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私は22歳ですが50代、60代の男性が好き。この性癖を治す、もしくはゲットするにはどうすれば……?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室29】


✳️今週のお悩み✳️
20代の私ですが、ものすごく年上の男性が好きです。40代を飛び越して50、60代とか。しかし、そんな年齢の素敵な男性との出会いは皆無(あっても既婚者)で、彼氏いない歴=年齢(汗)。この厄介な性癖を治す方法もしくは素敵な年上の男性をゲットする方法を教えてください!お願いします!
(カイ・22歳)


宇多丸:
年上の男がいいってだけならむしろふつうに多数派だろうけど、20代で「40代を飛び越して50、60代」だもんねぇ。こばなみはそういう気持ちわかる?

こばなみ:
私はその気持ちがわからないですけど、まわりにはけっこういますよ。友達が32歳なんですけど、彼氏55歳。不倫でもなく、バツイチですけど、もう8年くらい付き合ってて、同棲してますよ。
宇多丸さんは年上OKですか? ペタジーニのパターンとか?

宇多丸:
あれはさ、友達のお母さんじゃん! ただの「年上」じゃないでしょ!

で、僕の場合はまぁ、つまんない答えだけど、「人による」だよね。そりゃ。年が離れれてもステキだなと思う人はいるし、逆に近くても話すら合わない人はいるし。
でもさ、カイさん22歳でしょ? ちょっと前まで10代じゃん。そう考えると、ここまではいくらなんでも若すぎて、相手が引いてしまっていた可能性もある。

55歳のおっさんとかがさ、17歳の少女に好きですって告られて、普通いきなりオッケー!とはならないでしょ、どんだけ美少女でも…。
逆になったらなったで、そのおっさんはちょっと問題ある感じするし。

こばなみ:
私が観察しているかぎりは、50代のおっさんたちは30代の彼女持ちってのが多い。

宇多丸:
僕も奥さんとけっこう年は離れてるけど…。

こばなみ:
何歳差ですか?

宇多丸:
14歳差。
でもね、そう言うと皆さん「若っ!」とか騒ぐけど、ってことはいま30歳だよ? 25歳以上とかはさ、もうみんな完全に大人なんだから、誰だってふつうに恋愛対象になりうるでしょ。バッチこ〜い!ですよ、そんなもんは。

ちなみにカイさん、これまで彼氏がいたことないんだよね? つまり、「ものすごく年上の男性が好き」っていうのも、実際に若いやつらとも付き合って比較した結果というよりは、あくまでイメージ上の好みってことだよね?

こばなみ:
「彼氏いない歴=年齢(汗)」って書いてありますからね。

宇多丸:
なぜそうなったかの理由として、相談文では「出会いは皆無(あっても既婚者)」とあるけども、その年代で、ちゃんと男性として魅力があるような人は、そりゃすでに結婚してたり、パートナーがいたりする可能性は高いですよ。
でもカイさんは、まさにそういう、「立派な一人前の男」な感じが好きなんでしょ?

だったら、別に「付き合う=結婚」ってわけでもないんだから、既婚とかどうとか気にする前に、まず一度は、思いきって誰かと付き合ってみちゃえばいいじゃん。そうしないと、一生このままイメージの恋だけで終わっちゃうかもよ?
それともあれかな、「40代を飛び越して」ってことは、もはやそんな「成熟した」男とかのレベルじゃなくて、「老いた」男がいいって感じなのかな。

それってまさか…、無意識的なのかもしれないけど、「性的なものから逃げようとしてる」結果ではないでしょうね?
ひょっとして、50代や60代とかだったらきっとガツガツしてなくて、生々しい「男性性」と向き合わなくてすむ、とか思ってない?

とんでもない!
50代60代なんか、まだ全然、ギラギラしてますから!!!!!

ていうか、歳を取れば取るほど、生き物としての「生々しさ」って、むしろ増してくるもんでしょ。
とにかく性的に生々しくない、ただ守ってくれる男…、要は「お父さん」なんだろうけどさ、そういう抽象的な存在として、50代60代の男性をとらえてやしませんか?という疑惑はあるな。

こばなみ:
自分のまわりは、20代30代よりむしろ50代60代のほうがギラギラしてる気がする…。

宇多丸:
ちゃんとさ、おっさんたちの現実を見て、触れて、それ以上のことまでして、それを生理的に受け入れられるかどうかに向き合った上でじゃないと、ただの絵空事じゃん。

実際さ、肌だってよぼよぼしてくるし、シワもできてくるし、加齢臭もあるだろうし…。ぶっちゃけすべてが汚くなってくる。もちろんそういうもんだから仕方ないんだけどさ。
そこまで含めてちゃんと好きになれるのか?ってことだよ。

こばなみ:
お、今回もヒートアップしてきましたね。

宇多丸:
実際には、おっさんどころか誰とも付き合ったことがないんだから、いま僕が言ったようなとこまで含めて「ものすごく年上の男性が好き」なのかどうか、本当の意味では現状判断しようがないでしょ!と言いたいんだよね。

それに、今までカイさんが素敵!と思った人たちだってさ…、たとえば岡田真澄みたいのが高級スーツをビシーッと着こなして、とても若輩者にはマネのできないダンディフェロモンをまき散らしてたとしても、そんなのたまに外で会うからいいんでさ。
毎日一緒に生活してりゃ否応なく、とてもキレイごとじゃ済まされない、彼らのリアルなジジイ性とも向き合わなきゃならない。

こばなみ:
リアルにみてないから「彼氏いない歴=年齢(汗)」なのでは…。

宇多丸:
(汗)とか言ってる場合じゃないよ!

50代60代のおじさんがさ、家ではしょうもない靴下とか履いてよぼよぼしてる、そこがいい! 体臭もむしろそこが好き! 肌の枯れたのがまたいいの! そこまで確信できてる人だけが、「ものすごく年上の男性が好み」って言う権利があると思う。

個人の趣味は別になんだっていいんですよ。
でもカイさんはそもそも、本当に50代60代の男が好きなのか、まだ自分でもちゃんとはわかってないはずだと思うわけ。

だからまずさ、四の五の言う前に、

一回でいいから、そいつらと男と女の関係になってみ!

話はそれからだ!

こばなみ:
でも、どこで出会えるんですかね?

宇多丸:
そりゃ、時にはムーブメントを起こさないとさ。

こばなみ:
ジャングル!?

宇多丸:
時には起こせよムーブメント!

まぁこれは年齢差がある相手とかに限らずだけど、よっぽどほっといてもモテモテな人でない限り、何もしなかったらチャンスなんかないよね、ふつう。

なんでもいいよ、知り合いでもいいし、遊びにいった先でも、酒飲んだ勢いでもいい。思い切ってとか、うっかりでもいいから、単なる知人、友人のそれじゃない、明らかに性的なニュアンスを含む雰囲気…が生じうる、その可能性が高まる場所や機会に、積極的に飛び込んでいかないと。

こばなみ:
PRONTO(プロント)しかり?

宇多丸:
PRONTOは結構上級者向きじゃない? カイさんには、フリーなナンパをさばくスキルは、まだないんじゃないかと思う。

ただ、22歳というのは、特におっさんに対しては一応かなり強力な武器でもあると思うからね。そのアドバンテージがあるうちに、やっぱさっさと勝負かけちゃったほうがいいよ!
それに、若い男子といきなり付き合うよりは、おっさんのほうが一般的には経験も余裕もあるわけだから、初めての相手としてはむしろいいかもしれない。

お金もあるだろうしさ。
同世代だと、相手もだいたい同程度の未熟者ということもあり、なにかとギクシャクしがちですよね。ま、僕みたいなおっさんになっちゃうと、そういうのはそういうので愛おしい思い出だったりするんだけども…。
さて、素敵な年上の男性とどこで出会うか。

あ、スナックかな?

こばなみ:
スナック??

宇多丸:
スナックでさ、22歳の女の子がお客でいたら、それだけでふつうにモテるよね。
50代以上のおっさん、よりどりみどりですよ! で、いろんな人と話をしたり、カラオケ歌ったりするなかで、じっくり品定めできますよ。

こばなみ:
スナックってそんなにあります?

宇多丸:
どこに目つけて歩いてんだよ! 超いっぱいあるよ!

ライムスターマネージャーあらい:
キャバクラよりもスナックの方がカップルが成立する確率は高いですよ。

宇多丸:
お!

ライムスターマネージャーあらい:
キャバクラはそれこそ、きゃぴきゃぴ!って雰囲気だけども、スナックはアットホームなんですよ!!

宇多丸:
待って君、スナックで働いてる?

ライムスターマネージャーあらい:
働いてたんですよ。

宇多丸:
いずれはスナックやるか…。

ライムスターマネージャーあらい:
投資してください(笑)。

こばなみ:
料金は高くないんですか?

宇多丸:
高くないよ! ボトルとか入れるとまぁまぁかもしれないけども、バーだなんだより全然しないですよ。ママがおいしい手料理を出してくれたりするしさ。お得ですよ。

スナック入門に関しては、玉袋筋太郎さんのこの名著『浅草キッド玉ちゃんのスナック案内』を読んでください!

とにかくさ、その既婚の素敵な人に頼んでもいいから、一度スナックに連れていってもらえばいいじゃん。
「わたくし今度、ご一緒してもよろしいでしょうか…」って。
そしたら、類は友を呼ぶじゃないけど、同じように素敵な、カイさんの条件と合う方と新たに出会えるかもしれない。

で、既婚だからダメだとか言ってないで、これだと思ったおじさんに、いったん思いきって正面からアタックしてみ!
「奥様がいらっしゃるのわかってるけど、正直タイプで……」
「男性経験がないので、恥を忍んでいいますけど…、一回お相手してくれませんか?」
とか言えば、大抵のおっさんは、
「え、いいの~!?(驚喜)」
ってなるんじゃないの?

こばなみ:
そこでおじさんのリアルな臭いなどに絶えれるかどうか?

宇多丸:
そう。
で、そこもむしろ全然好みだった!ってことだったら、結果オーライだしね。
いずれにせよ、もし、性の生々しさから逃げているがゆえのおじさん好き発言なのだとしたら、何度も言うけど、

おじさんこそが、生々しいの最たるものですからね!


結論:
現実を見て、触れて「おっさん好き」って言ってますか?
まずはスナックに行って男と女の関係になってみよう。


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2014年2月1日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。


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