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好きな人とTwitterを相互フォローしたら、いつも通りのツイートができない。本来の自分でいられないようで……。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室21】


✳️今週のお悩み✳️
いま好きな人がいます。一度デートしたのですが、まだそこまで深くお互いのことをよく知らない状態です。ある日「ツイッターのアカウントを教えて!」と言われ、これを断るのもどうかと思いお互いをフォローし合いました。しかし、いざ好きな人に見られていると思うと、いつも通りのツイートができません。本当はクラブで撮った写真も載せたいし、友達と撮った変顔の写真付きのツイートもしたいのですが、本来の自分が出せません。むしろ以前の恥ずかしいツイートは削除したくらいです。友人からは「急にツイートしなくなったけど忙しいの?」と言われてしまいました。そんなんじゃないんだけど…嫌われるのが怖くて本来の自分でいられないことを、どう思いますか?
(morico・埼玉県)


宇多丸:
SNSって、友達としょーもないやりとりしてるときが一番楽しいんじゃない?って前にも言ったと思うけど、でもそれをちょっと取り繕いたい相手に見られるのは恥ずかしい!ってのは、女心としてあるんですかねぇ。こばなみは?

こばなみ:
取り繕いたいってことではないかもしれませんけど、極力ネガティブなことは書かないようにはしてますね。

宇多丸:
外の目をちゃんと意識した発言をしてるってことだよね。
人間、ネガティブなことをつぶやきたくなるときもあるだろうし、それをネットでやるかどうかは個人の勝手だけど、あんまりそういうことばっかり書き込んでると、知り合いからも根っから「そういう人」だと思われちゃうリスクは間違いなくあるよね。
さて、moricoさん。「好きな人ができて、前は平気だったことがそうじゃなくなった」ってこと自体は、SNSとか関係なく、全然古典的な話ですよね。

こばなみ:
にしても、一度デートしましたかぁ。いいですね!

宇多丸:
カレは、単純にmoricoさんのことをもっと知りたくて、Twitterアカウント教えて!って言ってるわけじゃん。
これも前に言ったけどさ、他人だった同士が知り合って行く過程って、もちろん楽しいけど、それと表裏一体で、実はとても怖いことでもある。この場合は前に話したのとは逆で、自分が見られたくないような部分まで知られてしまう恐怖だよね。

こんなとこ知られたら絶対引かれちゃう!みたいな。
たとえば、こばなみだったら、「地下鉄のスムーズな乗り換えがたまらなく好き」という変態的な趣味がある。

こばなみ:
変態ではナイ!

宇多丸:
僕も、映画まではいいとして、アイドルが好きとか銃が好きとかは、ハードルが高いかもしれない。
まぁ僕の場合、今となっては僕がどういう人かを相手もある程度はわかってて知り合うことが多いので、例外かもしれませんが。
まぁ、なんにしても初期デートってのはさ、そうやって探り合うための段階なわけだからさ。

不安なのはみんな一緒だよ!

たとえばさ、プールに入る時って最初は冷たいじゃん。
この間、それこそ何年かぶりにプールに入ったんですよ。
最初、足を水につけた段階では、「いやいやいやいや冷たいよ、この中で泳ぐなんて、絶対むりむりむりむりー!」って感じだったんだけど、いったん水の中に入っちゃうと、意外と大丈夫…、ていうか超気持ちいい!っていうふうに、やっぱなっていったわけよ。
で、これってなんについてもそうだよな、と思って。

人と出会ってお互いを探り合っていく過程も、最初は恥ずかしいとか、嫌われたらどうしようっていう不安に、耐えなきゃいけない。

そこを嫌がっていると、いつまでも浅瀬でチャプチャプやるだけになっちゃう。

そのスタンスを極端にしていくと、僕が好きなアイドルとかに対して昔思ってたことだけど、「会って嫌われるくらいなら、最初から認識されたくない」っていう話になる。嫌われもしないけど好かれもしない。
moricoさんは別に、そういう状態を望んでるわけじゃないでしょうからね…。
ただ、SNSってやっぱり現実の対人関係とはちょっと違って、クラブで遊んでるときの様子にしろ変顔写真にしろ、一応自分で「これは人に見せてもいいか」っていう画ヅラを選んではいるわけじゃん?

だから、「本来の自分」をいきなり直で見られちゃう、という従来のコミュニケーション恐怖よりは、ちょっとは見え方をコントロールできるようにはなってるんだと思うけどね、逆にSNSのおかげで。

こばなみ:
恥ずかしい写真といっても、確かに選んでソレにしてるわけですもんね。ノリであげちゃった、とかもあると思うけど、その時は「いい!」と思ったものってことだから…。でもですよ、そもそもクラブとか変顔の写真とか、そんなことでカレは嫌だと思うんですかね?と疑問。

宇多丸:
あー……でもちょっと待って……やっぱ、友達とは女同士で気兼ねなく、汚い言葉でべちゃくちゃツイートしたりもしたいってことだよね……女子会気分っていうかさ。
だとしたら確かに、そこを男に見られたくない、っていうのもわかる気がするな。
たまに、知り合いから間違ってメールがくることあるじゃん? そうすると、自分に対しては絶対しないような言葉遣いしてたりして、自分が知らないその人の別の一面をうっかり垣間見ちゃった感じっていうか、なんとも言えない気まずさが残ったりしない?
たとえば、仕事上のメールではいつもすごく丁寧な文体の女の人なのに…、もちろん親しい友人宛なんだと思うけど、いきなり「マジうぜぇ」みたいなノリだったりとか。

女友達どうしだったらこのくらい普通だろう、と頭では思うんだけど、ぎょっとしちゃったのは事実。

そう思うと、たしかにそういう面まではカレに見せなくてもいい気も…。

こばなみ:
間違いメールで、私は逆に友達が彼氏に送ったのをみちゃって、語尾に「にゃー」とかついてて、ぎょっとしました。

宇多丸:
異性同士に限らず、なんでもかんでも腹の底まで見せりゃいいってもんじゃないとも思うしね。
むしろ、問題はそこだ!

こばなみ:
Twitterは女子会として使いたいのに…。どうすれば?ということ??

宇多丸:
だからカレには、Twitterは女子会的に使ってるんだと説明するしかないよね。
すごく汚い言葉遣いもするし、正直見られるのが恥ずかしいから遠慮してほしいって正直に言えば?

女子会だっつってんのに「俺も行かせてくれよ!」なんて不粋な男だったとしたら、付き合うのやめたほうがいいよ!
男たちよ、女子会に行きたがっちゃ絶対ダメ!!

こばなみ:
あと、メンズを連れてきちゃう女子もたまにいますよね。女子会だって言ってるのに! 関係ないかもしれませんが、下着売り場に一緒にくるメンズにもちょっと抵抗あり。

宇多丸:
あれは女がついてこいっていうから仕方なく…、いや、そういうふうに思ってる女の人もいるということだよね。なるほど。
あと、人に見せられないようなことを書くんだったら、最初から別のアカウントをとっとくってのはどう?

でもなぁ…、別に悪いことしてるんじゃないのに、なんか隠しごとしてるみたいで、それはそれで嫌か。
どう思う?

こばなみ:
わたしも別アカっていうのがなんだか抵抗あって…。

ライムスターマネージャーあらい:
LINEのグループでやればいいんじゃないですか?

非公開だし、既読、未読もすぐわかるし。連絡を取り合うのだって便利ですよ。

宇多丸:
お、でた! それだ!!  LINEで解決!! 女子会トークはLINEを使え。それでいいじゃん。隠してるわけじゃないし!
SNSは用途にあわせて、使い分けていけば吉と出ることもある! 今回はLINEでいいんじゃないですか!!

こばなみ:
過去にツイートしたものは仕方ないですよね?

宇多丸:
それは知らん!
でもさ、これに限らず、インターネットに書いたものって残っちゃうからね。後から慌てて消したら消したで、それはそれでひとつの意思表示になっちゃうし。

100%内輪向けに設定してるならいいけど、SNSに関しても、皆さんもうちょっと慎重になってもいい気もしますが。
でもまぁひょっとすると、ネガティブな書き込みやら恥ずかしい写真やらをついついネットに上げちゃうっていうのも、どっかで人間、そういうところも含めて自分を認めて欲しい、受けいれて欲しいって気持ちがあるからかもしれないけど。

こばなみ:
でもやっぱり、ダークサイドなのは友だち集めて飲み屋でやれよ、って思っちゃいますけどね!


結論:
カレがぎょっとしてしまう恐れがあるので
女子同士の気兼ねないTwitterのやりとりは
今後LINEのグループで思う存分楽しんで!


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2013年11月23日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
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詳しくは
こちら


女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。

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