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【栃木】手作り絵本であたたかな社会づくりを目指す「ERICCO BOOK PROJECT」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、栃木県宇都宮市を中心に手作り絵本のワークショップ活動をされている、NPO法人「ERICCO BOOK PROJECT(エリッコブックプロジェクト)」代表の今井絵理さんに聞きました。


貼り絵を用いたオリジナルの絵本づくり


私たちは、貼り絵を用いた作品やオリジナル絵本の制作ワークショップ(WS)を通して、親子や家族の絆づくりや子どもの情操教育支援を目指しています。

ワークショップでつくるのは、同じ文章のものに参加者それぞれが貼り絵をして仕上げる『たからもの』という絵本。愛を伝えるオリジナルストーリーに想いをのせて、手作りの絵本を大切な人に贈ろう!とたくさんの方にご参加いただいています。

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私たちのWSでは、参加者全員で貼り絵の素材となるカラペ(コピー用紙に絵具などで好きなように色や模様をつけたもの)をつくるところから始まります。カラペとは、カラリエーションペーパー(coloreation paper)の略で、color(色)とcreation(創造)をあわせて作った造語です。

できあがったカラペをシェアしあって絵や絵本を作り上げ、発表するという一連のスタイルがERICCO BOOK PROJECTの形です。基本的にWSは3カ月間、全6回の制作日程(2週間に1度)で本の完成までを目指します。

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思い思いにカラペ作り中
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みんなのカラペをシェアして本づくり開始!

カラペを用いた本づくりは、上手い下手も正解もない、誰もが自由に楽しめる世界。さらに、個性の出る手作りカラペを全員でシェアすることで、予想外に褒められたり、人の個性・感性に驚いたりと、単なる絵本づくり以上のポジティブな動きがたくさん生まれるのが、私たちのWSの大きな特徴であると感じています。

そして、ERICCO BOOKの絵本は、作り上げたら終わりではありません。完成された絵本について、参加者それぞれがその想いを発表する「絵本完成発表会」を開きます。ストーリーは同じでも、作り手が違えば完成した絵本は全く異なる。それぞれのページの絵に込められた想いを発表し合います。他の発表者の作品に込められた想いを知ると、涙が出るほど感動してしまいます。

はじめは、わが子に向けた本づくりとしたいというママさん向けの活動でしたが、WSを重ねるうちに、学校や図書館、介護施設など開催場所も広がり、子どもからお年寄りまで、年齢性別問わずに受け入れられる活動へと広がりました。

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長野県の郵便局長組合でのワークショップ風景

また、自治体や地域の方々と連携をとり、地域コミュニティに参加して盛り上げていく活動も実施。そのためのツールとして「オリジナル絵本キット」「ポストカードキット」「カレンダーキット」「カラペセット」等の補助ツールの販売もしています。(詳細はこちらから)


きっかけは、「子どもに手作りの絵本をプレゼントしたい!」という想いから

活動のきっかけは、一緒にプロジェクトを立ち上げた友人、Ericoからの「子どもの頃からの夢である、自分の手で絵本を作りたい!」という相談でした。

絵本を作りたいけれど、二人とも絵心がない!という致命傷(笑)。考えた末に行きついたのが、私たちが子どもの頃から慣れ親しんだ絵本「はらぺこあおむし」で有名なエリックカールさんも使っているコラージュ技法(貼り絵)でした。
「貼り絵形式でなら私たちでも作れそう!」と、挑戦してみたところ、驚くほど簡単にとても味わいのある「絵」を描くことができました。そうして1冊の本が完成したんです。

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この方法でなら、「絵本を作りたいけどハードルが高くて諦めていたようなかたにも、簡単に挑戦してもらえる」と確信し、友人知人を中心にWSを開くようになりました。

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私たちはまず、その「いろがみ」作りのワークショップから始めました。白い紙に、絵の具で自由に色を塗ったり、模様をつけたり、無心になって色と戯れる時間。「大人になって、絵の具で色塗りするのがこんなに楽しいなんて!」「思った以上に色に癒された。色のチカラってすごいかも!」など、その楽しさ、その魅力に、ハマる人が続出しました。

みんなで作ったいろがみを、みんなでシェアしてコラージュ絵に挑戦。ワークショップは、ポストカード作りからはじまり、額に入れて飾る絵を作り、さらに絵本作りへとステップアップしていきました。

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活動を続けるうち、参加者から「もっと多くの人に知ってもらうべき活動だ」という声をたくさんいただき、それらに後押しされる形でNPO法人化することに。クラウドファンディングに挑戦するなどして、無事2017年12月に法人化することができました。

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血のかよったコミュニケーションを大切に

現在、北海道から大阪まで、全国26名の公認オーガナイザーが各地でワークショップをおこない、ERICCO BOOK PROJECTの活動を広めてくれています。(公認オーガナイザーとは、全国で普及活動に携わってくださる方のこと。詳しくはこちら
今後も、想いをもったメンバーたちの力を借りながら、この活動の魅力を、届けられる範囲に届けていきたいと思っています。

活動を始めた当初は、「とにかく多くの人に広めたい!」と力んでしまっていましたが、WS活動をとおして「ありのままのあなたでいい」という基本にかえることができ、無理のない活動に重きをおくようになりました。

正解のない本づくりをとおして、誰もが全肯定される体験をしてもらう。価値観や感性の違いを認め合うことで、自己肯定感が高まり、多様性を認められるあたたかな社会づくりにも貢献できるのではないかと考えています。

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「カラペ」は、年齢も性別も言葉の壁も簡単に超えることができる「コミュニケーションツール」です。現在は、カラペを使ったアートプロジェクトなども積極的におこなっています。
絵本キットに使用するカラペを公募形式で選んだり、宇都宮市のトマト内科糖尿病高血圧甲状腺クリニック 様の外壁をキャンバスに、地域の皆さんを中心に公募で集めたカラペを1枚1枚トマト型にデザインし、壁面に装飾していただくなど、モノや街を「カラペ」で彩っていけたらと思っています。​

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全国の女性へメッセージ

コロナ禍でさまざまな活動がストップされ、これまでの価値観が揺さぶられる事態になりました。「本当に大事なことは何か」と考える時間が増え、これまで周りの価値観に縛られて生きてきたことに気づきました。

自分の内側から湧き出てくるものをキャッチして、それを信じて生きていくことも大切です。これまでの考え方をリセットするためにも、自分を表現することが重要であると感じています。
ぜひみなさんも、この機会を立ち止まって自分の心と向き合い深掘りできる時間と前向きに捉えてみてほしいと思います。

★好きな言葉★

「みんな違うから、おもしろい」


金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい」という言葉がもともと好きでした。活動をとおして、違うからこそ‟おもしろい”のだと気づきました。いまではよりピッタリくる「おもしろい」を使っています。

NPO法人「ERICCO BOOK PROJECT」

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NPO法人 ERICCO BOOK PROJECT

HP: https://www.ericcobook.com/

Facebook: https://www.facebook.com/ericco.book.project/

Instagram: https://www.instagram.com/ericcobook/?hl=ja





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