Web会議での自分の顔が怖くて嫌! 相手に誤解されないか心配です。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室317】
✳️今週のお悩み✳️
こんな時期にのんきな相談ですみませんがよろしくお願いします。コロナウイルスの影響でリモートワークとなり、パソコンでのWeb会議が増えたのですが、大きな問題点が1つ出てきました。それは画面に映る自分の顔が怖いのです。なるべく笑顔で、とは心がけているのですが、怖いので自分でみるのも嫌ですし、会議中に落ち着きません。ふだんからこんな顔で、こんな表情で人に会って話しているのかと思うと、悲しくて、恥ずかしくて、本当に嫌になってきます。顔はもうしかたがないとしましても、相手に好印象を与える仕草など、ありますでしょうか。これからWeb会議が増えそうで、自分は声も低く、話し方もやさしい感じではないので、相手に誤解されないか心配です。宇多丸さんのアイデアがあれば、ぜひお願いします。
(ケール姉さん・39歳・会社員・東京都)
宇多丸:
以前あった、顔が怖い問題や、話し方がキツい問題とも通じる話なんですかね。
こばなみ:
これはわかります~!
私は顔が怖いというわけではないと思うのですが、自分を見つめていて嫌というかガッカリというか。目の隈がひどいとか、二重あごだとか、嫌なところをどんどん見つかってしまって……。
宇多丸:
誰だって、いい歳して自分のツラなんか真正面から見直したかないよな、よほどのナルシストじゃない限り。
ずっと顔を出してなきゃいけないんですかね。マスクしてちゃダメ?
こばなみ:
自宅からの会議だと、マスクしてたらちょっと変じゃないですか?
宇多丸:
マスクに笑顔とか描いとけばいいんじゃない?(笑)
こばなみ:
それはかわいいかも! そういう小ネタはいいですね。
宇多丸:
あとさ、大人数の場合とか、誰が誰だかわからないと困るんで、マスクに「高橋」とか、自分の名前を書いておく。
そうすると、真顔でも超おもろくない?
そんな風に、どうせリモートでやるなら、こういう機会ならではの小ネタをちょいちょい入れていく。
背景に見えるものとかも、自宅なんだからいろいろ凝りようがあるじゃん。
こばなみ:
背景は画像で変えられたりもしますしね。この間やったとき、背景ハワイで参加したメンバーがいて、和みました。
宇多丸:
そうなると、毎回次はどう来るのかが楽しみになってきたり。
それくらいのお茶目さはあってもいいんじゃないかな。
こばなみ:
そうですね、できる相手なら。でもそれほど親しくない相手だったり、かたい相手だった場合、何それ?と思われることもあるのかな……?
宇多丸:
まず、そもそも論として、たぶんだけどケール姉さん、ご自分で心配してるほどには、別にそこまで怖い顔でもなかったりするんじゃないか、というのもある。
ま、ご自分が納得してない、というところが一番大きいんだろうけども……。
普通に考えたら、いつも直接顔を合わせて話してるときに特に怖がられたりもしてないんだったら、Web越しだろうと急に印象変わったりしないでしょ、とは思うけど。
仮に、実際いつも仏頂面がデフォルト、というタイプだったとしても、「無愛想に見えるけどいい人」的な評価だって当然目指せるわけで。
前も言ったけど、挨拶だけはハキハキするようにするとか、お土産をこまめに持ってくとか、要は結局、「敵意はないですよ、それどころかあなたに好意を持ってますよ」というのが伝わるように……というか「伝えようとしてるんだな」というのが伝わればもう、じゅうぶんなわけだから。
そしてそういうのは、意識して行動に移していけば誰にでもできることのはずですからね。
もし本当にその段階からの懸念なのだとしたら、そこは日頃からやっぱり、気をつけていきましょうよ、と言うほかないけど。
こばなみ:
あと、好印象を与えられる仕草ということですが。
宇多丸:
仕草ってほど、全身映るの?
こばなみ:
パソコンでやっていたら、上半身くらいですかね。
宇多丸:
じゃあ、そのなかで自然にお茶目感を出すには……、これは僕の持論ですけれども、ストローをくわえてチューチューやってる顔って、どんな人でもかわいくなりません?
こばなみ:
考えたことなかった!
宇多丸:
ストローとか、チュッパチャプスとか、なんであれ口をすぼめて細い棒をチューチュー吸ってる顔って、基本的にどうしたってちょっと赤ちゃんっぽくなるというか、人間くさい間抜け感が半ば自動的に醸し出されてなんともかわいい、というのは前から思ってることなんですけど。
会議中チュッパチャプスはさすがにダメだろうけど、飲み物をストローで飲むのは別にマナー違反じゃないだろうから……、さらにその表情がわかりやすく強調されるよう、スムージーやシェイク系の、吸うのに若干力がいるやつにするとか(笑)。
あとさ、今はあんまり見かけなくなっちゃったけど、音符のカタチのストローとかあるじゃん?
飲む度にぐる~ってなるやつ。
こばなみ:
それは和みますねぇ!!!
宇多丸:
ケール姉さんは39歳でそれなりの立場かもしれないけど、だからこそそういう人間的スキがいいギャップになると思うんですよね。
ふだんカタブツだと思われてるような人ほど効果的なくらいですよ。想像するだにかわいい!
こばなみ:
でも、あらためて、自分の映る絵って本当に嫌な感じになりますよね。
宇多丸:
わかるわかる。
ああいうので、いきなりいい感じに映る人なんて、いないんじゃない?
だいたい下からのアングルで、アゴのあたりとか絶対ブサイクになるしかないしさ。
こばなみ:
だから私、若干パソコン持ち上げてるんですよ。
で、座高も低くして、少しでも上から映る努力をしております。
あからさまに持ち上げてはないですよ。そうするとバレちゃうから。
若干、本とかそういうのをパソコンの下に置いて、自分の椅子を下げる。
だって、変な顔なんだもん~!
宇多丸:
わかるよ。
スマホとかもさ、常に下を見てる状態で映るから、よく見えるわけがないんだよね。
こばなみ:
下においたまま、インカメラが起動しちゃったときなんて、ホラーですよ!
宇多丸:
タレントさんでも素の状態でそれやられて変にならない人、いないと思うよ。
上戸彩だって危ういよ!
こばなみ:
上戸さんも!? なおさらスマホのテレビ電話とかも、上から映さなきゃ!!
宇多丸:
ご苦労なことですね(笑)。
まぁとにかく、さりげなく上からのアングルになるよう工夫するとかってことだよね。
ケール姉さんに限らず、みんなそんな感じで、それぞれ画面内にひとネタ仕込む、くらいの気持ちでいるのが、このご時世むしろちょうどいいくらいなんじゃない? そこまで改まった会議でないのならば。
こばなみ:
Web会議が楽しみになるかもしれませんね。
にしてもストローはナイスアイデア!
小ネタ、いただきますわ! さっそくやってみよう!
宇多丸:
真面目な話をすれば、いま、誰もが物理的に距離を置かざるをえない状況だからこそ、せめて気持ち同士は近づきたい、というような感情が、実は多くの人のなかで強まっているんじゃないかとも思うんです。
と同時にいっぽうでは、ともするとお互い防衛本能が鋭敏になりすぎて、他者の言動につい、半ば反射的にギスギスした反応を返してしまったりしがちな、イヤーな空気も蔓延してるわけじゃないですか、残念ながら。
そんななかで、今回のケール姉さんのように、「人から感じ悪く見えてないかしら」ってところを心配する繊細な気遣いがあるって、実はとても大事なことかもしれない、とも思いました。
だから、ストロー作戦でもマスクに名前でもなんでもいいけど、とにかくいつもよりもちょっとだけ「歩み寄り」スタンスで、くらいの意識は、いまどきは誰しもあっていいのかもですよね。
もちろんカメラアングルにも留意しつつ、ね(笑)。
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2020年4月11日に公開したものを再編集し、掲載しています。