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上司の話を、右から左。 “聞いてるフリ” をするマイペースな部下にモヤモヤ…。こんなとき、どうする?

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
リーダーとして働く女性が実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

今回は、証券会社の副部長を担うもっちゃんさんが経験した、価値観があまりに違うZ世代の育成について。結果が全ての金融業界では、モチベーションや闘争心が重要です。しかし、Z世代の部下たちは他人と競い合うことなく、とにかくマイペース。アドバイスや指示を聞く姿勢はとるものの、いつまで経っても行動に結びつかずモヤモヤが募るばかり。部下たちのモチベーションを向上するためにとった、もっちゃんさんの行動を紹介します。

ニックネーム:もっちゃんさん(40代)
◆職種:証券会社 副部長職
◆部下の数:5人
新卒で証券会社に入社。リテール営業、企画部、プライベートバンキング部を経て、1年前に副部長に就任。持ち前の冷静な分析力と、細やかなサポート力で、部下5人の育成・管理をするほか、プレイングマネージャーとして支店の売り上げに貢献している。


返事はいいのにまるで行動しない部下に、「ねぇ、聞いてる!?」と言いそうに…


1年前、今の支店に異動になったのを機に、部下5人のプレイングマネージャーを担っています。Z世代の部下たちは自分とはあまりにも価値観が違うので、どう接していいのかがわからずモヤモヤが募っています

金融は、モチベーションがないと結果が出にくい業界です。買っても買わなくてもいい商品を扱っているので、ただ商品を紹介するだけで簡単に売れるわけではありません。そこで重要なのが、「お願いします」、「いつまでにお返事をいただけますか」という、営業からお客さまへの最後のひと押し。そのためのエネルギーになるのが、モチベーションや闘争心です。

でも、Z世代の部下たちはモチベーションや競争心が低いというか、いい意味でマイペース。結果が全てのこの業界で生き抜いてきた私にとって、競争を知らない世代との温度差に正直なところ戸惑いがあります。そもそも「なぜ、この業界に入ってきたの?」と、疑問を抱いてしまうことも。

こちらからの指示やアドバイスに対する部下の反応もいまいち。無視をされたり、悪気のある態度をあからさまにとられたりはしませんが、行動に結びつけようとする素振りが感じられないんです

部下のやる気を刺激するために、大きな売買契約を決めたほかの支店を引き合いに出して行動を促したこともありますが、やっぱりスルーされてしまいました。

「成績が良ければ希望の部署に行きやすくなるよ」とアドバイスをしたこともありますが、「確かにそうですね」と返事はするものの、だからといって具体的な行動を起こすでもなく。

聞いているように振る舞うのが上手いだけで、実際には右から左に聞き流しているのかもしれません……



部下に寄り添うスタイルでモチベーション向上へ


営業にとって「数字が欲しい」という貪欲さはとても大事です。 なぜなら、数字が出ないとどんどん萎縮して消極的になり、結果に結びつかなくなる負の循環が生まれてしまうからです。

私は、部下にやる気を出すきっかけを与えたり、モチベーションを向上させたりするのは上司の役目だと思っています。でも、たまには「このままじゃまずいよ」と危機感を与えることも必要かもしれませんが、性格的に得意ではありません。Z世代の彼らに対しても、「こうした方が、可能性が広がるよ」と言葉のニュアンスを変えて伝えるなど、自分なりに工夫しています

部下との信頼関係を構築するために、日々の会話では傾聴を意識しています。批判やアドバイスはせずに話をただ聴くことで部下との間に共感性が生まれて、それまで以上にいろんなことを話してしてくれるようになりました

また、成功体験を積ませるのもモチベーションを上げるためには大切なことです。ただ、金融業界は小さい成功体験だと意味がなく、かといって大きな成功体験を積むとなると、まだ実績のない部下一人きりでは難しいもの。

そこで私の上司の副支店長にお願いをして、部下がお客さまを訪問するときに同行してもらい、数字を作るためのサポートをしてもらっています。間接的な成功体験であっても、結果が出るとモチベーション向上につながりやすくなるからです。


私は部下をぐいぐい引っぱっていくより、コミュニケーションを通じて関係性を築きチームをまとめて目標達成に導くほうが、性格的に合っているのかもしれません。

プレイングマネージャーとして部下を育てるにはどうすればいいのか、明確な答えはまだ見つかっていません。今後も自分なりに模索しながら、チーム一丸となって支店の売上に貢献していければと思っています。




イラストレーション:高橋由季




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