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2人で出かけるのはデート? 男友達だと思っていた人に告白されて戸惑っています。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室112】


✳️今週のお悩み✳️
男女2人で出かけるのはダメ? 学生です。周りに男子が多いため、男友達が多いです。サークルが少人数で男女関係なくみんなが家族みたいに卒業した今でも仲良しです。だから、普通に友達として2人で食事に行ったり、出かけたりすることに抵抗がありません。2人で出かけるのはデートになりますか……? 私は期待させるような行動をとってしまっているんでしょうか……? ずっと友達だと思っていた人に告白されて戸惑っています。中には長年付き合っていた彼女と別れたので、付き合って欲しいと言う人もいました。2人で話す事も多かったし、期待させてしまっているのかな、私が悪いのかなと思っています。これからは控えるべきでしょうか?
(ゆりりん・24歳・京都府)


宇多丸:
まぁ、言っちゃえばホントによく聞く話ですよね。

親しい友達だと思って、かなり距離感の近い付き合いを続けてるうちに、実は片方がそれ以上の好意を育んじゃってて、結果お互い気まずい思いをすることになるっていう……。

こばなみ:
女子部員さんにも、こんな体験談がありましたよ。

Q.男友達と2人きりで出かけたことで、こちらはなんとも思ってないのに、恋愛感情を持たれたことはありますか? その後、どうなりましたか?

「恋愛感情を持っていない人に好かれると、とても嫌悪感を持ってしまうタイプです。相手には申し訳ないと思いますが、告白される前に距離を置きます」(ちょびこ)


「既婚の人に恋愛感情というか気に入られた?ことはある気がするが、そういう感じになってきた頃には2人きりはなるべく避けるよう、他の友だちを交えるようにしたり。そのうち疎遠になりました」(さやこ)

逆にこんな方も!


「すみません、私から好きになっちゃうっていう、お悩みとは逆のパターンはありました。その時は、改めて2人で過ごす時間を作ったりして、結果1年後くらいに付き合えました。長かった……!」(やーふる)

私はあんまりそういう経験ないのですが、きっと、ゆりりんさん、相当かわいいんでしょうね!

宇多丸:
いわゆる「元からモテる才能がある人」ってことなんでしょうねぇ。
それも、自分でも持て余して困惑するしかないくらい、こっちにその気がまるでなくとも、異性に特別な好意を抱かれてしまう率が異様に高いという。
こういう人、実際いますよね。

我々のような非モテ体質人間からするとさ、そんなこと言われても、なんて贅沢な悩みなんだ!とかつい思っちゃいがちだけど、当人にとってはやっぱり、結構深刻な問題なはずですよね。
自分はフラットな人間関係だと思ってたのに、向こうはそう思ってなかった、みたいなことが連続したりすると、人付き合い全般が怖くなってきかねないもんね。
普通に社会生活送るのでさえ苦痛になってきちゃうかもしれない。

だからこそゆりりんさんも、「私が悪いのかな」とか言い出してるわけだけど。
もちろん、そんなこたぁないから! 
惚れられやすい資質を持っているということそのものが「悪い」わけじゃ当然ない。どっちかって言うと、勝手に惚れてくるほうの問題なんだからさ。

2人で出かけたりするのも、まだ知り合ったばっかりとかだったら誤解の余地も大きいかもだけど、すでに友人同士として安定した関係を築けてる感じなんだったら、別にそんな気にするようなことじゃないでしょ、いまどき。
そりゃ、内心ちょっぴりドキドキしてたりすることもあるかもしれないけど……、それもあくまでそこ止まりの話というか。

一方、その告ってくる男ども側の視点に立ってみれば、人を好きになってしまうっていうこと自体も、まぁ一応、「仕方ないこと」の部類ではある。

ただ、個人的には、「可愛いなぁ」「いい子だなぁ」くらいならいいけど、相手の脈あるなしをしっかり確認もしないうちに、「好きだぁぁぁぁぁっ! 」「付き合ってくれぇぇぇぇぇっ!」みたいなテンションまで一方的に自分の気持ちを持ってっちゃって、最悪いきなり告白しちゃって玉砕!みたいなことになりがちな人は、少なくともある程度の年齢越えたら、少しくらい自分を律する癖をつけたほうがいいんじゃないの、とは思いますけど。

前から言ってるように、片想いこじらせ型の人って、本質的に、ちょっと自分勝手なところがあるんじゃないかと思うんですよね。
たとえばこの相談文にあるように、「長年付き合っていた彼女と別れたので、付き合って欲しい」とか、事前のコンセンサスもなく言ってきたとしたら、知らねーよ!の一語に尽きる話でしょ。な~に勝手に恩着せがましいスタンスになってんだよ?って。

とはいえ、いくらここで我々が「正しい男女間の距離の詰め方」を説いてみせたところで、そういう一人相撲野郎の数が減るわけでもないでしょうからねぇ。
はっきり言って、ゆりりんさんがどれだけ誤解されないように気をつけようとも、やっぱり、一方的に想いを募らせてしまう連中は、これからも後を絶たないんじゃないかと思いますよ。
だって、そういう相手の気遣いにはてんで気づかないようなヤツだからこそ、そこまでの白熱した一人相撲が取れちゃうんだもん!

こばなみ:
どすこい! ではゆりりんさん、どうすればいいんですかね?

宇多丸:
予防策として一番強力なのは、彼氏います、好きな人います、他の人は眼中ありません!的なことを、早い段階で周囲に知らせておく、ってことじゃないですか。
ただしこの戦法のデメリットは、それでも迫ってくるような図々しい野郎は防げない一方、ホントはこっちもウェルカム!な相手がアプローチしてきてくれる可能性も、事前に摘んでしまいかねないという点ですね……。

それから、もともと何もしてなくても過剰に好かれやすい体質なんだとしたら、自分ではちょっと感じ悪いかな、と思うくらいの態度を取って、ようやくトントンじゃね?という考え方もできる。
ただこれも、周囲からの人としての評価全体を落としかねないという本末転倒な副作用があるか……。

あとはやっぱり、これまでの自分のコミュニケーションスタイルに、「コイツ、オレに気があるのか?」と誤解されやすいような要素はなかったか、第三者の意見なども聞きつつ改めて検証してみる、っていうのも、一応は意味あることなんじゃないですかね。無論、いちいち自分に都合よく誤解するほうが悪い、というのは大前提としてね。
普段から誰彼構わずハグして口にチュー、たまに舌もちょっと入っちゃってるかも!とかだったら、明らかにちょっと考え直してみたほうがいいんじゃないかってことになると思いますし……。

意外と悪気なくやらかしてる女の人が多いんじゃないかって気がするのが、「手つなぎ」ですね。
女の子同士はちょいちょい手をつなぐから男よりは抵抗が少ないのかもしれないけど、前にも言った通り、僕はあれ、かな~り親密なスキンシップの部類に入ると思いますよ。

ま、そんなこんな含め、全体に身体への接触はソノ気にさせやすい、というのはまだわかりやすいあたりでしょうけども。
たとえば、相手の話をちゃんと聞こうという、それ自体は結構な心構えの現れとして、正面から目をじっと見て、顔を近づける……みたいな行為でさえ、人によっちゃあ十分、勘違いのもとになり得たりもするわけで。

結局、ある程度開かれた人付き合いを続けていく限り、どれだけ気を遣っても、完全な予防は不可能なんだと思いますよ、やっぱ。

こばなみ:
ゆりりんさんからみたらただの友人に、また結局告白されてしまったとしたら、その後はどう対応すればいいんですかね?

宇多丸:
まず言えるのは、こっちもそりゃ気まずいから、言い方とかはいろいろと考えちゃうと思うけど、最低限やはり、「悪いけどあなたのことを友達以上には思ってなかったし、今後も思えない」という根本的な意思だけは、相手にはっきり伝えるべきってことですね。
相手は何しろこちらの感情の機微とかロクに読めない人ですから、とりあえず困惑してるってことを伝えた程度だと、「迷ってる=ちょっとは脈あり!」的に、どんどんまた勝手に好意的解釈していきかねない。

その上で、もちろんこちらとしては、今まで通りの良好な友人関係にすんなり戻っていけたら一番嬉しいけども……ってことですよね。
現実には間違いなく、お互いなんらかのギクシャクは絶対に残ってしまうでしょうけど。
ゆりりんさんが、「いや、別に内心で思ってるぶんにはアタシのことずっと好きでも構わないんだけど。ただそれ、表に出さないでねキモいから!」とか、心底カジュアルに言えるキャラなら楽なんでしょうけども……。

ただ、いずれにしても、そこで関係性修復に向けて努力すべきは、どう考えたって告白してきたほうだろう、と僕は思うんですよね。
だって、曲がりなりにも上手く行ってたものを崩してしまったのは、そっち側なんだから。
逆に言えば、そこで「断る側の気まずさ」に責任を感じないようなヤツって、友達としてもどうよ?ってことにならないですかね。

たとえば、フラれたということが判明したら即座に、「ひゃー恥ずかしい! このことは忘れて! 忘れて!」とか必死でおどけたりして、なんとかその場の空気 を友人同士のそれに戻そうとしてる努力が見えたりすれば、少なくとも人としての信頼は、それほど損なわれずに済むじゃない? つまり、少し時間はかかるかもしれないけど、再びいい友達に戻れる可能性は、まだ全然あるパターンだと思うんですよ。

でも、最悪、「友達以上とは思えなくて……」に対して「はぁっ? 話、違くね? 気を持たすような態度取りやがって!」とかなんとか、逆ギレしてくるケースも余裕で考えられますからね。
そこまで極端じゃなくとも、一方的に友人を失う結果になってしまったゆりりんさん側の気持ちもロクに考えず、フラれた自分=被害者気分に浸ってばかりいるようなヤツは、勝手すぎて友人としてもアウト、と言うか、そもそも対等な友情を育む気なんてハナからなかったんじゃないか?ってことになっちゃうでしょう。

つまり、異性間友情に値する男もしくは女と、値しない男もしくは女がいるっていう、それだけのことなんですよ、きっと。
特に男は、後者の比率が残念ながら圧倒的に高いっぽい、という傾向があるだけで……。

まとめると、

●惚れられやすいのは仕方ない

●向こうが惚れてまうのも仕方ない

●完全な予防は不可能

なので、万が一ことが起こってしまったら、

●拒絶の意志は明確に

●関係の修復責任は告白してきた側にある=事後の対応によって相手の真の器量を計るべし

といったところでしょうか。

別に友人同士じゃなくたって、フラれた後の引き際が悪いヤツって、普通にイヤじゃん? ホント、てめぇのことしか考えてないっていうかさ。
だから、そんな輩はこっちから願い下げ!くらいに考えておきましょうよ。


【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2015年9月12日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。



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