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部下同士が対立し、双方から文句を聞いて板挟み。こんなとき、どうする? 《板挟み状態編-2》

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
女性リーダーたちが実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

今回は、現在コンサル系企業に勤めるミカさんが、前職のアパレル系企業で働いているときに経験したという、部下同士の対立にまつわる課題について。状況を冷静に判断して採った方法で、涙の大団円を迎えたという体験談を紹介します。

ニックネーム:ミカさん(30代)
企画系企業から転職し、10年ほど勤めたアパレル系企業では最終的にはエリアマネージャーに。「ここでできることは、出し尽くした」と感じ、2021年からはコンサル系企業に転職し、現在は 少数精鋭のチームメンバーとともに新規事業であるエージェントサービスの展開に奮闘する日々を過ごしている。



個性の強いチームで、気の強い部下同士が対立


現職の前は、10年ほどアパレル系企業で働いていて、最終的には複数の店舗を統括するエリアマネージャーまで昇格しました。
その前は、店舗の店長として働いていたのですが、そのときに個性の強いチームを任されたことも。女性同士の容赦ないぶつかり合いなど、部下同士の仲裁で苦労しました

特に印象的だったのは、当時の副店長と、その部下との対立。
部下の方は、立場的には下だけど、仕事もできて気も強かったんです。でも、面と向かって言い合うのではなく、不満やグチをそれぞれが私にぶつけてくる感じで。
私が話を聞くことで、不満を発散してもらうような日々が続いていました。

それまでも、部下の対立の対処をしてきた経験はありました。
軽いすれ違いなら、「○○さんが、あなたのことをほめてたよ〜」といった、ポジティブな要素を裏側で伝えることで改善に向かうこともあったのですが、今回はかなりこじれた様子で、私もどうしたものかと悩んでいました。

修羅場覚悟で、ガチンコで言い合う場をセッティング


結局、見るに見かねて、私から「言いたいことは、ちゃんと伝えようよ」と促し、当事者と私との3人で、直接話をする場を設けました

私から、それぞれに改善してほしい点を伝え、対立を緩和する方法もあったかもしれません。
でも、建前上はそれで上手くいったように見えても、結局、相手が裏で文句を言っていることは、なんとなく伝わってしまうもの。「裏で文句を言われているかも?」と疑心暗鬼になることで、2人がさらにギスギスしてしまうと思ったので、直接話してほしいと考えたんです。

私もこういう場に立ち会った経験はなく、「修羅場になりそうだな……」と、正直怖かったです。修復不可能な関係性になってしまうかもしれないという考えも頭をよぎりました。
でも、根本解決することを優先して考え、覚悟を決めたという感じです。

2人にそのことを伝えたら、当然ながら最初は嫌がっていました(笑)。
でも、1on1で双方に「相手の文句を私に言われても、オブラートに包んでうまく解決してあげることはできないから、3人で話そう」と伝えました。

さらに、1 on 1で話していると「わたしも○○○なところが足りていないとは思う。だから、相手の○○○なところは感謝している」といった歩み寄りの発言が双方から出てきたんです
そこで、「そういうところを伝えてみたら、関係性が変わるんじゃない?」とか「あなたのここが嫌いということではなく、あなたとこういう関係を築きたい、という話をしてみたら?」など助言し、最終的には3人で話すことに納得してもらえました。

結果、2人は言葉をオブラートに包みながら、「私もこういうところを直すから、こういうふうにやっていきたいです」といった、前向きな話し合いに。
最後には涙を流しながらお互いに納得した様子で、気づいたら3時間が経っていました


面と向かうと、意外と嫌なことは言えないものです

部下同士が正面から話し合うことで、建設的な解決に向かうという経験できたことは、自分の人生にとってもいい経験になりました。


イラストレーション:高橋由季




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