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【宮城】音楽で心を支える「一般財団法人オーバーザレインボウ基金」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、宮城県で、音楽を軸に心を支援する活動を行っている団体「一般財団法人オーバーザレインボウ基金」の代表・かの香織さんに聞きました。


その人が望むワンソングを届けることで、心を支えたい


一般財団法人オーバーザレインボウ基金は、その人が望む“One Song”を届ける「音楽による心の支援・ワンソングプロジェクト」を主軸とした事業を中心に行っています。

たとえば、病院、ホスピス、介護施設などの医療現場で、望まれた音楽を届けることによる心のケア=ワンソングケアを推進しています。

もうひとつのワンソングプロジェクトとして、「校歌復刻保存プロジェクト」を行っています。これは閉校した学校の校歌を、地域社会に根ざしてつくられた音楽文化遺産と捉え、記録がなくなる前に忠実に復刻保存するプロジェクトです。

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ほかにも、以下のようなさまざまなプログラムや事業を行っています。

●東日本大震災の被災地域の高校生を対象に、彼らが国家資格を取得し、自立できるようにするための就学支援に特化した「東日本大震災自立&就学学資支援NIJIチャレンジプログラム」

●ハワイの子どもたちと国際交流することで、子どもたちが広い世界に目を向け、未来に向かう第一歩になるよう支援する「ケアロヒ・ハワイ東北青少年自然合宿」

●宮城県の子どもたちに自然を学ぶ大切さを伝えるため、教科書やテキスト、教材DVDを製作する「森と水を学ぶ」事業



被災地の子どもたちの支援をきっかけに事業をスタート


2005年に、宮城県ゆかりのアーティストで結成した「宮城びっきの会」の活動が、オーバーザーレインボウ基金設立のきっかけです。

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「一般財団法人オーバーザレインボウ基金」代表・かの香織さん

この宮城びっきの会では、当初、故郷に恩返しという形で楽器のリペアを主体としたチャリティイベントを行っていました。
その後、2011年の東日本大震災後に非営利団体となり、地元に密着した音楽をベースに仮設住宅をまわって演奏したり、体育祭や文化祭で使う楽器の修理・新規購入をしたり、音楽を軸にして、国や県の支援が到底まわっていない部分を懸命に活動していました。

しかし、どうしても一過性というところに終始してしまうので、何か残せないかと考えていたんです。

そんなときに、宮城びっきの会が主催するハワイ合宿が行われました。
この合宿はそもそも、被災した子どもたちの心のケアを目的としたプログラム。だから参加者は、地震で家や家族を失うなど、震災で甚大な被害を受けた子どもたちです。

彼らと過ごすことで、「表層的なイベントをこなして終わるものでは、本当の支援とは言えない」という思いがさらにつのりました。

その一方で、ハワイには音楽があり、山や海、空や風までにも命が宿っていました。そして、現地にいるとその自然に音楽を通して調和させていくことで、自分の心を合わせ、整える…という体験ができたんです。それこそ、日本の文化にも親しみのある精神性だと感じました。

思い返せばそれまで、音楽による震災支援活動で、たくさんの音楽と人が近くなる場面を目の当たりにしてきたんですよね。

これらの経験がきっかけで、音楽を通じたプロジェクトをやっていこうとオーバーザレインボウ基金の設立を決意しました。

ささやかなホームメイドな感覚のものではありますが、年々評価や応援が広がっています。

現在、ハワイ合宿は宮城びっきの会を離れ、私たちの事業として「ケアロヒ・ハワイ東北青少年自然体験合宿」として運営を行っています。

今ではハワイ合宿にかつて参加したことがある被災地の学生のサポートを受けながら、校歌復刻保存プロジェクトを主軸にした震災復興支援事業も展開しています。

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ちなみに、校歌復刻保存プロジェクトは、私の中学時代の担任が震災時に石巻市大川中学校の校長先生だったという縁でつながり、この学校の閉校時の卒業式へ参加したのがきっかけで生まれました。
卒業式でプレゼントした手作りのオルゴールから、校歌の復刻保存のことをひらめいたんです。

今は地元・宮城を中心にこのプロジェクトを進めていますが、天災が多い日本。全国各地の心のケアとして、この校歌復刻保存プロジェクトがいつの日か広がるよう、なんとか続けて行きたいと思っています。

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個人の選択を尊重できる環境づくり、支援事業をしていきたい!


震災、そして度重なる天災、新型コロナウイルス感染拡大の経験を経ると、短い人生でどんなものをチョイスしていくか、個人それぞれの選択がとても大事に思えてきます。

だからこそ、今までの型にとらわれずに、「こんなことってできないだろうか」といった個々の発想を「おもしろいかもしれない」と採用できる環境づくりをしていきたいと思っています。

また、団体にいるなかで、個人個人が自分らしく活躍できる場がつくれるように支援事業を考えていけたらと、計画中です。


全国の女性に向けてメッセージ


最近、ものすごい速度で価値観も含めて世界が変わってしまっている気がします。それは、仕事でも家庭でもそうですよね。
たとえていうなら、ソプラノのリコーダーがハイトーンになっているような。

でも、そこに勘を働かせて、テンポよく、タイミングよく、相手のことを考えながら合わせていくといいと思います。

そして、優しく、文句を言わず、楽しく、ハッピーな空気感をつくっていくように心がけてみましょう。

試行錯誤しながらやっていくうちに、「いい和音だな」と思う瞬間がそのなかに生まれてくると思います。それこそが、うまくいく合図です。

★好きな言葉★

筋道

筋が通っていないのはダメだと思います。というのも、筋道が通っていないと、礼儀、礼節、信頼、愛、すべて崩れてしまうから。

だから、この「筋道」とは私のなかでは圧倒的に根っことも言える大事な部分です。

そして人に対してリスペクトを持って接してください。
ずるい人はもちろん、自分のことばかりの人も、筋を通すとは真逆だと思っています。

とにかく年上も年下もなく、すべてに筋を通す。

まだまだ足りなくて私も反省することが多いですが、できる限り筋道を通していきたいです。

音楽による心の支援を主軸とした非営利支援団体・財団法人
一般財団法人オーバーザレインボウ基金

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2011年3月に発生した東日本大震災後、音楽・文化・芸術による精神医療及び自然環境保全をテーマにした教育・研究や各種プロジェクトの助成、施設の運営や企画などを通し、文化的、社会的資産の保存継承や地域再活性化を推進し、発展させること、また、国内外の災害発生に対して被災した地域の復興に寄与することを目的とし、宮城県栗原市に設立した非営利支援団体・財団法人です。





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