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恋愛経験が浅い彼。結婚も考えているけど「相手は私ではない」と思われる時が来るんじゃないかと不安……。【ライムスター宇多丸のお悩み相談室171】


✳️今週のお悩み✳️
結婚しようと思ってる彼氏とのことで漠然とした不安があります。1年ほど前に6人目の彼氏ができました。私はこれまで2~3年付き合ったり、1カ月だけ付き合ったり、1年以上片思いしたり、ワンナイトラブを経験したり、彼女持ちに遊ばれたり、妻子持ちに告白されたりと一通りの恋愛経験は積んできていると思ってるのですが、向こうは私の前に4カ月ほど付き合った彼女がいるだけと、かなり恋愛経験が浅いです。私はこれまで、結婚する気がない人とは付き合わないというスタンスで、どんな人でも付き合っている間だけはこの人と結婚する、と思って付き合ってきました。そんな風に思えた人でもこれまでの5人はやっぱり何か違うと思う瞬間がありお別れしてきました。そんなこんなで経験が増えるごとに次の男性の条件(言い方悪いですが)が増えてきた私ですが、今の彼とは間違いなく結婚したい、と思っています。ただこれまでもそう思ってきたのもたしかなので、今後ふと結婚したくなくなったり結婚しなければよかったと思う瞬間が来るのではと不安になります。また、彼の方は私のようにこれまでの経験上こういう人はダメだったという実例のようなものが少ないのも不安です。私と同じように、ふとこの人ではないと思う瞬間が来るのではないかと不安になります。そんなのみんな乗り越えてきてんだよ!とか一蹴されそうですが、こんなうじうじ考えてしまう私に何かアドバイスをお願いします。

(さき子・27歳・神奈川県)


宇多丸:
前回僕は、「恋愛経験を積んでゆくうちに、相手に求めるもののプライオリティなんか全然変わってくる、前は絶対条件のように思い込んでたファクターがだんだんどうでもよくなってきたりして、語弊はあるかもだけど適切な“手の打ちどころ”が見えてくる」みたいなことを言いましたけど、さき子さんは逆に、どんどん条件が増えて、厳しくなってゆく方向なわけですね。そういうこともあるんだなぁ。

たぶんこれ、相手のことが嫌になって別れてるか、そうでないかの違いだと思いますけどね。僕は基本、「自分が至らなかったんだ」と考えることが多いからな……。
もちろん世の中には、ホントに向こうに一方的に非があるっていうケースも普通にいっぱいあるんでしょうし、そこから「二度とああいうヤツは選ぶまい」って学習してゆくのも、それはそれでたしかに大事なことでしょうけども。

ただ、個人的には、「やっぱり何か違うと思う瞬間があり」っていう表現に、ちょっと引っかかるものがあって……、だって、ずーっとお付き合いを続けてゆくなかで、「何か違うと思う瞬間」がまったく訪れない人なんて、現実に存在するのかなぁ?って気がするんですけど。

無論その「違い」も、程度問題だったり人によったりはするだろうけど……、いくらなんでもこういうこと言ったりやったりするヤツは、一発アウトーッ!って一線も、たしかにあるっちゃある。
ひょっとしたらさき子さんも、5人連続でそういう人に当たっちゃってたのかもしれないけど。だとしたらまず、具体的にお付き合いしだす前に、人を見る目をもっと養わないと、って話だよね。

でもとにかく、一般論的に言えばさ、この連載でも何度も言ってることだけど、どんなに最初は「合う」と感じたお相手だって、そこはやっぱり「他者」同士なんだから、いずれは当然、大小の断絶が浮かび上がってくるものなわけですよ。それだけは避け得ないと言える。
だから、そのたびに「何か違う」から別れる、って発想だと、ホントにキリがなくなっちゃうというか……、まして、本来まったくの別人同士でしかない元カレたちの「違う」ポイントを累積してっちゃったりすると、もともと現実離れして狭かったストライクゾーンを、さらにどんどん狭めてくいっぽう、ってことになっちゃいかねないでしょ。

そこにブレーキをかけるのはやはり、「とはいえこっちだって、向こうからすればガッカリなところ、山ほどあるんだろうからな……」って、適度に我が身を振り返るバランス感覚なんじゃないかと思うんですが。

むしろ、そうやってお互い「何か違う」とこがたくさんあるのも重々承知の上で、歩み寄りや調整の努力を日々重ねてでも……、つまり、あえてこの言い方をするけど「ごまかしごまかし」でもいいから、やっぱりずっと一緒にいたいと思える……そんな相手をこそ、少なくとも永続的なパートナーには選ぶべきなんじゃないの、というのが僕の考えですね。
しつこいようだけど、完成され安定しきった「理想の恋愛/結婚生活」なんてものは、この世に存在しないよ!

まぁ、さき子さんの場合は、そうやって5人分上げに上げたハードルを、それでもシレッと飛び越えてきてくれた、言ってみれば限りなく「理想“的”」な彼氏というのが、すでにゲットできてるわけなんだからさ。それってかなりラッキーなことですよ。
なのに……、そりゃあ彼にだって間違いなく、いずれは「何か違う」と感じる一面は必ず出てくるに決まってるんだけど、そのとき、今まで通りの一方的な「減点法」でジャッジし続けていいんですか?とは思うよね。

「ひょっとしたら、これまでの恋愛同様、いつかふとした瞬間に冷めてしまうかも……」という不安もわからいじゃないけども……、そんなこと言い出したら、どんな最悪の可能性だって、そりゃあゼロではないよ! キリがないし、なんにもできなくなっちゃう。

こばなみ:
かなり心配性の方ですよね。

宇多丸:
でも、本当に大事なのは、問題が起こってしまうことそれ自体ではなくて ―だって、生きている限り、なにかしらの問題は絶対に起こってしまうんだから― それに対して、どう対処するのか、できるのかってことのほうでしょ。

さき子さんで言えば、彼に対していずれ「何か違う」と感じてしまうこと自体はどっちにしたって不可避なんだから、それをただ不安がっているだけじゃどうにもなんなくて。
それよりも、いざそうなったときに、これまでのように「何か違う=もうダメだ!」と短絡して自ら不安を現実化してしまうのか、それとも、その「違い」となんとか折り合いをつけて関係性を維持していくほうを選ぶのかっていう、そういう話だから。
そこから先はもう、『The Choice is Yours』の領域なんで……。

一方、彼が逆に恋愛経験ほぼゼロでかえって不安、という件のほうですけども。
でも、これって実は、別に彼が経験豊富だったとしても、結局同じことなんじゃないのかね。「元カノのほうが良かったと思ってるんじゃないか」とか、なんでもいくらでも、不安に感じることはできちゃうわけでしょ。
要はこれも、「あり得るかもしれない可能性」のことなんて言い出したらキリがないよ!っていう、やっぱり同じような話ですよね。

こばなみ:
参考までに、私の友達で、恋愛経験豊富な女子とほとんど恋愛経験がない男子(自分では1人は付き合ったことがあると言ってたけど、明らかに怪しいw)が結婚したんですけど、その女子は、彼が全然女性経験がないというところが安心、つまり浮気をしないだろうって理由で選んだと言ってましたよ。
まぁ彼は彼女にぞっこんラブで、かなり尻に敷かれていますけどね。

さき子さんカップルの構図も同じなんで、そういうこともあるかもしれませんよ。

宇多丸:
前にも言ったけど、恋愛経験が貧弱で自分に自信がない人ほど、ようやく誰かとそういう関係になったときに、「この人“だから”自分を受け入れてくれたんだ=この人しかいない!」ていう思考に行きやすいとは思う。
まぁ単に、自分からは積極的になれないぶん、アプローチされると陥ちやすいタイプ、ってことではあるかもだけど(笑)……とりあえず、放っておいても異性がワラワラ寄ってくるとかそういう資質の人では十中八九ないんでしょうから、まず、大丈夫でしょう! 
さき子さんも、今のうちにがっちり尻に敷いて、一生頭上がんないようにしとけばいいんじゃん?(笑)

こばなみ:
万が一、誰かから言い寄られるのを回避するために、ダサめに仕上げとくのはどうですか?

宇多丸:
それは、それでお互い安心できるんならそうすれば?としか言いようが……(笑)。

ちなみにさ、さき子さんたちって、これまで一緒に住んだりはしてないのかな?

こばなみ:
書いてないので、おそらくしてないかと。

宇多丸:
じゃ、まずはそれじゃん?

皆さん結婚する前に、仮免ならぬ仮夫婦として、最低1年は試運転=同棲をしてみたほうがいいんじゃないですか?っていうのが以前からの僕の持論ですから。
恋愛対象であるということと、同居が苦にならないということは、まったくの別問題だから、っていうね。

こばなみ:
そうですね、一緒に暮らしてみたらもっと安心するかもしれないし、逆に嫌なところがあぶり出されて無理~ってなるかもしれないけど、今のようなモヤモヤは減りそう!

宇多丸:
お互いの「違い」をあぶり出したうえで、平和的発展的な共存が可能かどうか見極める、いい機会になりますよね。

そういうプロセスを経ずにさ、それこそそれまでずっと実家暮らしだった同士が、いきなり結婚して一緒に住んだりするのは……、はっきりいって破滅の予感しかしないですよ!

こばなみ:
部員さんにもいますよ。実家暮らし同士で、結婚して一緒に住んだら、脱いだものはそのままだし、育児はしないわ、母親が勝手に乗り込んでくるわで。

同棲してたら絶対結婚しなかったって言ってた!

宇多丸:
ほーら、やっぱり!

こばなみ:
でも楽天家だからか、いまは慣れてどーでもいいみたい。子どももいるしね。

宇多丸:
「子はかすがい」とはよく言ったもので……、でも、逆に言えば、その子というかすがいが成人したりしていなくなっちゃったら、そこだけがつながりだったような夫婦は、その時点でやっぱり、いつ空中分解してもおかしくないってことでもあるよね。
それこそ、熟年離婚ってそういうことでしょ。

いずれにしても、結婚までするならいずれ絶対に乗り越えなければならない過程、「お互いの“他者性”と折り合いがつけられるかどうか」の判断をするためにも、さき子さんカップルにはマジで、一定期間の同棲をオススメいたします。
もちろん、それで「やっぱダメだ」って結論になることだって、それこそ「可能性としてゼロではない」わけだけど……、結婚しちゃってからよりは全然マシだから!

こばなみ:
2017は同棲元年! 暮らしてみての結果も気になるので、また何かあったらご連絡くださいませ。うまくいくことを祈っておりますよ~。



【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2016年12月3日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
こちら
※シングル「世界、西原商会の世界! Part 2 逆featuring CRAZY KEN BAND」が配信中! Victorサイト限定CD盤もリリース!
詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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