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恋活サイトで付き合ってと言ってきた相手が前のめり。乗れない私って変?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室110】


✳️今週のお悩み✳️
バツイチシングルマザーです。モラハラ夫に愛想を尽かして離婚した数年前から、ずっと彼がいなくて。女友達と遊んでるのも楽しいからいいや~って思ってたんですが、彼がいたらもっと楽しいかな……と最近思いはじめました。今までずっと、子どもたちのことばかりを一心不乱に見つめてきたのですが、それもだいぶ嫌がられるようになりまして(^_^;)。身の回りに出会いがまったくないため、恋活サイトに登録したら思ったより需要があって(笑)、何人かとはお会いしました。そこで悩んだのが……、男女間の温度差というか、前のめり感というか……、メールのやりとりもそこそこして、お会いしてわりとすぐに「付き合ってほしい」と言われて、結論を急がされてしまうんです。だって、メールやLINEでいくらやり取りしたって初対面ですよ? そんなすぐに決められないです。「印象は良かったけれど、まだわからない」と言ったらとてもがっかりされます。もともと、相手からの申し込みで私が受けているのだから、初期スコアからして違うんですけども。付き合ったら、好きになっていくかも?と思ってこの間OKしてみたのですが、そうすると次のデートでもうHを求められてしまって。まだそんなに好きじゃないって……(^_^;)。それとも、歳いってて飢えてるからすぐに食いつくと思われてるのか……、長く結婚していたので、恋愛の仕方も忘れていて私がおかしいのかなぁとも思ってしまいます。やっぱり、ネットでの出会いで、普通にリアルで出会ったときのような仲良くなり方は難しいのでしょうか? 「だって、恋人探し前提でしょ? だからこれが普通だよ」って言われました……。こういう方式に向いていない人間だとわかっていますが、出会い方はどうあれ、出会ってからは普通の男女が仲良くなるのと同じようなステップで仲良くなっていきたい。そう思う私はおかしいのでしょうか。 ネットだからそうなのか、男女の温度差なのか、はたまた私が申し込まれる相手がイマイチな人なのか……も良くわかりません。

(あやのん・44歳・大阪府)


宇多丸:
これは単純な話、相手的にもタイミング的にも、その気になれないのにヤったりする必要は当然ないし、ヤらないほうがいいよ、ってだけのことじゃないの? 
ネットだからとか男女の差とか、関係ないでしょ。
もちろん、あやのんさんがおかしいわけでもありません。

僕、「スタンプカード制」にちょいちょい異を唱えたりしてるんで、誤解されてるかもしれないけど、あくまでそれは「会った回数でヤるヤらないを決めるなんて、ナンセンスじゃね?」的な主張であって、なんでもいいから即ヤっちまえ!なんてことは言ってませんからね。

むしろ、相手のテンションとか気持ちをろくに考慮せず、一方的にグイグイ来ておいて、ちょっと拒絶されると勝手に「とてもがっかり」したり、「これが普通だ」とかキモい開き直りかたをするなんて、僕が一番嫌いなパターンですよ! そんなヤツとは何回会ったってダメ! 
単にそいつらが人としてハズレだった、ってだけの話でしょ、マジで。

こばなみ:
たしかに、ネットでの出会いじゃなくたって、そういう人、いますしねぇ。

宇多丸:
女性にもそういう「勝手にグイグイ~逆ギレ」派はいるしね。

……それにしても、いまどきはやっぱり皆さん、ネットを通しての出会いにあんまり抵抗なくなってきてる感じなんですかね。

こばなみ:
知り合いからも「出会い系アプリで彼氏できましたー!」って話、つい最近聞きましたけども。

ちなみに女子部員へのリサーチはこちら!

Q.出会い系サイト(アプリ)を利用したことはありますか?

利用した人のなかには「視野が広がった」「人を見る目が養われた」「いい出会いがあった」「目的がはっきりしてるので話が早い」という意見も。
実際に趣味や好みが似ていて、感覚の近い男性に出会い、彼氏ができた!という人もいました。

一方、NO派は「面識のない相手だし怖い」って意見が多かったですね。

宇多丸:
前に「ナンパってアリ? ナシ?」の回でも言った通り、僕も基本的に、出会いはできるだけ多いほうがいいはずだとは考えてるんですけどね。
事実上たまたま職場や学校や住んでる場所が一緒だったってだけの誰かのなかから、つまり、実はかなり限られた選択肢のなかから選ぶしかない、っていうのより、それこそ赤の他人に対しても可能性をオープンにしておくほうが、よりベターな相手を選びたいなら合理的だってのは間違いないだろうと思うんですけど。

ただ、これも前から言ってるように、可能性が広がるっていうのも、良い方向ばかりとは限らないわけだからね。
想像もできなかったほど素晴らしい出会いが待っているかも!ということは同時に、想像もできなかったほど恐ろしい出会いが待ってるかも、ってことでもある。

特に、ネットで一定期間やりとりしたってだけの人と直接会うというのは……、僕は正直、ちょっと怖くないのかな、とはどうしても思っちゃうんですけど。
考え方が古いのかな?

こばなみ:
そしたら私も古いです。イマイチ踏み出す勇気がなく……。

宇多丸:
たぶん、ナンパやクラブとかでの出会いはさ、相手の身元が本当にはわからないって点では危険性たしかに高いんだけど、身だしなみがきちんとしてるかはもちろん、口調や仕草、目つきがヤバくないかとか、ちゃんと間合いを計りながら会話ができるかどうかとか、周囲の人とはどう接してるかとか、要はその人の社会性や人間性を判断する要素が、意外と豊富にあると思うんですよ。
いくら表面上とりつくろおうとしても、どうしたってにじみ出てきてしまうものがあるだろうというか……、ま、こちら側にも、それを正確にキャッチ&ジャッジする経験値が必要にはなってくるんですけど。

そこへ行くと、今のところネットでの交際って、やっぱり文字情報中心なわけじゃん。
特に恋活用のサイトやアプリとかだったら、当然いい外ヅラしか見せないと思うんですよ。
印象が容易に都合良くコントロールしやすいというか……、少なくとも、かなり限定的なコミュニケーションをしてるだけなんだ、というのは自覚しておいていいんじゃないかなぁ。

こばなみ:
ある程度、文字だけでも滲み出るのでしょうけど……、仕事上とかでメールはぶっきらぼうだけど、会ってみたら気さくな人だったってこともありますしね。これはいいパターンですが、その逆も多々あるだろうし……。結局、文字だけだからなぁ。

宇多丸:
ちなみに皆さん、FaceTime(テレビ電話)的な機能とかは使わないの? 
曲がりなりにも実際に顔を付き合わせてしゃべり合えば、判断材料が増えてちょっとは安心じゃん。

こばなみ:
このへん、女子部員に調査してきました。

1人目は「ゼクシィ恋結び」というアプリをやってる方で、まずはアプリ内のチャットを使って交流するそうです。で、「LINEに切り替えませんか?」となる。

LINEで1週間くらいやり取りしていい人そうだったら、会ってもいいかなと思うそう。

会ってもいいと思うかのジャッジポイントは、いざ会う予定を立てようとしたとき、彼女の仕事の状況とかを踏まえて時間を決めてくれたりするなど。あとは「あんまり遅くなると良くないから早めの時間にしよう」という気遣いが高ポイントでお会いしたそうですよ。

ちなみにFaceTimeは使ったことないそうです。実際に待ち合わせた時にLINE電話を使うくらいで、文字でのコミュニケーションが中心、とのこと。

二人目は「Omiai」や「pairs」を使っている方。こちらもまずはアプリ内のチャットで交流。そこで、ある程度のメッセージの往復がないと、LINEのアカウントを教えあうことができないような仕組みになってるそうです。サクラ防止のためだとか。

で、 彼女が実際に会うかを決めるのは、Facebookで素性を探ってからだそうです。相手が公表していれば、ある程度プライベートや職場環境、どんな友達が いるのか、設定によっては経歴や学歴もわかりますしね。基本的にFacebookは実名でやることが前提なので、信用できる情報だというのは、ちょっと納得。

宇多丸:
たしかに、それ用のサイトやアプリじゃない、普段のSNSでの言動や記事からなら、ある程度人柄や社会性も垣間見れるかもね。

Facebookではわりあい穏やかなリア充風なのに、別アカでやってるTwitterではやたらと世の中に毒吐きまくってて、こいつヤバいんじゃね?ってなるとかね(笑)。

こばなみ:
で、FaceTimeは照れくさいってのもあるようです。それと、男性からFaceTimeやろうって言われたら、「どんだけ警戒してるんじゃ!」って冷めそうとも言ってました。

宇多丸:
そりゃ男だって警戒してるわ! 

でもまぁ、初期段階でお互い警戒し合ってるのは仕方ないとしても、それがあまりにも露骨に伝わってきちゃうと興醒め、という気持ちもわかる。
それは当然、男性側にとってもそうなわけで。

つまり、結局のところはやっぱり、「お互いがお互いの出方を慎重に計りつつ、適切に距離を詰めていく」っていう、ごく当たり前の手順を踏んでいくしかない、ってことなんじゃないの? きっかけがネットだろうとなんだろうとさ。

で、あやのんさんがその恋活サイトを通じて会ってみた男たちは、これまでのところ、そういうごく初期の探り合いの時点でもう、アウトなアプローチしてきちゃうような連中ばかりだったと。ハズレくじばっかり引いちゃってたというかね。
でも、そのこと自体を悲観してばっかりいても始まらないし、ましてそいつらのペースや都合に無理して合わせるなんて、人生の浪費以外の何物でもない。

じゃあそこでどうするべきかと言えば、ちょっとでも嫌だなと思ったらさっさと見切りをつけて、「当たり」が出るまで、ひたすら次から次へ、トライし続けるしかないってことでしょ!

実際、「リアルな」出会い待ちよりそういう相手探し専用のサイトとかのほうが優れている点って、まさにそういう風に、理想のマッチングが見つかるまで比較的ライトにトライ&エラーが繰り返せる、って部分に尽きるんじゃないの? 数打たないと意味ないよ!

あやのんさんだって、別に今さら慌てる必要もないはずだし、そもそもの目的が「一緒にいたらもっと楽しいと思える彼」探しなんだから、妥協してまで「イマイチな人」と貴重な時間を過ごすなんて、本末転倒でしょ。
こっちの売り手市場なんだと思って、じっくり選びに選び抜けばいいんだと思いますよ!


【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2015年8月29日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
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※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。



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