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前例にこだわる上司のせいで新しいことができない! こんなとき、どうする?

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
女性リーダーたちが実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

今回は、IT企業のプロデュース部でプロジェクトリーダーとして働く、カズエさんのケース。若い世代の提案を「前例がない」と一蹴してしまう上司に、カズエさんがとった思い切った行動とは? また「部下は同僚」と言うカズエさんが実践する、リーダーの在り方を聞きました。

ニックネーム:カズエさん(40代)
◆職種:IT企業のプロデュース部
◆部下の人数:8人
マスコミ関係の仕事などを経て現職へ。正義感が強く、不正が行われると許せないし、理不尽なことをする人には納得できないタイプ。周りの人も自分も働きやすい環境に整えることが、仕事をする上でのポリシー。


「前例がない」という上司のフィルターで、若い世代の提案が却下……。プロジェクトリーダーとしてどうする?


IT企業のプロデュース部で働いています。あるとき、当時所属していた部署の部長が新たに部署を作り、私もそこに入って開発寄りの業務をすることになったんです。新部署には前部署時代からの古参メンバーと、他部署の若手メンバーが集められました。

私や若手メンバーは、これはチャンスだと思い、新しい体制を立ち上げるための企画を考えたんです。斬新ではありましたが、若手も先輩にもメリットがある、わりとよくできた企画だったと思います。

しかし、部長に提案したところ、企画の一部分を指して「前例がない。」という理由で却下されました。他企画についても、前例がないからと認められないことがよくあります。

納得できない理由だったので、モヤモヤした気持ちが募りましたが、いつかまた別のところでやってやろうと、チャンスを伺っていました。


私は部長のためではなく、会社のために働いている! セクション長に企画を提案


あるとき会社で新たな体制変更があり、セクションが増えて、企画を却下した部長の上に役職(セクション長)が就いたのです。いい機会だと思って、セクション長に同じ企画を提案したところ、案を採用してくれることに。

下手すると部長との関係性が悪化する可能性もあるので、今回のようにセクション長に直談判、というのはあまり歓迎されることではないと思います。でも私は部長のためではなく、会社のために仕事をしているという自負があるので、「部長に話が通じないなら、部長の上司に話を聞いてもらおう」というスタンスなんです。結局、セクション長がうまくまとめてくれたおかげで、部長のメンツも潰さずにすみましたけど(笑)。

チームメンバーの自律を促す、「スクラムマスター」の経験を活かす


私は以前いた部署で、「スクラムマスターをやらないか」と声をかけられ、慣れないながらも1年以上をかけて必死に資格を取りました。スクラムマスターとは、プロジェクトを牧場にたとえると、牧羊犬のような役割です。牧場のオーナーがプロデューサー、羊が開発メンバー、羊たちが柵から出ないよう、オーナーが描くゴールに導くのが牧羊犬であるスクラムマスターの役割。

実際に開発業務には関わらない業種ですが、開発メンバーたちの個性を生かして円滑に仕事をさせる、どちらかというとサポーターに近い役割です。みんなを引っ張るリーダーではなく、メンバーを後ろから押してあげる、サーバントリーダーに近い感じですね。

リーダーがトップダウンで引っ張るだけだと、言われた通りにしか動けないし、リーダーがいなくなると何をしていいかわからなくなる。そうではなくて、スクラムマスターがメンバーの自律を促しながら、最終的にはリーダーがいなくても個人で動けるように、メンバーの育成をします。メンバーのモチベーションを上げるのも大切な役目です。

そういう経緯もあり、現在の業務でもこのスクラムマスター的な立ち振る舞いを行っているので、肩書きは“リーダー”なのですが、自分では特にそう思っていません。チーム内には部下が8名いますが、部下というより“同僚”という感覚でいます。

昔はひとりのカリスマがいて、他のメンバーが一生懸命についていくスタイルが主流だったかと思います。でもそれは、時間をかけてもいいものを作り上げるという、お金も時間もあった時代だからできたやり方。今は、時間もコストも抑えないといけないから、みんなで一緒に走るしかない。みんなで一緒に成長しながら進んでいこうとなると、ひとりひとりが考えるようになって、自律する。結果的にチーム全体がパワーアップすると思います。




イラストレーション:高橋由季




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