【北海道・青森】青森県とみなみ北海道を拠点に活動する「津軽海峡マグロ女子会」
日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、青森とみなみ北海道のまちおこしグループ「津軽海峡マグロ女子会」の三津谷あゆみさんに活動について聞きました。
津軽海峡圏に元気な毛細血管を! ゆるやかにつながる、まちおこしグループ
津軽海峡マグロ女子会(マグ女)は、青森&みなみ北海道のパワフルな女性による、まちおこしグループです。メンバーは、まちおこしグループのリーダーをはじめ、旅館の若女将、カフェのマダム、旅行会社プランナー、観光案内スタッフなど約95人。「津軽海峡エリアのすみずみに、元気な毛細血管を張り巡らしたい!」という想いで活動をしています。
行政区域を越えた自主的なゆるい連携で、踊らされているのではなく、自ら踊っているというのが私たちです。
結成以来、新幹線開業関連の催しなどに協力・参加するほか、独自の開業PRイベントを企画・実施しました。2016年には青函デスティネーションキャンペーンを記念した「懐かしの津軽海峡にぐ・さがな弁当」という駅弁を監修するほか、この年から「マグ女のセイカン♡博覧会」というイベントを実施。津軽海峡をマグロのように回遊してもらう「寄り道旅」をプロデュースしています。
2017年には「第9回観光庁長官表彰」を受賞し、2018年には内閣府「女性のチャレンジ賞」もいただきました。また、マグ女の志が波及し、関門海峡には「関門海峡フク女子会(フク女)」が、北海道後志(後志)には「しりべし女子会(しり女)」が、青森県八戸市には「八戸サバ嬢」が誕生。志を同じくする女性たちが、続々とチャレンジを始めています。
※「のぼり坂47」の八戸サバ嬢の記事はこちら
北海道新幹線開業を機に、2人の女性の想いがカタチに
津軽海峡圏をもっともっと個性輝くエリアにしたい!という想いで、2014年に結成した「マグ女」。
青森県・大間町の島康子と北海道・松前町の杉本夏子の2人が、かねてから温めていた思いを具体化させようと声をあげたのがきっかけです。ちょうど北海道新幹線開業を控え、さまざまな分野で道南と青森県の交流を深めるための取り組みが行われていた中での誕生でした。
大動脈ともいえる新幹線が開業しても、地域同志がつながらないと毛細血管は通わない。ひとつひとつの街や人の力は小さくとも、束になれれば大きな力となる。「みんなで力を合わせて津軽海峡を盛りあげていこう!」と、活動をスタートしました。
しかし、設立当初は具体的なことは決めておらず、走りながら、仲間を増やながら活動を続けてきました。
みんなで考えたマグ女のミッションは3つです。
★連携:人をつなげて、道をつくる。
★発信:地元の人から学び、足元に光をあてる。
★創造:津軽海峡圏の元気づくりの牽引役になる。
このミッションのもと、活動を続けていますが、はじめから全てがうまくいったわけではありません。
たとえば、昨年で4回目の開催となったイベント「マグ女のセイカン♡博覧会」も、初年度は思うように参加者が集まらず、集客に苦労しました。そこで、2回目からはプログラムの内容を見直したり、告知の仕方を工夫したりと、毎年コツコツ努力を重ねています。おかげさまで徐々に参加者も増え、恒例となったフェアウェルパーティも毎年大盛況です。
おばあちゃんになっても続けたい!
私たち「マグ女」の活動は、スタート時より、単発の取り組みではなく長く続けていくことが目標。「おばあちゃんになっても続けよう」と声を掛け合って、身の丈にあった長期的な活動を目指しています。
昨年は訪日外国人向けのプログラムについて検討。北海道での先進事例の視察や勉強会などを開催し、自分たちの地域で何ができるか、じっくり考える機会をもちました。インバウンド対応の具体的な展開にはまだ時間がかかりそうですが、多くの方にご協力をいただき、今後を考える大変貴重な経験となりました。
また、青森県下北半島の「マグ女」は、自らがお客さまをもてなすガイドになるべく地域の研修会に出席し、下北ジオパークガイドに認定され、独自のウェルネスツアーの企画・実施を始めています。
現在、新型コロナウイルスの影響で青森県への旅行を控えている人たちに、動画配信と土産品の詰め合わせで旅行気分を味わってもらう企画「妄想で行く青森ウェルネスツアー」で、クラウドファンディングに挑戦中(https://camp-fire.jp/projects/view/278417「2020年7月20日募集終了」)。ぜひ、そちらも応援していただけると嬉しいです!
コロナの影響もあり、今後の活動についてはまだ決まっていないことも多いのですが、これからも無理せず、私たちらしく、息の長い活動を続けていきたいと考えています。
全国の女性へのメッセージ
職業も地域も立場も異なる私たち「マグ女」は、ひとりひとりがとても個性的で元気。そして、さらに、みんなが集まり、それぞれができることや得意なことを活かしていくと、さらにパワーアップ!思いがけないチカラが出せるだけでなく、自分の本業への刺激や活力にもなります。
ひとりでは越えられない壁も、仲間となら笑いながら乗り越えられるかもしれません。
★好きな言葉★
隣の町は活気がなくなって、自分の町だけが輝くということは、ありません。褒めあって、元気を出しあって、自分も地域も一緒に輝いていきたい! ということで、褒めあうことがマグ女の基本方針となっています。
みんなで集まるときも、反対意見よりポジティブな声を掛け合うことが多いです。イベントの反省会でも、よくなかった点をつつき合うよりも、できた点を「頑張った、頑張った」と称え合うこと、そのうえで次回につながるフィードバックがされています。また、ひとりではできないことでも、みんなで達成する喜びを感じることで、たとえ大変なことがあっても、また次も頑張ろうという気持ちになってしまいます(笑)。
津軽海峡圏のまちおこしグループ
「津軽海峡マグロ女子会」
津軽海峡マグロ女子会(つがるかいきょうまぐろじょしかい)
Facebook https://www.facebook.com/magujyo/
マグロ女子、略してマグ女(まぐじょ)は、泳ぎつづける津軽海峡のマグロのように、次から次へとチャレンジしつづける女たちのアライアンス。津軽海峡をはさんだ青森県とみなみ北海道の地元愛にあふれたギラギラ輝く女たちが束になって、しなやかに、したたかに泳ぎ続けながら、津軽海峡圏をギラギラと輝かせていきます。