけどね。

ちなみに、前にも彼がつまらないって相談あったよね?

こばなみ:
彼といてもとてもつまらないのです」というパワーワードがあったお悩みですね。
合コンで出会った保留の彼ですね。

宇多丸:
いま読み返したけど、僕らも今回とほぼ同じ回答してるね。

うっかりしてたけど、イラストまで似ちゃってる!(笑)

ま、そこは回答の論理に一貫性があるということでご勘弁していただきつつ……。

ドキドキとかそういうことじゃなく、一緒にいて心地いいとか、とにかくポジティブな気持ちが湧いてこないのであれば、なんのためにふたりでいるの?ってことになるじゃん。

こばなみ:
つまらないってネガティブですもんね。

宇多丸:
そう。もうフラットですらないんだもん。

今の彼は事実上、ここも合わないここも合わないってところばかりが並んじゃってる状態なわけだから、たとえば仮に、今後また別のお付き合いをすることになったとしたら、一個でも合うところが見つかるだけで、さんかくさん、ものすごーくアガっちゃうと思いますよ!

こんだけスタートラインが低いところから始まってれば(笑)、こっから先は、上向きしかない!

こばなみ:
いいじゃないですか! 上がるしかないって、いい!!

さびしいのもいっときだけだと思うので、次行きましょう!

ちょっと踏み出すのに勇気がいりますが、それこそ限りある人生、えいや!と行ってもいいのではないでしょうか。

宇多丸:
たとえすぐにはしっくりくる相手が見つからなかったとしても、「自分にとって自分は少なくともマイナスではない」=「ヘタなやつと付き合うよりひとりでいるほうがずっとマシ」と考えて、「つがい」にむやみに固執しない、安易に飛びつかないようにする、というのも、僕としては改めておすすめしておきたいあたりです。

これはさんかくさんに限らず、ね。

以上を参考に、あとはご自分の気持ちと、改めてよーく相談して!

どんなかたちであれ、事態の好転をお祈りしております。



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年7月4日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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