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もう自分から誰かを好きになるなんて、不可能なのでしょうか?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室248】


✳️今週のお悩み✳️
宇多丸さん、こばなみさんはじめまして。大阪在住ですので、アトロク、ラジオウクラウドで毎日聞いています! 早速ですが相談です。好きな人ができません。過去に付き合ったことのある男性に「俺が好きだと思って、勘違いして告白してきた」と言われたことがあり、それからというもの、私が誰かを好きになりかけると、彼は私を勘違いさせようとしているんだな、と自分で自分にストップをかけるようになり、極度に消極的になってしまっています。しかし、彼氏は欲しい。いや、いっそのこと彼氏じゃなくてもいい。誰か好きになりたい。そこで、ナチュラルな出会いはもうないと悟り、出会い系に登録もしてみたのですが、自分の好きな人の条件が自分で把握できていないことと、嫌いな条件だけは把握できているので「あ、これはイヤだな」と思うことが書かれてあったら(小さなところで言うと「スポーツが好き」とか)、それだけで何も見ずして省く作業をしてしまって、結果どうしたらいいのかわからなくなってしまうのです(出会い系は20分で退会してしまいました)。みなさんは、どこでどう出会って、どうして恋愛関係に発展していっているのですか? もう自分から誰かを好きになるなんて、不可能なのでしょうか。宇多丸さんに「もう誰かを好きになるなんてできないよ」と言われたら「そうか。」と、受け止める覚悟もできています。極度にモテない女ではありますが、別にモテたいわけではありません。自分から誰かを好きになりたいのです。もうどうすればいいのかわかりません。これって、アドバイスで何とかなるものでもないことはわかっています。でも、友人にも理解してもらえず相談にもなりません。何卒、よろしくお願いいたします。
(もちこ・35歳・派遣・大阪府)


宇多丸:
自分がこれまで経験してきたことから人生や世界のあり方全体を決めつけるって、これはもちこさんに限らず、まぁやっちゃいがちなことではありますけど、はっきり言って、それこそがまさに経験の乏しさ、知見の浅さの証しでしかなくって。

もちこさんのケースもさ、はたから見ると、たまたま前にちょっと意地悪なこと言われたことがあるからって、なんでそれがいきなり「これからの人生でも繰り返されるであろう真実」みたいなものにまで飛躍しちゃうのかな、って感じがしちゃう、正直。

まぁそれだけ傷ついた、ってことなんだろうけど……、だからって、そこからさらに、「ナチュラルな出会いはもうない」とか、またすぐ次の極論に行っちゃうのも、「えっえっ、なんで急にそこに飛んじゃうの?」って普通は思うよね。

こばなみ:
ナチュラルな出会いって、出会い系アプリとかじゃないってことですよね。

宇多丸:
要は、職場とか身のまわりにいる人と、ってことだよね? 
そのなかに適当な相手がいなくて、かと言ってそこ以外で出会いの確率が上がるような努力も特にしていなければ、当然のことながら恋に落ちる可能性も、どんどん低くはなっていきますよね。それはもちこさんに限らず、誰だって。

ただ、それにしたって……、この先なにが起こるかなんてわからない、ってことに変わりはないんだから。
今後どんな人と出会うことになるかなんて、ほとんど交通事故みたいなもんで、完全には予想しえないですよ。想定外の事態がいくらでも起こってくれちゃうのが、人生であり、世界なんだからさ。

それこそ、最初はなんとも思ってなかったような近くにいる誰かが、なんかのタイミングで急に魅力的に見えてきちゃったりとかも、全然ありうるわけでしょ。

こばなみ:
わたくしそうでしたよ! 
勉強に行った先で、なんとも思ってなかった人に、突然言われて、好みとかじゃ全然なかったのですが、話してて楽しいし、じゃあ付き合うか~と思って付き合ってみたらけっこう気があった!

だから最初はモーレツに「好きだわ~♡」とか全然なかったですしね。でも、あ~、こういうこともあるんだ、とは思った。

宇多丸:
ひょっとしたらもちこさん、35歳という年齢に、勝手にタイムリミット設定しちゃってるところもあるんじゃないですかね?

こばなみ:
わたくしその頃40歳でしたわっ!

宇多丸:
希望が持てる話!

こばなみ:
よく出会いがないって悩みを女子部のイベントでも聞くのですが、この間アラフォー女子部員の人たちと恋愛話をしていたんですけど、だいたいは出会い系アプリに疲れていますね。どうにかしなきゃといって、焦ってやるとろくなことがない。で、ふと行った友達づくりの合コンみたいなもので、彼ができたとか、聞きます。
わたしも恋愛とかに発展するなんて微塵も思わなかったセミナー(マーケティング勉強会)で、彼と出会ったのですが、あんまり気張らず行ってみるのがいいんじゃないですかね。しかも、恋愛目的じゃなくてもいいっていうか。

宇多丸:
行く場所はなんでもいいんだよね。むしろお互い相手探しで来てる前提じゃないほうが、焦ってがっつき合ったがゆえの過ちが起きづらくて(笑)、いいんじゃない?

たとえば前も例に出したかもしれないけど、フリー参加可のボードゲーム大会とか、フラットに輪に入れてサクッと楽しめる場も、ちょっと探せばいくらだってあるはずだしさ。

その程度すら億劫がって、自分からは動かない、ひたすら仏頂面で待ちの姿勢でいるだけだったら、そりゃ出会いのチャンスは減るよ、ってだけの話。当たり前だよ!

とにかくね、過去にイヤなことを言われてショックを受けてしまった件にはご同情申し上げるけども、いつの間にかそれを一般論であるかのごとく思い込んで殻に閉じこもる、というのは、ぶっちゃけ、これ以上傷つかないで済むように、消極的なままでいるための言い訳をしてるだけ、みたいにも見えるわけですよ。

もちろん、そうやってひたすら防御に徹するのだってひとつの生き方だし、本人がいいならそれで全然いいんだけど……。

もちこさんは、実はまったくそこを割り切りきれてないわけじゃん?
ホントは一歩踏み出したい、でも勇気が出ないっていう。
実際はそういう、とてもシンプルかつ、誰にでも多少は当てはまる悩みなんじゃないですかね、これって。

こばなみ:
しかしこのメンズ、イヤなやつですよね~。

宇多丸:
もちろん。
たださ、とは言えそいつも、しっかりもちこさんと付き合ってはいたんだよね?(笑) 
なのになんでこんなことわざわざ言ったのか……、ガキっぽいカッコつけだったんじゃないかな、おおかた。

でもさ、こんな意地悪なこと言われたんだったら、「なんだ、こんなイヤなやつとうまくいかなくてよかった」って考えとけばいいんじゃない?とも思うけど。
深入りしすぎる前に向こうから本性を現してくれてよかった、セーフ!って。「失敗はプラス」思考ですよ!

出会い系の話だって、嫌いな条件だけでもはっきり把握できてるって、全然悪いことじゃないでしょ。
消去法で、「嫌いではない人」とまず接してみるのだって、ゴールではなくともひとつの前進なのは間違いないはずだし。

「スポーツが好き」がイヤだ、ってのには笑ってしまったけど、でもそれ、僕もちょっとわかりますよ。
友達としてならいいけど、本当にスポーツが心から好き、自分でもガンガンやったりする、みたいな人と付き合ったとして、その人と休みの日とか、どう過ごすべきか想像もできない(笑)。
違いを違いとして尊重してくれるような人ならいいけど……。

……あ、でもさ、同時に、人を好きになることの素晴らしさのひとつとして、その人が好きなものを理解したいというか、その人の目を通して物事を見てみたい、みたいな、世界が広がるような体験ができるっていう側面があるわけじゃん?
 その人が見ている世界はきっとものすごく素敵なんだろうな、っていう人をこそ好きになる感覚というか……。

こばなみ:
それはいいですよね!

宇多丸:
その意味で、もちろんルックスも重要だろうけど、人間性を好きになるって大事だと思いますよ。
世界を広げ、自分自身も成長できる経験になりうるわけだからさ。

だから、スポーツにしろなんにしろ、あまり事前の先入観だけでシャットアウトしないほうがホントはいいんだけどね、というのもたしかではありますね。

話を戻しますと……、とにかくこれに尽きる。
「もう誰も愛せない」なんて誰かの歌みたいなこと言うのは、一生に一度級の大恋愛したけど相手が死んじゃったとか、そんくらいのときに取っておいてくださいよ!

こばなみ:
もちこさんは、まだなにも始まってないですからね……。

宇多丸:
『キッズ・リターン』ラストの名ゼリフですよね、ホント(笑)。

ちなみに、誰かを好きになることのデメリットだって、当然ありますからね。
だから、好きな人ができないからって、それで無闇に引け目や焦りを感じることもないですよ、とは言っておきたいですけど。

それこそ、「誰かを好きになる」だけ、ホントに見返りなしでいいなら、アイドルや二次元にハマる、って手もあるわけですしね。
逆に、「彼氏をつくる」ってだけなら、出会い系アプリとか含め、わりと簡単に実現はできるはずだし。

そのどっちもいやだ、生身の人間と相思相愛になりたい、というのなら、やっぱり、傷ついたり恥かくリスクを冒してでも、あちこちに出かけて、いろんな人の懐に飛び込んでいって、そこから自分なりに学んでいくしかない。
そのうえで、正直こればっかりは、結果どうなるかは誰にもわからない……、みんなそういうもんですから。

いずれにしても、恋愛に限らず、安易な決めつけは百害あって一利なし!

こばなみ:
そうですね。

宇多丸:
自分を守るための「鎧」だったはずのものが、いつのまにか自分を閉じ込めるただの「檻」になってしまっているってこと、大なり小なり誰にもあると思うんです。

今のもちこさんは、その檻から出てくかどうかで迷ってる段階。
で、何度も言うけど、檻の中にだって幸せはあるし、逆に、外には必ず幸せがあるとも限らない。
だから、「こうでなきゃいけない」みたく思いつめる必要はまったくない、ということだけは最後にもう一度言っておきます!

こばなみ:
何かしら動くと、人生が豊かになって、恋愛だけでなく、仕事もそうだけど、モヤモヤが吹き飛んだりするじゃないですか。
でも、その気力・体力がないときは、凪状態で、引きこもってぼーっとしたりするのもいいと思います。長い人生ですし、そんな時期もあっていいと思うんですよね。
とにかく、あまり焦らず~!



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2018年8月25日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
こちら


女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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