宇多丸:
まずは事後報告、ありがとうございます。
全体の社風はともかくとして、上司は一応アリーさんの相談に応えてはくれたわけで、まぁそれはよかったのかもだけど……。
こばなみ:
ガッカリ……というのは、そういう格差がやっぱり会社にあるという現実に気づいてってことですかね。
宇多丸:
さしあたっての不満は解消したものの、これって本質的な解決と言えるのかな?って疑問はむしろ強くなった、みたいな。
要は、とりあえず対症療法的に目の前の案件だけを「改善」したとしても、そもそもその会社のあり方とか、もっと言えばやっぱり社会全体のあり方そのものに、やっぱり性差にもとづく不公平が組み込まれている現状に変わりはないわけで、それを改めて認識させられたがゆえの失望、というようなことですよね、きっと。
だからこそ、法的にどれだけ整備が進んでいるのかというような、俯瞰した視点の興味まで湧いてきているのでしょうしね。
でもまぁとりあえず、上司もまるで話が通じない人ではなかったようだし、最悪社内で孤立してしまったりしないかちょっと心配でもあったんだけどそれもひとまずなかったみたいだから、相談してみたこと自体、少なくともマイナスにはならなかったのも確かだろうし……。
こばなみ:
そういう人がいると、またどんどん会社や社会が変わっていくかもしれないですしね。
宇多丸:
そうそう。
こういう疑問や不満が存在しうるんだということが上司に伝わっただけでも意味はあるはずなんですよ。
問題がいったん可視化されたことで、同じような思いをする人は、今後間違いなく減るんじゃない?
会社側もいまどきは世間の目にビクビクしてるところもあるだろうし。
つまりアリーさんの今回のアクションは、後から来る女性たちの助けにも確実になっているんだと思いますよ。
この連載がそのための後押しにちょっとでもなったなら、ホント嬉しい限りですよね。
もちろんアリーさんの今後のさらなるご活躍、ご多幸も、心からお祈りしております!
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