【北海道】女性による農業界の活性化を目指す! 北海道の女性農業者集団「Links」
日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、北海道で農業を営む女性たちが交流会や勉強会を通して、仲間を作り、農業界へ貢献することを目指すグループ「Links(リンクス)」事務局の内山佳奈さんに聞きました。
女性農業者たちがさらなる高みを目指して、交流会や勉強会、マルシェを開催!
「Links」は、北海道で農業を営む30〜40代を中心とした女性グループです。メンバー構成は、全道各地に住む農業法人勤務者、新規就農者、農業後継者、農家の嫁。
みなさんさまざまなバックボーンを持っていますが、向上心の強いメンバーばかり。お互い刺激し合いながら自らの経営をよくするために、できることを考えています。
具体的な活動としては、農閑期にメンバー同士の交流会や勉強会を開催しています。
勉強会は、課題の選定から講師の依頼・運営までメンバーだけで行い、土壌や栽培に関することだけではなく、雇用やマーケティングなど農業経営についても学んでいます。
また年に数回、札幌市内を中心にマルシェを開催しています。マルシェではInstagramと連動して、販売している野菜のレシピを公開する取り組みも実施しました。
女性の立場が低い北海道の農業地帯で、向上心ある女性農業者とつながりたい一心で結成
活動をはじめたのは、2011年の冬です。
北海道の農業地帯は驚くほど女性の立場が低く、当時は女性が農業について学ぶ機会がとても少ないと感じていました。それでつらい思いをしている女性も多くて…。
もしかしたら「もっと経営に役立てるように学びたい」、「向上心のある人とつながりたい」という気持ちを持っている女性農業者がほかにも道内にいるのかもしれない。その人たちと出会い、何かを変えていきたいと思い、「Links」を結成しました。
北海道は広く、子育て中のメンバーも多いことから頻繁に集まることが難しいので、メンバーとの交流はSNSを積極的に活用しています。
マルシェなどのイベントの企画や打ち合わせもSNSで行っているんですよ!
ほかに、メンバー同士の情報交換や悩み相談でも活用しています。忙しくて交流会や勉強会に参加できなくても、SNSで流れてくるメンバーの情報や活動は見ているだけで学びになります。
あるメンバーからは「仕事や子育て、人間関係で悩んだり、ひとりでの農作業で自分の存在意義を見出せなくなりそうなとき、SNSを見るとみんながんばっていて、心の支えになった。Linksに入って本当によかった!」という声もありました。
ホームページやSNSで情報発信をしていたおかげで、メンバーも増え、現在は北海道全域で60名ほど。
メディア取材のほか、企業からお仕事の依頼をいただけるようにもなりました! 最近は、料理教室や執筆、講演なども行っています。
2016年度には農林水産省が手掛ける農業女子PJアワードで「コミュニティ部門」の最優秀賞をいただきました。
自分たちがやってきたことが認められ、全国にあるほかの女性農業者グループの参考事例になったことはとてもうれしかったです。
農業界や地域のリーダーシップをとる女性をもっと増やしたい!
農業界はまだまだ女性の立場が低いです。古い慣習に縛られることも多く、まわりとちがう活動や発言をすることで風当たりが強いこともあります。
でも、農業って厳しいだけではなく、魅力ある仕事なんですよ。
農業は「生産して終了」ではなく、さまざまな業種や業界といろいろな形で関わりがあります。多くの出会いに恵まれることで、仕事も人生も新しい広がりを作っていくことができるんです!
だから、私たちは信念を持って、いち農業者としてしっかりと学び、経営をよくして農業界に貢献していきたい。それと同時に、自分たちが住んでいる地域にも貢献していきたいと考えています。
そして、いつか私たちのグループから農業界や地域のリーダーシップをとる人材がもっと増えたらいいな…と思っています。
農業界に限らず、男性優位の世界で悪戦苦闘されている方、性別というくくりだけで仕事や人生の選択を強いられる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、勇気を出すことで、仲間ができ、広がっていく世界があります。悩みを相談できて、刺激し合える仲間は、強い支えになります!
ぜひ、みなさんも勇気を振り絞って、一歩前に踏み出してみてくださいね。
北海道若手女性農業者集団「Links」
北海道に住む女性農業者のグループです。新規就農者、農業後継者、農家の嫁などさまざまな形で農業を営むメンバーが集まり、勉強会と交流会を中心に活動しています。