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初めてできた彼氏は社交的な人。それに比べて私は友達がほとんどいないので結婚式に呼べる人も少なく不安……。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室245】


✳️今週のお悩み✳️
私は人とコミュニケーションを取るのが苦手(というよりもむしろ嫌いだった……)で友達も少なく、生まれて26年間ずっと彼氏がいませんでした。けれど、このまま恋愛を経験しないで死ぬのは嫌だと思い、マッチングアプリに登録して恋活を始めて、人生初の彼氏ができました。最初に声をかけてきたのは彼の方ですが5回ほど会った時に、告白は私がしました。「もちろんいいよ!」と彼も言ってくれて付き合い始めて2カ月経ちました。2週間に1回のペースで会っています。順調に関係が進んでいて、彼と一緒にいてとても楽しいです。ただ、不安があります。冒頭に書いた通り、私の友達が少ないことです。正直言うとほとんどいません(今、連絡しあってるのは大学の友達2人だけ)。一方彼は2週おきに常に友達と遊びに行く予定が入ってるほど。5月の連休中には幼稚園からの友達、職場の人までいろんな人と遊びに行くくらい社交的です。私は彼の社交的なところも好きだし、そのおかげで私にも上手に接してくれていると思いますが、向こうは友達が少ない私をどう思っているのか不安です。彼と話しているうちに私のこと(友達が少ない)ことが徐々に明らかになってきていると思います。年齢的に結婚も考えたりしますが、もし交際がうまく続いて結婚の話が出ても、結婚式に呼べる人が極端に少ないような私なので不安です。どう自分と向き合っていけば良いでしょうか。ご意見よろしくお願いします!
(みかんとぼうや・26歳・三重県)


宇多丸:
たぶんだけど、彼は別に、みかんとぼうやさんが友達が少ないからどうだとか、そんなこと考えたこともないと思いますよ、普通に考えて。

社交的な人ってつまり、コミュニケーションが苦手なタイプ含め、いろんな種類の人間に慣れてるし、それぞれの美点を見い出す力にも長けている、ってことでもあるわけじゃん。

むしろ、お互い付き合い下手同士じゃなくてよかったね、って話かもしれないですよ(笑)。
だから、特に問題はないと思うんですけど。

ちなみに、彼の交際ベースみたいなのものに、みかんとぼうやさん自身も、入っていきたいんですかね? 
それとも、やっぱり自分的には人付き合いは面倒、ってことなのか。

こういう彼だから、元からある交際の輪に初対面の人を混ぜたりするのもきっとうまいと思うんだけども、そこをみかんとぼうやさんが望んでないならそれはそれで良し、としてくれるような、人見知りペースも尊重してくれるような人ならいいよね。
でも、相談文を読む限りは、別にそういうところに無理やり混ぜようとする、みたいなのもないっぽいし。

逆に、私を置いていろんな友達に会いに行っちゃうのがさびしい!と、みかんとぼうやさんが思っちゃってるならばちょっと問題だけど、そういうことでもないんだよね?

こばなみ:
だとしたらやはり、特に問題はなさそうに思いましたけど。

宇多丸:
「彼の社交的なところも好き」ってご自分でもおっしゃってるわけだし。

こばなみ:
ただ、みかんとぼうやさんもそうですけど、「友達多いほうがいい」思考はやっぱり根付いているのですね。

宇多丸:
僕は極論、「友達が多いことを自慢するようなやつはサイコパス」だと思ってるくらいですけどね(笑)。

そもそもさ、みかんとぼうやさん、「今、連絡しあってるのは大学の友達2人だけ」って、2人もいるんじゃん! 
少なくねーし、別に。

みなさん、SNSの「友達登録」的なのの数を、ホントの友達の人数だと思っちゃっていませんか?

こばなみ:
そういや、ファッション関係の就活でInstagramのフォロワーが多いと有利になるとかありましたね、たしか。

フォロワーと友達はまた別なのかもしれませんけど。

宇多丸:
そんなクソ会社、入らなくてよろしい!

でもホント、定期的にリアルで会ったりする友達が2人もいりゃ、大人としてはじゅうぶんなほうじゃないのと思いますけどねぇ……。

僕だって、仕事を通じて親しくしている人こそムチャクチャ多いけど、オフの時間にわざわざ約束して、完全に利害関係抜きで会うような相手となると、たぶん片手前半で足りちゃいますもん。
それだって、何カ月かに一回あるかないかのペースだしね。
だから、実質友達は0.5人とか、そんな感じですよ(笑)。

でも、みなさん実態は案外、そんなもんなんじゃないの?
 整数じゃないのがむしろ多数派、みたいな(笑)。

こばなみ:
最近SNSも落ち着いてきて、友達が多いほうがいい信仰も弱くなってきた気もしてましたが、まだあるんですねぇ。

あと、逆に友達少ないことを自慢する人もいますよね。

宇多丸:
まぁ僕ですね(笑)。

いやでも、少ないのが普通でしょっていう話だから。
整数じゃないのがデフォルト!

こばなみ:
友達の人数が多いのも少ないのも、意識しすぎているんでしょうね。

って考えていくと、「友達」ってなんなんでしょうね?

宇多丸:
僕は、「親友」っていう言葉が、友情に過剰な信仰を託すイズムの、ひとつ象徴になっちゃってる気がしますね。

友達に、家族級、恋人級の絆や理解を求めがちというか。

でもさ、本来は友情って、もうちょっと距離感があるからこそいいもの、って感じしない?
 「お前のいいとこ知ってるぜ」くらいのさ。
一緒にいると楽しいんだけど、「四六時中はごめんだけどナ!」みたいな。
すべてを無条件で受け入れられるわけじゃないけど、「合う部分」が強いから好きっていう、そんくらいの感じ。

たださ、若いうちは特に、基本「何も成し遂げてない=まだ何者でもない」、要はまだアイデンティティというものを確立しきれてないぶん、なにか外部から自分の価値を保証してくれるもので己を取り囲もうとしがちで、外から見える「友達の数」なんかは、まさにそのひとつではあるんだろうなとは思う。

そのうち、仕事をずっと頑張ったりして、自分が実際やってきたこと、文字通り「実績」が重なってきたりすると、そこまで外部要因に依存しなくても、そうそう揺るがない「自分は自分」というのが出来上がってきたりもするわけだけど。

だからやっぱ、友達多いとかをやたらとアピールしてくるような人は、実はなんかしら強い欠落感やコンプレックスを抱えてるんだな、と考えて間違いない気がしますよ。

こばなみ:
どちらにせよ、友達の数とかを大声で言うことじゃないし、言うってことはそこに何かすがっているんでしょうね。

宇多丸:
たださ……、その件はおいといて、少し気になったのは、26歳で初めてできた彼氏と、結婚の話に、もう行っちゃう?

 だって、付き合いだしてから、まだたった2カ月でしょ?
 しかも2週に1回……、ということは今まで、付き合う前と合わせても10回くらいしか会ってないってことでしょ。
それじゃあ彼が本当にはどういう人かなんて、まだ判断しきれなくない?

こばなみ:
そうですね、初の彼氏ができて、うれしさのあまり、まだ2カ月で結婚まで想像しちゃう気持ちはわからんでもないのですが、生き急いでいることがじんわり伝わって、重くならないといいですね。

宇多丸:
これぞいかにも付き合い慣れてない人の発想ってことなんだろうけど、結婚式の招待客の不均衡を心配するって、いくらなんでも気が早すぎるよ!(笑) 
そんなもんはどうとでもなるよ! 世の中でどんだけ結婚式が開かれてると思ってんだよ?って話ですよ。

落ち着け落ち着け! どうどうどう!って感じだよね。

もちろんね、今回でうまく行けばそれに越したことはないしそうなることをお祈りしてますけども、たとえ仮に思ったようには行かなかったとしても、そんなもんはね、恋愛初心者がなにを言っとる!ってだけの話ですから。

いざというときあんまり食らいすぎないように、「半身」でいるのもひとつの生きる知恵ですからね。

ただまあ、人とのコミュニケーションが苦手だっていうみかんとぼうやさんが、それでも「一緒にいて楽しい」と感じる彼なわけだから、人として半端じゃなく魅力的なのはたしかなんでしょうし、そしてそんな社交的な彼、つまりいろんな人を知ってる彼が選んでくれたんだから、みかんとぼうやさんもまた、人並みはずれて魅力的な方ってことなんですよ、きっと。
だから、もっと自信は持っていいはずだと思いますよ!

こばなみ:
舞い上がってしまう気持ちは、ほんと恋愛下手組としては私もよくわかります。だからこそ、そこだけに集中せず、自分の楽しみや仕事など、彼なしで過ごす時間も豊かにできるとよいですね。

健闘を祈っております!



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2018年7月28日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
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その他のライブ情報は
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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