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【ライムスター宇多丸のお悩み相談室427】相手からアプローチされ、自分がその気になったら塩対応、というパターンが続いています。どうしたらいい?


✳️今週のお悩み✳️
私は39歳独身、彼氏も10年ほどおらず、付き合った人数も1人だけ、それも短期間です。恋愛下手なうえ、仕事などでは頑張って社交的に振る舞っていますが、1人で自由に過ごすことや気のおけない友人といることが好きなので、そもそも恋愛や結婚に対してのモチベーションが薄いです。でも、恋も結婚もしたい気持ちがないわけではないんです(こんな自分に人の妻、嫁が務まるか?とは思ってしまいますが)。 何が悩みなのかというと……、「男性からアプローチ(?)を受ける→最初は意識していなかったのに話すうちにいいなと思う→私が意識するようになる→相手のテンションが明らかに下がる→あれ? 付き合うかと思ったのにフェードアウト」という流れが、ここ数年で何度かありました。
「そもそもアプローチじゃなくてお前の勘違いじゃないのか?」と言われてしまったらどうしようもないのですが……、例えば、ご飯に誘われるとか、ふたりきりのときに「いつも綺麗にしてるね」と言ってもらえるとか、ほかの人に「付き合ってるの?」「いい感じに見える」と冷やかされるとか、私だけほかの女性より多く話しかけられるとか、そういう感じのことが多かったです。私は見た目にも強いコンプレックスがあり、高校生くらいまではバカにされることも多かったのですが、美容などを頑張った結果、少しはマシになったようで、たまには褒めてもらえるようになりました。そんな自信のない自分なので、最初から完全な自分の片思いで、追いかけてもまったく相手にしてもらえない……というのならある意味で納得できるのですが、 ここ数年(30代)で恋愛を意識した男性は、正直、最初は男性として意識してなかったのに相手のアプローチがあってこちらも気になってきたら、なぜか相手が塩対応になりそのまま終了……というパターンが続いて、もうどうしていいかわからなくなりました。意識しすぎてそっけなくしたりとかもしてないですし、逆にしつこくしたりもしないよう心がけています。
同性の友達だったら、一度仲良くなったらその関係性が何年も続いてるのに、どうして男性だけこうなってしまうんだろう……と悲しいですし、自分では気づいてない部分で、男性をガッカリさせてるんだろうなーと思うと正直向き合うのがつらいです。でもそこがわからないと一生このまま、そもそもアラフォーなのに何やってんだろ、と自己嫌悪のループにハマっています。
(もこも・39歳・教育関係・栃木県)



最初はいいのにあれ?っての、ありますよね。私の場合は、前にこの連載でも話しましたが、照れもありオモロ系動作に走ってしまい気づいたら友達……、そして疎遠……。でもこれは、なんとなく思い当たるところがあるのですが、もこもさんは本当に原因がわからないんですもんね。もしかして、恋愛のモチベーションがもともと薄いというのがあって、相手からすると気がないよう感じられてしまってるのかな……。

ちなみに宇多丸さんが、途中でなんか嫌になっちゃうって、どういうときですか?


あんまそういうふうになったことないからよくわかんないけど……、自宅に行ってみたら、使い込まれた拷問器具がズラリ並べられていた、とか?(笑) 

もちろんそれは冗談にしても、こっちが知らなかったような相手の極端な面が急に見えてきたりしたら、そりゃ今のうちに引き返そ!となってもおかしくないかもだけど……。

もこもさんのこれまでのお付き合い未満に、そこまでの劇的な局面があったとも考えづらいもんね。

ただ、さっきこばなみが推測していたように、お相手側が「あんまり自分に興味なさそうだな」って勝手に判断してしまってる可能性は、たしかにゼロじゃないかもね。

たとえば、実はもこもさんが思っているよりさらにはっきりホットなテンションを向こうは期待していたんだけど、それにくらべると淡白な雰囲気が続いたから、「あーこりゃ脈ないな」と思われちゃったとか、なんかそういうすれ違いがあったのでは?と考えることは、一応できなくもない。

LINEとかのやりとりにしても、どのくらいが適切な頻度かつ温度なのかって、たぶん皆さん思ってるより、個人差はかなりあるはずなんですよ。
いまどきはまともな男性ほど、恋愛に対しては慎重すぎるほど慎重に振る舞うもんだろうとも思いますしね。

でもさ、そんなこんなも、現状ではただの、根拠薄めな推測でしかないことに変わりはないわけで。
もこもさん自身にまったく思いあたることがない以上、僕らがこの文面から考えられることにも、限界がありますからね。

自分のなかでウジウジし続けてしまうだけの、一人相撲サイクルから抜け出すには……、やっぱ、例の「忌憚なきご意見」作戦とかですかねぇ?

でもあれ、こばなみはうまく行かなかったんだっけ。


私が以前、振られた相手にどこがダメだったのか「忌憚なきご意見」を聞こうとしたときですね。

ありゃドタキャンですね。


塩に始まり、塩に終わる!


かけるコストもないって話になりました。うぐぐ。

忌憚なきご意見、ハードル高いんですよ。


そうだよね……。
忌憚なく意見を言ってもらえるって、そこに友情的なものがあればこそ、だもんな。

そもそも激ウスな関係性しかない段階じゃ、ちょっと難しい話なのか。


ちなみにもこもさん、まわりの友達とかには相談してないんですかね。
友達もけっこう忌憚なきご意見、言ってくれるじゃないですか。まぁ、それがすべてではないんだろうけど。

ただ、何回もこういうことあったら、やっぱり落ち込みますよね。


たとえばですけど、今後もしまたそういう相手が現れたら、それこそこの相談文にあるような実情を、比較的早い段階で思いきって開示してしまう、というのはダメですかね?

もちろん、「この段階でこんなこと言いだすのはちょっとマナー違反だろうし、引いちゃうかもしれないけど」と念入りに前置きした上で……、「過去にこれこれこういうことがあって、傷ついてきたし臆病にもなってしまっているので、そちらにもご迷惑をおかけしないよう、お気持ちを早めに確かめておきたいんですスミマセン!」と、包み隠さず伝えてしまう、という。

それでもし脈アリなら、「それは前の男たちが悪い!」とかなんとか、逆に距離がグッと縮まりもしてオールオッケーってことだろうし、万が一そこまでの感じじゃなかったとしても、そこまでこちらから胸襟を開けば、普通に優しい人なら、少なくともその場は真剣に話してくれたりもするんじゃない? 


そうなったら、それこそ忌憚なきご意見も聞けそうですね。


そうそうそう。

当然、露骨に引かれちゃう、とかのリスクもありますけども……、そうなる人は、いずれにせよ脈も薄めだった、ってことでしょうから、とにかく一般論として、他人に心を開いて欲しいなら、まず自分から開いてみせる以外の方法はない、と僕は考えてますけど。

無論こっちが腹割ったからって向こうがそうしてくれる保証もないんだけど、逆にこちらから働きかけない限り、あっちが何か都合のいいアクションを起こしてくれる確率は、限りなくゼロなままなんで。

一方で、少し気になるのは、もこもさん側も、とはいえそこまで「好き~!」って感じになってるわけでもないのなら、そこまで頑張る必要があるのかどうか……。


ただ、何も動かないと、どうにもならないというか。今ちょっと中途半端な状態じゃないですか。


宙ぶらりんのまま、自分の心の壁だけ分厚くなっていく、という悪循環はたしかに避けたほうがいいのかもだけど。


だったら何か忌憚なきご意見作戦でも胸襟開く作戦でも、少し大胆に振れてみないと、現状からは進まないんじゃないですかね。


要はさ、もこもさんのそういう「とはいえそこまでのテンションでもない」感じ含めて初期段階ですべてを率直に伝えちゃったほうが、誤解やすれ違いも避けられて結局は話が早いんじゃない?ってことだよね。

「同性の友達とは関係が続くのに」っていうのも、つまるところ互いに胸を開いてるかどうかの差、ってことなんじゃないかと。

あとはひょっとしたらそれ以上に、もこもさん自身がそこまでして仲良くしたいと思ってる相手かどうか、の違いもあるのかもしれないですけど……。


なんにせよ、あんまり自己嫌悪のループにハマって欲しくないですよね。


「恋愛下手」って自己定義も良くないし……。

逆に、「恋愛が上手」ってどういうこと? それってホントにいいことなの?
誰とでも「器用に」コミュニケーションがとれるということと、それが本当に意義深い、「いい」コミュニケーションなのかどうかは、また別問題だろうとも思いますけどね。
表面的なテクと、質は違う話っていうか。

自らコミュニケーション巧者を気取ってるような人に限って、ただし実際のとこ誰にも好かれてはいないよね、みたいなこともよくある話だし……。
まして恋愛なんて、小手先のテクニックでどうこうしようなんて考えたら一番ダメな件でしょ!と僕は思いますけどね。

だから、ご自分を「恋愛下手」なんて決めつけるのも、百害あって一利なしなので、やめましょう。


あと、「アラフォーなのに」とかも関係ないと思いますよー。

言うまでもなくです!

だいたい、「1人で自由に過ごすことや気のおけない友人といることが好き」っていうのだって、本来それでなんの問題もない話なわけじゃないですか。

ぶっちゃけ、今のままでじゅうぶん楽しいのなら、リスク負ってまで慌てて相手を探す必要あんのかな?って気も、やっぱりちょっとしてしまうくらい。

どうしても身を固めたいとか家族をつくりたいとかってモチベーションが強くあるなら別だけど、正直そこまででもないのなら、恋愛に対しては、「ま、ご縁があれば、なるようになるでしょうから」くらいの、鷹揚なスタンスでいてもいいんじゃないですかね。

デザートが付くならいただきますし食べたら食べたでそりゃそれなりに美味しいだろうとは思うけど、なんならもうお腹いっぱいだし、なかったらないで別にがっかりもしないです、みたいな……。


みんながみんな、デザートが好きなわけじゃないですもんね。


同時に、そんなもこもさんだって今後いつかはひょっとしたら、他が全部どうでもよくなるような恋にいきなり落ちてしまう、というようなことだって、もちろんまるっきりありえない話じゃないわけで……。

いざそうなったら、止めようと思ったって止められなかったりするもんなんだからさ(笑)。

だからこれまでは、とはいえこっちもそこまで好きにはなれないような人しかいなかっただけ、ってことでもある。

もこもさんは現状でもじゅうぶん充実した人生を送っているんだから、仮に今後また万一「あれ?」的なすれ違いがあったとしても、何か落ち度があったのではなく、単にご縁がなかっただけ、別にこちらもそこまで執着あるわけじゃないし、くらいに考えてみてくださいませ。それはマジで真実でもあるんだから。

で、本気でこれだ!って人が現れた時には、勇気を出して自己開示、早めに手持ちのカード全部見せ作戦!

これでどうですかね?


えいえいおー! 

なんだか私、勝手に親近感がわいてしまっており、盛り上がっております。なものでして、まずは脱・自己嫌悪、からの、もこもさんの心地よい好循環になるよう、次なる機会での第一歩を応援しています!!



【今週のお絵描き】

画・宇多丸



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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。

※3/4(土)大阪BIGCATなど、ワンマンライブ・シリーズ『ライムスターイズインザハウス』、2023年(新)シーズンの詳細はこちら

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女子部JAPAN こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。2015年からは「女子部JAPAN」として、Webでのコンテンツ発信とイベントを企画・実施。2022年からは「F30プロジェクト」と題して、リーダーとして働く女性の生声を取材し、noteで発信。女性活躍推進など、"女性"という枕詞がなくなる世の中を目指している。



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