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音信不通、既読スルーからの未読スルー!? ここ最近で3人に振られ、メンタルがもちません。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室170】


✳️今週のお悩み✳️
初めまして。ご相談です。今年30歳になるのですが、生まれてこのかたお付き合いをしたことがないです。大学を中退し、5年以上腐った生活をしてて、ようやく就職。若いときを挽回したい、恋したいと思うようになり、片想いをしたり合コンに行ったり、社会人サークルに参加したりする日々でした。そしてようやく去年、お付き合いする方に恵まれたのですがなんと、3カ月でお別れ。というか、手も出されてないので、お付き合いしたという感じはありません。でも、大好きだったのでしばらくどん底の気分で生活し、たまたま呼ばれた合コンでまた仲良くなれた方がいたのですが、手も繋ぎ、1日デートもする仲になったころ、突然の音信不通! 既読スルーからの未読スルーのトリプルコンボをかまされました。これまた生きる屍のような生活を送る毎日になり、またまた合コンでちょっと仲良くなった方がいたのですが、5回もデートして音信不通!! 既読スルー! あからさまにLINEも遅くなり短くなり……。これは4日前のお話です(笑)。もう、なんだかしんどいのを通り越して笑えてきます。このように毎回私は見限られてしまいます。たしかに恋愛初心者なので至らないところはあると自覚して、改善しているつもりなのですが、こう毎回同じような消え方をされると、自己否定が酷くなりメンタルがもちません。あ、至らない点は、緊張すると会話がなくなってしまうところ、隙がないところ、イケるかも?と思わすことができない鉄壁があるところ、などです。どうしたら、愛し愛されて世の中にいる、いわゆる普通のカップルになれるのでしょうか?
(ももんた・29歳・東京都)


宇多丸:
いつも、けっこういいところまでは行った気がしてるのに、毎回途中で、こっちからからするとホントに突然、バッサリ切られちゃうっていう。
そんなのが連続すればさすがにこたえるよね。

こばなみ:
こういう理由がわからない音信不通での別れってけっこうあるんですよね。

この前、友達が1カ月くらい付き合っていた彼がいたんだけど、金曜に会って、じゃ、また日曜ねって普通に別れたら、それっきり連絡なし。日曜は連絡とれず、やっと月曜になって「いろいろごめん」みたいなLINEがきて、そのあとブロック、以上終了!みたいになったって……。

結婚相談所のパーティで会って、結婚しようねって話になってたのに!

不可解じゃないですか?

宇多丸:
あ~、でもそのケースは、出会いが結婚相談所パーティってとこがミソというか、落とし穴じゃないかな~。

つまり、ぶっちゃけ、ほかのどなたかと天秤をかけてたんじゃないですか? 
で、本命的なほうと本格的に話が進みはじめたから、慌ててほかの関係を切った、さっさと証拠隠滅!みたいなことじゃないかね、おおかた。
もちろん、もっとなにか本当にのっぴきならない理由があったというような可能性もゼロではないだろうけど……、ま、それにしたって、わけもきちんと伝えず一方的にブロック!がド失礼なことには変わりないからな。

要はさ、職場や学校で知り合ったとか、知人友人に紹介されたとか、お互いの生活圏や人間関係がある程度重なってる相手だと、自分の人格を疑われちゃうような酷い振りかたは、さすが避けようとするもんじゃん? ま、普通は。
そこへ行くと結婚相談所って、「よりベターな結婚相手を見つける」という大目的の優先順位が、とはいえ圧倒的すぎるからさぁ。
いざというときは、通常のお付き合いマナーとか相手への気遣いとか全部バッサリ切り捨てて、他人にどう思われようと知ったこっちゃないから、お目当てに向かってまっしぐら!っていうような人がいても、まぁおかしくないかなと思うんですよね。

こばなみのお友達が付き合ってたっていうその男もさぁ、音信不通になったの、彼女だけじゃないかもしれないよ?

こばなみ:
傷ついてたし、そうかともチラッと思ったけど、そう思いたくないですよね……。

宇多丸:
でも、やっぱり一番可能性が高いのは間違いなくそれだよね、残念ながら(笑)。

こばなみ:
でね、もう1つ、その後その友達が付き合った人も結婚パーティで出会ったんですけど、付き合って1カ月とかして、突然、すごく重い病気が見つかったから、別れようって。で、音信不通……。

宇多丸:
いやたしかに、世のなか本当にそういうこともあるかもしれなから、一概に疑っちゃ悪いかなとも思うけど……、でも、ねぇ。
まぁ、なんにせよその人は、曲がりなりにも別れの理由を直接伝えてくれたぶん、まだマシなんじゃない?

こばなみ:
そういうことが続いてて落ち込んでたし、くさくさしながら笑ってた。
ももんたさんの相談を読んで、思い出しちゃって。

宇多丸:
たださ~、ももんたさんの場合、「まだ3人目だろ」とも言えるわけじゃん。

恋愛もさ、車の運転免許と同じで、歳をとればとるほど、技術の習得が難しくなる、遅くなるっていう面は、確実にあると思うんですよ。
つまり、仮にももんたさんが若い頃から恋愛経験を重ねてきた場合に痛い目に遭う頻度や回数より、すっかり大人になってからもろもろにトライしてる現状のほうが、そんなこんながさらに多くなって当然、とも言えるわけで。食らうダメージだって、やっぱ倍増するだろうし。

そりゃそのプロセスは、大変と言えば大変、キツいと言えばキツいんだけど……、でも、恋愛って結局、「合う」人と出会うまで、リスクは承知でトライ&エラーするしかなくねぇ?とも思うしさ。

だからとにかく、初心者のくせに、3人目くらいでなに言ってんの!というのもちょっとある。

ただ、フェイドアウトのされかたが毎回似てるのであれば、もちろんそこから学習はするべきだろうけども。
でも、文面にある情報だけだと、何が原因でそういうことになってるのか、まだよく特定しきれないところもあるしな……。

ほら、前にこばなみにさ、振られた相手とまだ友好関係にあるのであれば、率直に教えを請えば?って言った回があったじゃない?
あれってその後、どうなったんだっけ?

こばなみ:
振った本人に忌憚なきご意見を聞いてみるってやつですね。

えっと……、その日に忌憚なきご意見を聞きたいとは言ってないけど、ご飯を食べる約束をしていたんですよ。そうしたら、当日夕方頃に仕事で行けないってドタキャンされ、そのまま早7カ月が経過しましたね。とほほ。

本当に気がないのだと思います。

宇多丸:
そこまで絶対に嫌!とかではないだろうけど……、そこに時間的コストを割くのが、ぶっちゃけ軽くめんどくさい、って感じなんだろうね……。

こばなみ:
あはははは、ご飯をたべる時間も無駄ってことでしょう(笑)。いや、時間もお金も割きたくないっていう!

笑っちゃうけど、あからさま過ぎてちょっと頭に来んな~。このやろーっ!

宇多丸:
もっとはっきり要件を伝えといたほうが良かったのかもしれないけどね。特に「よりを戻したいわけじゃないです」ってあたりは、向こうのガードを下げる意味でも、言っとくべきだったかもしれない。

まぁダメなもんはダメなんだから、それはとっとと次に行くしかないとしてさ……。

こばなみ:
ちなみに宇多丸さん、こっちから音信不通にしたことあります?

宇多丸:
いきなりシャットアウト!はさすがにないけど、自分からは積極的に連絡しないでいたら、次第に向こうからも音沙汰がなくなってゆき……みたいなのはたまにあったかもね。大昔ね!(笑)

こばなみ:
その消極的反応はよくわかるんですよ。だけどこのばっさり系の振り方、どういう心境なのかがわからない……。

宇多丸:
でもさ、僕らの時代のコミュニケーション感覚と、ちょっと違うところもあるんじゃない?

既読スルーからの未読スルーって、まぁLINEなわけだよね。
LINEって、数あるSNSのなかでも、対象との距離がものすごーく近く感じられるツールなだけに、ホントは、やる相手をめちゃくちゃ選ぶべきアレなんじゃないかとは前から思ってて。
よっぽど親しい友人とか、ラブラブ期間の恋人とかとやるなら、便利で楽しいってだけでいいだろうけど……、今や皆さん、仕事相手とか、わりと知り合ってすぐの人ともやっちゃってるでしょ。あれ、トラブル起きやすいんじゃないかなぁと思うんだよね、ハタから見てて。

そもそも片側はそこまで頻繁に連絡取り合いたいようなテンションじゃないのに、もう一方は「既読になってるのに返信がこない!」って超イライラしてるとかさ。すげーありがちだったりするんじゃない?
普通のメールだったら、多少返事が遅くても、まぁ今は忙しいのかな、とか思えたような範囲でも、LINEは、手紙というより「直接話しかけている」感覚に近いぶん、露骨に無視された感じがしちゃって、許せなくなっちゃう。

でも、今どきはついに、仕事連絡もLINEでやる時代なんだもんね……。

こばなみ:
一番早く反応できるからって、連絡ツールにしてる人たちもいますね。

宇多丸:
そういうのが最初からデフォルトになってる若い世代なら、もろもろの対処法もわかってるんだろうから、まだいいんだけどさ。

こばなみ:
私も一応LINEはやってますけど主では使ってないので、亀レス野郎なんですね。だから、既読スルー云々って思われてるかもしれないけど、返信をすぐしない感じはわかる。悪意はないんですけど、そこまでポンポン返せないんですよ。

宇多丸:
だから、今回の相談とかもさ、ひょっとすると、メールまでだったら普通のフェイドアウトで済んでた程度の連絡減少が、LINEだと「突然の音信不通!」みたく見えちゃう、みたいなところはあったりしないかな?

たとえば、メールで言えば、3日後に返信とか、いやそりゃ、遅いは遅いし褒められたもんじゃないのはたしかだけど(笑)、ぶっちゃけ相手や要件によっちゃ、全然普通にある範囲じゃん? それを、「音信不通」とは言わないよね。

まぁ、いずれにしたって、どうやらまたまた振られたっぽい、ということに変わりはないわけだけど……。

前にさ、「また会いたいですね」ってLINE送ったら、スタンプしか返ってこないっていう話あったじゃないですか。いま思えば、あの相手はまだ優しかったね。スタンプ返してくれてるんだから!
 まして、そこで「なんでスタンプだけなんですか!」ってキレだしたりするとか、ホント不毛だし、失礼だから絶対にやめましょうってことですね……。

あとさ、ご自分の至らない部分として「緊張すると会話がなくなってしまうところ」「隙がない」っていうのを挙げてらっしゃいますけども、それだって、ひとりで勝手にそう思い込んでるだけかもしれないわけでさ。
そこはやっぱり「忌憚なきご意見」作戦が一番いいはずなんだけど……。

こばなみ:
親しい男友達とか、ズケズケ言ってくれる同性の友達に聞いてみるのはどうですか?

宇多丸:
いざ聞いてみたら、ももんたさんが思ってたような理由じゃ全然なくて、「じゃあ言わせてもらうけど、まずその、いつもベルトからぶら下げてるサバイバルナイフなんだけどさ……」みたいなことだったりして(笑)

いや、冗談はさておき、たとえば、もうちょっとファッションやメイクをブラッシュアップしてみよっか!とか、第三者の視点がないとなかなか改善できない問題って、けっこうあると思うしさ。

僕が聞いた話でも、ルックスも性格もほぼほぼ完璧!くらいに思ってた男性とお付き合いし始めたんだけど、初めて休日に会ってみたら、私服のあまりのダサさにドン引きしてしまい、一気に冷めちゃったってケース、聞いたことがありますよ。
当然これ、女性でも全然ありうる話ですからね。

なので、まずは同性の気のおけない友達にでも、「忌憚なき」作戦、勇気を出してお願いしてみたらどうでしょう。

それともうひとつ。
「緊張すると会話がなくなってしまう」っていうのを、ご自分の落ち度としてらっしゃいますけど、それって本来は、相手にも責任があることなわけじゃん? 
「異性と二人きりになると、ビビっちゃって、なにを話したらいいのかわからなくなってしまい……」って、別に超普通のことだし、ひょっとしたら向こうだって同じことで悩んでてもおかしくないわけで、ももんたさんだけが悪いわけじゃないでしょ。

あえて言えば、会話が途切れがちになってしまうこと自体がダメなんじゃなくて、そうやってギクシャクしてしまった空気を、なんとかしてほぐそうという努力や歩み寄りを、お互いいまいちできていない、もしくはする気がない、ということこそが問題なんであって。

で、やっぱりこの場合も、「素直に」「優しく」に勝る解決策はないですよ!
それこそ「緊張してうまくしゃべれなくてごめんなさい……」みたく、ももんたさん側が「素直に」気持ちを吐露すれば、相手だって、「そんなことないです! 一緒にいるだけで十分楽しいですよ!」「僕こそ面白いことなんも言えなくてすんません!」とかなんとか、慌てて「優しく」返してくれて、きっと雰囲気もちょっとは和むはず……、少なくとも、ちゃんとしたお付き合いに本当に値するような人だったら。

逆に、こっちがそこまで下手に出てるのに、それに対して、まーだスマホいじりっぱなしだったりとか、誠意の感じられない反応しか返してくれないようなら、脈がない上にロクなやつでもないってことなんだから、時間の無駄だしこっちもさっさと見切りつけて、早めに帰ろ帰ろ!

とにかく、こっちが恋愛に慣れてないのはしょうがないんだから、お相手にちゃんとそう伝えて、最初はリードしてもらうのが当然、くらいに思っときゃいいですよ。
今のももんたさんは、運転免許で言えば、若葉マークどころか、まだ仮免くらいのもんなんだからさ(笑)。いきなり万事、自分だけでうまく運んでやろうってほうが図々しい。
そこで、過剰な自己卑下に逃げ込んだりするのは、いつも言ってるけど百害あって一利なしですよ! 3人目とかでそんなに都合よく、「合う」人に出会えるほうがおかしいわけだし、確率的に。

ちなみにその「合う」「合わない」って基準も、若い頃とはどんどん変わっていくもんですから。
たとえば僕だったら、10代20代の頃はやっぱ、映画とか音楽の趣味がいいとか合うとかってかなりプライオリティが高い条件だったんですけど、今はむしろ、そういうとこが中途半端に重なってたりしないほうがうまく行ったりすることもあるよな、と思ってます。てか、そんなことはどうでもいいよ! 
要は、すべてが自分の思い通りになる相手なんて存在しないし、そんな浅はかな「理想」を生身の人間に求めること自体が間違ってるわけで……、そういう基本的なことに気づいて、言いかたは悪いけど自分なりの「手の打ちどころ」がだんだんわかってきたりすること含めて、全部経験から学ぶしかないことですからね。

こばなみ:
というわけで、ももんたさんも私も恋愛偏差値低い組だと思うので、じゃんじゃかトライ&エラーしていきましょう! あと、なかなか待ってても発展しない系だとも思うので、そんなときは、ちょっと酔って相手の袖、引っ張ってみてください。




【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2016年11月26日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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