「モテすぎて困っています。メールが死ぬほど来たり、肩をいきなり掴まれたり、怖くて大学に行けません」の、その後【ライムスター宇多丸のお悩み相談室_事後報告8】
【事後報告(No.166)】
宇多丸:
ご連絡ありがとうございます!
この報告とかまさにそうだけど、僕らがいろいろ提案とか意見を言ったなかでも、どの部分が実際に相談者のお役に立てたのかというのが追って検証できるという意味でも、ホントにありがたいです。
佐藤さんの場合で言うと、どう振る舞うか云々の前に、もっと根本のところで、「別に自分のせいじゃない」と思えるかどうかがまず大きかった、ってことですよね。改めて、なるほどなぁって思いますよ。
特にこの件は、「モテすぎて辛い」なんて問題が存在するということ自体が、世の中的には、認知すらされてないわけじゃない?
こばなみ:
そんなお悩みがあるなんて、1mmも考えたことなかったですよ、モテなくて困ってる身としては(笑)。
なので、本当に驚きでした。
宇多丸:
でも、当人にとっては、どうしようもなく切実な悩みであることに変わりはないわけで。
そういう、ともすれば理解しがたい「他者」の痛みに、我々第三者がちょっとでも思いを巡らす機会になるというだけでも、こういう場の意義って、すごくありますよね。
ちなみに、佐藤さんへの回答にもうひとつだけ付け加えておくならば、今のところは持て余すいっぽうらしいその「フォース」が、佐藤さんにとっても明らかに、ババ引かされたどころじゃない、間違いなく祝福の力だと実感できるであろう局面というのが、実は最低ひとつは考えられて……。
要は佐藤さんに、「好きな人」ができさえすればいいんですよ!
そうなったときは、意中の相手からも好かれ返す可能性が、少なくともそのへんの人たちよりは圧倒的に高いってことになるんだからさ。やったじゃーん!
ま、逆に言えば、そうじゃない、好意などまったく抱けそうもない連中にいくら表面上「モテ」たって、佐藤さんの言う通り、楽しくないし面倒なだけ、ってのもやっぱたしかってことだろうけど……。
いずれにせよ、それこそこばなみの理系からの劇的なコンバート然り、人生なんてどう転がってくか、まだまだ全然わかんないですから。 なんとか、腐らず踏ん張ってくださいね!
こばなみ:
しかし2016年も、本当にいろんなお悩みがありましたね。
宇多丸:
僕もこの連載をやってて、「こんな悩みがあったのか!」って、毎回とても勉強になっていますよ。語弊はあるけど、面白いし。
女子部JAPANのみなさんも、知らない人の悩みを聞くことで、他者への想像力の引き出しが、ちょっとずつ広がる感じがしませんかね? そうすると、前よりちょっぴり、人にも優しくできる気がするんですよ。
こばなみ:
はい!
みなさんのお悩み、そして事後報告、引き続きお待ちしておりますね。
それでは、もう間もなく2016年が終わりますが、最後に宇多丸さんひと言、お願いします!
宇多丸:
まぁ、こうやって毎回わかったようなこと言ってる僕ですけど、じゃあてめぇの実人生がそんなにうまく舵取りできてるのかというと、まるっきりそんなことないですからね。
でも、この連載を通じて、みんな悩んで傷ついて、それでもなんとか前を向いて生きようとしてるんだってことがよくわかって、逆に毎週、励まされてますよ。
ということで、来年もどうかよろしくお願いいたします!
こばなみ:
今年もお世話になりました。
2017年もみなさんのお悩みに自分たちなりですが真摯に向き合っていければと思います。
よいお年をお過ごしくださいませ!
歯、磨けよ~!